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CD Tanaka Kiyoko -Toyo No Kiseki-

Tanaka Kiyoko -Toyo No Kiseki-

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  • ★★★★☆ 

    一人のクラシックオールドファン  |  兵庫県  |  不明  |  24/December/2009

    本年1月だったか弟の千香士が亡くなったのですがその千香士がNHKSOのコンサートマスターに就任した時の記念コンサートが1966年に行なわれその模様が収録されたベートーヴェン「皇帝」協奏曲であります。演奏タイムは@19’59A8’21B10’08 で特に過不足感はないのですがバックのワルベルクの指揮がやや昔風にドンドンとアクセント強いベートーヴェン演奏を繰り広げて懐かしいのと何よりも繊細さより気迫が勝った田中希代子のピアノが印象的であります。時には縦線が合わないことは勿論ありますが体調不良に陥って行く前年とは思えない程のHMVレビューにもある通りの力演です。田中希代子は戦後間もない頃国際コンクールに何度か入賞を果たし各コンクール上位入賞者には後レコードでも活躍するピアニストが多く彼女も「東洋の奇蹟」とまで評されるに到った1955年ショパンコンクール入賞時の演奏・・・ショパンのピアノ協奏曲第1番(バックはグジニスキ指揮WPSOで演奏タイムは@16’17A8’59B9’26)はやや前のめり気味ではありますが彼女の曖昧さを残さぬ潔癖な印象を訴えたものでモノラルで最後の楽章も完全に終わりきれぬ内に聴衆の拍手が入り実況放送丸出しですが記録的価値としても面白いです。ショパンコンクールでは中村紘子が1965年上位入賞を果たしていますが たとえ10位でも田中希代子のその価値は消えるものではないでしょう。その他本盤には1955年、1964年に録ったショパン曲がそして1960年ステレオ収録のモーツァルト「トルコ行進曲」ピアノソナタ(タイムは@13’05A5’57B3’06と少し早目? )等が入っており私はこのモーツァルトの演奏が特に鑑賞面では気に入りました、彼女の鋭敏さというか繊細さが例のトルコ行進曲での次第に近づいて来る行進隊の様子にもうかがえました。余白には僅かのインタビュー・・・スケジュールとか留学時のこととか・・・も入って彼女の声も聞けます。その彼女はショパンのこの同じ協奏曲を1968年京響と共演した際体調不良で第1楽章の一番盛り上がり箇所でつまつてしまい演奏し直したとも伝えられております。後年当然後輩指導面に移らざるを得なくなりましたが田部京子など私もよく聴く優秀な人材を送り出したということです。そういつた事で記録的な面もありますが素晴らしい盤と思います。

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  • ★★★★☆ 

    Pianist  |  Tokyo  |  不明  |  21/April/2006

    久しぶりの再発売。かつてアダムエースから出た7枚と山野楽器で復活された2枚を併せて愛聴していますが、それらの中でもモニュメンタルな意味合いを持つ演奏を中心に、幾つかの初出録音も加え再構成されています。「皇帝」では生き生きとした音楽が聴けます。巨匠風ではなく、若鮎が元気良く跳ね回るといった、躍動感のある演奏で、これはこの他の希代子先生の(当時の)演奏に共通する点でしょう。ショパンにしてもこの演奏から30年後の同コンクール本選演奏などと比べれば、当時既に、いかに豊かな音楽性を持っていたかが分かります。

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