String Quartet.12, 16: Alban Berg.q
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一人のクラシックオールドファン | 兵庫県 | 不明 | 19/July/2012
もう解散して四年経ったアルバン・ベルクQは1970年VPOのCMを務めていたギュンター・ピヒラーが中心となって結成されたオーストリアの弦楽四重奏団であり室内楽の中でも特に凝縮されたエッセンス編成で各メンバーの完璧な技術とアンサンブルの緻密さに支えられ豊かな音色、表現力を駆使した演奏は三十年弱の活動において高い評価を得ておりました。ベートーヴェンの弦楽四重奏曲は本盤収録曲を含む1978〜1983年のスタジオ録音と1989年のライヴ録音がこのQ演奏として残されております。中でも本盤曲目であります後期G分はその表現の彫りの深さ、研ぎ澄まされた緊張感、その気迫溢れる演奏ににおいて素晴らしいものがあります。ここでは最後に至って伝統的な4楽章構成に戻った第16番(1981年収録、タイム@6’19A3’22B7’45C6’52)についてメモしてみます。第1楽章印象的なしゃくり的テーマにとにかく先ずエッセンスが詰まっており比較的明るく分り易く進む楽章でふとモーツァルトの世界も連想しました。やはりウィーンの伝統雰囲気を持ちつつ現代的で鋭敏な感覚がこのQの真骨頂を象徴する演奏として結晶した様な感じです。テンポ速い第2楽章は曲としてはややゴタゴタ的に受け取りましたが演奏は決してベタ打ちではなく濃淡メリハリが鮮やかですね。やや狂騒的な後を受けた第3楽章はゆったり取り組まれて運ばれ奥深い情感を味わう事が出来る演奏になっております。いよいよ最終楽章は何かベートーヴェンの人生において如何に「苦しい人生に立ち向かい、解決したか」という道程を追体験できる締めくくりの「白鳥の歌」めいたこの作品に相応しい楽章として位置づけられるのでしょうか・・・楽章冒頭に「ようやくついた決心」という言葉が書かれ、「そうでなければならないか?」、「そうでなければならない」、「そうでなければならない」と歌詞がつけられ低音弦と高音弦間で語り合われつつ進められます。後段は明るさを呈し始めピチカートに乗りつつ最後は爽やかさと言ってもよい程美しく終止するのですがこの辺りの精神遍歴?をこのQは特に透明感を持って表現しているのが特筆されましょう、本番併録の第12番(1981年録音、タイム@6’40A16’38B6’53C6’54)も気宇壮大で刺激的な演奏に仕上げられた印象を持ちました。なお、先述の1989年ライブ録音はトータルタイムしか確認していませんが第12番・・・36’59、第16番・・・25’10となっています。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)0 people agree with this review
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