Yukiko Okuno : Grace
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今本 秀爾 | 大阪府 | 不明 | 21/April/2024
アルトフルートの独特の奥深くまろやかな音色とボリュームのある分厚い響きを隅々まで堪能できる一枚。 通常のフルートとは違い、アルトフルートはソロで演奏される機会は少ないうえ、アンサンブルでも蔭の部分を支える、暗く地味な楽器という印象が強いが、この奥野由紀子の演奏を聴けば、そのような印象は一瞬で吹っ飛んでしまうような、明るく伸びのある美しいクリアなアルトフルートの音色がこのアルバム全体を通じて体験できることだろう。 収録曲もクラシックファン以外でもメジャーで聴きやすい曲がずらり勢ぞろい。ゆったりとしたテンポで朗々と謳われる「G線上のアリア」、高音に分散和音の美しさが際立つブルッフの「ロマンス」、瑞々しさに満ち溢れたパラディスの「シシリエンヌ」、歌さながらに説得力をもって語りかける「アレンスキーのアリア」など、1曲1曲が楽しめる要素「てんこ盛り」である。 しかも奥野の演奏は、どの曲も必ずクライマックスになる部分が設定され、ピアノと相まってナチュラルに進行するクレッシェンドの盛り上がりが、聴き手を飽きさせない。 筆者はなかでもシューマンの「幻想小曲集」の強弱緩急が際立つダイナミックな演奏に心を奪われた。通常のフルートでも困難な起伏に満ちたこの曲の演奏を、奥野はアルトフルート1本で見事に体現させている。 1曲目冒頭のメランコリックなメロディーから、一音一音が丁寧に思いを込めて演奏される。3曲目のリズミックなメロディーの軽快さや切迫感ある表現も見事で脱帽である。 アルバム全体を通じて、奥野の吹くアルトフルートは、人間の肉声音域に近いせいか、まるで人に何かを訴えかけるような語り口で聴き手を虜にしてしまう。さらにアルトフルートにとっては演奏が難しいとされる高音部のロングトーンやトリルでさえ美しくナチュラルに響かせる奥野の演奏技術には驚かされるばかりである。 加えて本CDの録音技術の高さも秀逸であり、奏者の息づかいが間近に聞こえ、それを支えるピアノの伴奏もまるでハープのごとく立体的に響き、あわせてまるで間近で演奏を聴いているような錯覚を覚えるくらい臨場感にあふれている。 管楽器は苦手という人も、このCDを聴けば、構えずともナチュラルな感覚で耳に入ってくるアルトフルートの響きに心を奪われること間違いなしだろう。0 people agree with this review
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