Der Fliegende Hollander : Tcherniakov, Lyniv / Bayreuther Festspielhaus, Lundgren, Zeppenfeld, Grigorian, etc (2021 Stereo)(+DVD)
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村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 16/August/2022
演奏自体の水準はきわめて高い。リーニクの指揮はHIPを踏まえて、周到かつ切れ味鋭い。第3幕、水夫たちの合唱にだんだんオランダ人のモティーフが侵入してくる所の聴かせ方など見事だ。この曲ではティーレマンのようにワーグナー後期スタイルに寄せてしまう指揮は邪道だと思うので、クプファー演出版で振っていたウォルデマール・ネルソンを今でも高く買っているが、各楽器の音が客席に直接、届かないバイロントの音響に若干、災いされたとしても、あれに匹敵する出来。グリゴリアンのゼンタも素晴らしい。この役としてはリリックな声だが、細やかさ、ここぞという所での力強さ、ともに申し分ない。ルントグレンもヴォータンなどよりはずっと良い。近年では悪くない題名役。ツェッペンフェルトは小市民的というよりは、もっと貫祿ある、古い家父長制を象徴するようなダーラント。 近年のチェルニャコフ演出は完全な失敗も少なくないが、全く海の出てこないこの『オランダ人』、母親を死に至らしめた社会への復讐を誓って故郷に戻ってきた男と、それでも彼を救おうとする娘のドラマ、最後は悲劇的結末となることも含めて、オランダ人伝説をより広い意味で解釈した基本構想は悪くないと思う。ただし、アリア「期限は切れた」、ゼンタのバラード、町の人々の歌がオランダ船の乗組員たちの合唱に圧倒される、そして幕切れといった各名場面が「絵」(シーン)として印象深いかと言えば、うまくいっていないと言わざるをえない。特に第2幕、オランダ人とゼンタの二重唱が(ジャケ写真のように)ダーラント夫妻の前で歌われるのは初めて見た。この演出ではマリーはダーラントの妻となっており、彼女がこの縁談を快く思っていないことは演技からはっきり分かる−−それはまたエンディングへの伏線でもあるのだが。定番を破ろうとする意欲は買えるが、やはり第2幕終わりまでをこのガラス窓で閉ざされた(小市民的な)室内で進めるのは苦しい。4 people agree with this review
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