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伊東洋輔 | 神奈川県 | 不明 | 19/July/2011
ここであえて最低点をつけさせたのは、後半部分の政治談議のトンチンカンさにある。この作品が作られたのはいわゆる「5月革命」とよばれ、世界中 で従来の価値観が大きく揺らぎ、そして挫折していった・・とまあそんな時代背景があったわけで、そうした事件をアタマに入れていないと「?」・・となってしまう。かつて吉行淳之介はマンディアルグの小説「余白の街」に関して「作品に政治が入ってきたのは、社会が平和な証拠だ」「衰弱している」と辛辣に評していたが、ヴィスコンティは第2次大戦中レジスタンスに参加し、後にナチスドイツの醜悪さを暴いてみせたが、この「5月革命」とその後の社会のありようにはついていけなかったようだ。少なくとも後輩のベルトルッチの「暗殺の森」「ラストタンゴ・・」またはパゾリーニあたりと比較すればどちらが「政治」「社会」というものをきちんと読み解いているか判るだろう。・・P・S・・映画の出来じたいは極上ですよ、念の為。それだけに前述のディスカッションの薄さが余計に目立ってしまうわけで残念。それで心を鬼にして低評価した。0 people agree with this review
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