Die schone Mullerin : Julian Pregardien(T)Kristian Bezuidenhout(Fp)
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村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 18/December/2024
ユリアン・プレガルディエン、本当にいいテノールになりましたね。HMVレビューの通り、シューベルト時代の歌唱様式の研究に基づいて、旋律装飾を加えた演奏。こうしたやり方の端緒は父クリストフの2007年録音(ミヒャエル・ギース伴奏盤)かもしれないが、これを遥かに大胆にやったのが2013年のマルクス・シェーファーとトビアス・コッホの録音。でも私の見るところ『水車小屋』に限っては、これは失敗。演奏者の方法論が練り上げ不足だったと思う。近年では、いかにも頭の良さそうな(声自体にいまひとつ魅力がないのが惜しまれる)コンスタンティン・クリンメルとダニエル・ハイデ(2022年録音)がとても良いバランスで装飾を加えた歌唱を成功させている。一方、装飾なしの昔ながらのスタイルでも、美声で一気に押し切ってしまったようなアンドレ・シュエンとダニエル・ハイデの直線的な歌唱(2020年録音)も捨てがたい。 というわけでこの録音、やはり原調通り歌えるテノールであること、伴奏にベザイデンホウトを迎えたことのメリットはきわめて大きい。歌手はささやき声のようなソット・ヴォーチェから叫び声に近い強烈な表現まで、実に幅広い技巧を投入しているが、それが旋律装飾と相まって主人公の傷つきやすい心をこれまでになく「なまなましく」描き出すことにつながっている。だって遍歴職人が親方の娘と恋仲になって振られる、なんて日常茶飯事だったはずだが、主人公はそれで命を絶ってしまうわけだから。もちろん旋律装飾と言っても、のべつまくなしに譜面と違う音符を歌うわけではなく、全曲のクライマックスと目される第18曲「しぽんだ花」ではヴァリアントを控えている。こういう加減もまたお見事。パドモアとの『冬の旅』では明らかに不発だったベザイデンホウトも今度は素晴らしい。控えめながら彼も旋律装飾を加えているし、最終曲「小川の子守歌」でのアルペジオの揺らしなどまさに絶妙。0 people agree with this review
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