火へんに華  |  千葉  |  不明  |  09/July/2006

果たして「浄夜」は現代音楽を先取りした作品なのだろうか？私はそうは思わない。これはむしろ、世紀末美術などと同様に、退廃したロマン主義の作品なのではないか。そういった視野から演奏したのがミトロプーロスやアルテミスSQなのだろうが、当盤は現代音楽の一端として冷徹に演奏している。私はこの曲には濃厚なロマンを求めているので当盤の評価は自然と低くなる。一方、シェーンベルクの最高傑作ともいえる弦楽三重奏はラサールの精緻なアプローチが妥当であり、かなり満足できた。