Piano Concertos:Aimard(P)Boulez/Cleveland O +Miroirs
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宗仲 克己 | 東京都 | 不明 | 16/July/2025
ラヴェルの二つのピアノ協奏曲は、完成度が高く、良い意味で楽譜どおりに演奏するだけで、豊かな響きの音楽となる。「オーケストレーションの魔術師」「スイスの時計職人」など、ラヴェルの異名は言い得て妙である。二つのピアノ協奏曲には、アントルモン、アルゲリッチ、ロジェ、ウーセ、ツィマーマンをはじめとして、私が好む録音が数多くある。ブーレーズとクリーヴランド管弦楽団は、1994年11月にツィマーマンとセッション録音しており、本盤のエマールを迎えての演奏は、2010年2月のセヴェランス・ホールにおけるライヴ録音である。 ラヴェルの楽曲には、「亡き王女のためのパヴァーヌ」や「クープランの墓」の「メヌエット」のように、聴く者に哀惜・哀愁といった感情を喚起する要素がある。これはラヴェルの楽曲の特別な魅力でもある。「ピアノ協奏曲ト長調」の第二楽章(Adagio assai)には 、その魅力が溢れている。第74小節以降の主部の再現では、イングリッシュ・ホルンが主旋律を美しく歌い上げ、エマールが奏でる繊細な音たちがぴたりと寄り添う。さざ波のように煌めく音たちのすべてが美しい。 「左手のためのピアノ協奏曲」は、パウル・ヴィトゲンシュタインから委嘱され、1932年1月にヴィトゲンシュタインの演奏で初演された。その際、ヴィトゲンシュタインは、あろうことかピアノ譜だけでなくオーケストラ譜まで変えてしまった。丹精を込めて作曲したラヴェルが立腹するのは当然で、二人の間に深い軋轢が生じたと伝えられている。なお、パウルの弟のルートヴィヒは、生前の唯一の著作「論理哲学論考」で知られている。主観的観念論の変種にすぎないこの小著は、現在も過大評価され続けている。ヴィトゲンシュタイン兄弟は揃って相当な食わせ者であったようである。 国内盤の解説書の「フランス音楽史」は、読みごたえがある。「ドビュッシーが20世紀の前衛音楽、いわゆる現代音楽の扉を開いたのに対して、ラヴェルは19世紀フランス音楽の伝統を受け継ぎながら、それを徹底して磨き上げ、洗練の極みに達したのだった。」との指摘は、すぐれて本質を捉えている。0 people agree with this review
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gakusei | 北海道 | 不明 | 22/February/2021
ピアノとオーケストラの演奏が見事に一体化している。また、現代音楽の演奏家は冷たいと言われることがあるが、ここではそんなことを全く感じない。0 people agree with this review
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segovia | 愛知県 | 不明 | 20/September/2015
非常にクールで、知性的。ブーレーズとの相性もよし。今後さらに活躍すると思われる演奏家の一人である。2 people agree with this review
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ガメラ | 群馬県 | 不明 | 02/January/2011
あまたあるラベルのピアノ協奏曲のCDの中からこの盤を選んだのは「左手のためのピアノ協奏曲」とのカップリングだからです。職場(リハビリテーション病院)で患者さんからピアニスト館野泉さんのことを聴かされ、この曲に改めて興味がわきました。結果的には”両手のための”ピアノ協奏曲ト長調と比べるとちょっとつまらなかったです。 左手のためのピアノ作品について言うならば、バッハ作曲の無伴奏バイオリンパルティータ第2番のシャコンヌをブラームスがクララ・シューマンのために左手用に編曲した曲が館野泉「左手のためのピアノ作品集」(エイベックス・クラシックス)に収録されていてお薦めです。2 people agree with this review
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Mickey | 埼玉県 | 不明 | 28/October/2010
期待していたエマールは予想通りのクールで客観的な表現で、それ以上でも以下でもない。こういう行き方だと、まるでブーレーズ自身がピアノを弾いているかのように、オケと一体化している。ブーレーズは相変わらずの分析的な表現が、ラヴェルの巧緻なオーケストレーションでは奏功。あまり評判の良くない録音は、DGらしからぬ柔らか目の旧フィリップス録音のような暖色調。通常のシャープなDG録音を受け付けない我が家のスピーカーには、このくらいでちょうど良い。というわけで、この盤はブーレーズによるラヴェルの協奏曲を我が家のスピーカーで、この曲の最新録音として楽しむための一枚となった。1 people agree with this review
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つよしくん | 東京都 | 不明 | 02/October/2010
期待を裏切らない名演だと思う。ブーレーズとエマールの組み合わせは、これまでもリゲティのピアノ協奏曲などの競演で既に名コンビぶりを発揮していたが、今回は、ラヴェルの傑作協奏曲をいかに料理するのか、聴く前から大変興味を抱いていた。若き日の前衛的なアプローチが影をひそめ、すっかりと好々爺になったブーレーズであるが、フランスの若手ピアニストでありながら、非常に個性的な解釈で知られるエマールとの競演で、この傑作協奏曲をいかに解釈するのか。。。結果は、意外にも正統派のアプローチであった。もちろん、左手のためのピアノ協奏曲において時折見られる無機的になる寸前の最強奏など、若き日の前衛時代を一部に垣間見ることもできるが、ピアノ協奏曲ト長調、特に第2楽章などの繊細にして優美な指揮は、若い日に先鋭的なラヴェルの管弦楽曲集を遺した指揮者とは思えないような情感の豊かさだ。エマールのピアノもただただ美しい。2つのピアノ協奏曲における繊細にして情感豊かなタッチも美しいが、「鏡」における諸作品におけるエスプリに満ち溢れたセンス満点の弾きぶりは、あらためてエマールがフランス人であることを再認識させられた。録音も非常に鮮明であり、素晴らしい。11 people agree with this review
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ombredouble | 東京都 | 不明 | 26/September/2010
二曲の協奏曲はブーレーズには珍しく本当にライヴ録音したようで、そのせいか抜けが悪く、ピッチイントネーションの統制も綻んで嘗ての透徹したアンサンブルの面影は最早ない.斬新な音色の混合がもっとはっきり聞こえなければ聴く意味は薄い.尤もベルク室内協奏曲の再録に見るようにスタジオ録音で必ずしもベストを出せないようになってきているから、これはこれで良かったのかもしれない.《鏡》の方は一時期よりはペダリングの技術を修復し、和声の重なりを明晰に捉えて好演.少なくとも面白く聴いた.全体に、客観的に見てそこまで悪い演奏ではないからこの程度で.4 people agree with this review
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rx1206 | 東京都 | 不明 | 23/September/2010
安物ではあるが小生の装置ではそんなに録音が悪くは感じない。 別途記載されているようにオケの上手さは尋常ではない。 ツィメルマンの場合も同じコンビがバックであったが、 比較にならないほど今回の方が出来栄えは素晴らしい。 エマールは左手の方が成功している。 単なる精密機械ではなくこの曲の持つ純と混沌を見事に表現している。 両手は高水準であるが他にも良い演奏はある。 (本命のアルゲリッチはデュトワとのEMI盤がベストか。アバドとの録音はダメかと・・・) 鏡は蛾、悲しき鳥の演奏が傑出している。 今年12月の来日公演でも演奏される予定なので楽しみです。4 people agree with this review
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Stuemper | 愛知県 | 不明 | 20/September/2010
録音の善し悪しは措くとして、演奏は悪くないと思う。何よりもオケが水際立って、うまい。特に木管などのソロは理想的といってもいいほど。ファゴットなど、2つの協奏曲ともに、今まで聞いたことがないような歌い回しで、聴かせる。『鏡』にはたしかにもっと神秘的な響きが聴きたいところもあるが(特に「鐘の谷」など)、これはこれで私は楽しんだ。2 people agree with this review
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