The Agony And The Ecstasy
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農夫 | 岡山県 | 不明 | 10/April/2019
彫刻家ミケランジェロはフィレンツェからローマに招聘される。そして、当初の依頼は変更され、教皇ユリウス2世にシスティナ礼拝堂の天井画を描くことを命じられる。感情移入できず職務放棄して逃亡し、採石場で働いたりするが、自らの構想を得て赦され、現場に復帰する。下地づくりの助手はいるものの、その後ただ独りで四年間制作に従事する…。史実が尊重されていて、天井画を描くための足場の組み方やフレスコ画の描き方さえ興味深い。少し離れた場所ではラファエロが、これも歴史的名画であるところの『アテナイの学堂』を制作している。映画は旧約聖書に材をとった天井画の完成をもって大団円を迎える。その翌年にユリウス2世は死去し、ミケランジェロによって正面の祭壇上部壁面に『最後の審判』が描かれるのは、ほぼ四半世紀後のことである。従って致し方ないのだが、ユリウス2世の冗談めいた発言以外に『最後の審判』制作の、その経緯が映画に出てこないのはとても残念である。ルネサンス期を背景とする本作の見処は多いが、ミケランジェロの作品を媒介にしてのユリウス2世とミケランジェロの対話が見せ場を形成する。反発と同調を繰り返しながら深いところで通じ合う二人に、いつしか共感しないではいられないだろう。映画の中では、異教徒である古代ギリシア人の芸術に対抗し超克しようとするミケランジェロに対する反感や非難が見られもする。しかし、教皇を中心にしてローマ・カトリック教がルネサンスを受け容れるという図式が窺い知れる。実際、ラファエロの作品は題材が古代ギリシアそのものではないか。プラトンとアリストテレスの立像を中心に配して描かれた『アテナイの学堂』は、教皇の書斎を飾るために描かれたのである。ミケランジェロをチャールトン・ヘストンが演じ、ユリウス2世を『マイ・フェア・レディ』でヒギンズ教授を演じたレックス・ハリスンが演じている。二人ともはまり役である。監督は『第三の男』のキャロル・リードで、つまらない作品になりようがない。原作となったアーヴィング・ストーンの伝記小説を知らないので何とも言えないが、ミケランジェロの画業の前段のみに触れ、『最後の審判』に至らずに映画を終えるというのは、監督キャロル・リードの意図した結末なのかもしれない。その方が、ラストシーンで自己完結してしまうカタルシスを観客に与えず、その後を想像させる『第三の男』の監督に相応しいように感じられる。ところで、システィナ礼拝堂は国内で疑似体験が可能である。そのこともあって、もっと知られ語られるべき映画だと思う。0 people agree with this review
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