Bach, Johann Sebastian (1685-1750)
(Organ)Well-Tempered Clavier Book 2 : Naoya Otsuka(Positiv Organ)(3CD)
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うーつん | 東京都 | 不明 | 05/August/2022
難解・晦渋な第2巻に新たな光があてられる。第1巻から矢継ぎ早にリリースされた当盤。親しみやすい第1巻と比べお世辞にも聴き易いとは言えない第2巻に対し、ポジティフオルガンという照明で新しい視界を紹介してくれている。個人的な感覚として第1巻が自筆譜表題ページ文中に見受けられる曲線の描写にも呼応するかのような「線の絡まり」を、第2巻は音の様々な視点を「キュビズム彫刻」のように凝縮しているようなイメージで捉えている。そのせいだろうか、第2巻は第1巻以上に理解しがたい部分が多いことも告白しておきたい。だからこそ当盤が「(オルガンの伸びる音の使用で)このパッセージはこんな音が素材に使われているのか」と新鮮に聴こえてくるのだ。 早いパッセージの曲についてはチェンバロによる演奏が「やはりいいのかな」と思ってしまうこともある。それでも何か言い含めるようにゆっくりと沈潜していく曲(特にフーガ)について聴くと、柔らかにその深奥に案内されるような感覚はポジティフオルガンによる効果なのだろうか。 今回の平均律全2巻がポジティフオルガンで収録された価値は高いと思う。「世間をあっといわせてやろう」という感触は全くない。演奏者本人も解説書内で『まだまだきこえていなかったものがたくさんこの中に埋め込まれていた』と述べられている通り、私たちにバッハの音楽の可能性の一部を垣間見ることができることを穏やかな口調で紹介してくれているようだ。おすすめです。2 people agree with this review
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