Parsifal : Vick, Wellber / Teatro Massimo, Hubbard, Hunold, Relyea, Tomasson, Gazheli, Tanovitski, etc (2020 Stereo)
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村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 09/September/2022
イタリアの地方劇場ながら意欲的なプロダクションで知られるシチリア島のパレルモ・マッシモ劇場での上演。2001年の『ルル』(録音のみ)、2008年の『メフィストーフェレ』ではオケがかなり頼りなかったが、2014年の『フォイヤースノート』はとても良く、演奏水準が飛躍的に上がっていることがうかがわれる。このディスクでも最大の聞きものはヴェルバーの素晴らしい指揮。きわめてテンポが速く、響きの透明度が高い。第1幕は約91分、第2幕62分、第3幕65分。CDではブーレーズ、ケーゲルに近い印象だが、各楽器の音がブレンドされず、ダイレクトに出てくるので一段と尖鋭だ。歌手陣ではレリエのグルネマンツが出色。老人ではなく、まだ男盛りなのも、久しぶりに本当に「いい人」として描かれた演出の趣旨に合っている。トマソンのアムフォルタス、ガゼリのクリングゾールも良い。ハバードは前半のやんちゃ坊主風のところが特に良く、全体としてはまあまあの題名役。フーノルトのクンドリーは残念ながら存在感薄い。 COVID-19のため、惜しくもこれが遺作となってしまったヴィック演出は典型的な現代化演出。舞台は現代の中東とおぼしき砂漠地帯。ヘアハイム演出のように精巧無比な舞台を見てしまうと、他の演出にはどうしても点が辛くならざるをえないが、バイロイトのラウフェンベルク演出と似たところはあるものの、あれに比べれば、あらゆる点で遥かに上。奥行きの深い舞台の特徴を生かすべく、舞台奥に幕を設置、グルネマンツの物語の間には説明的な影絵を、両端幕の間奏曲では象徴的な影絵を見せる。第1幕の聖餐式には(ただのマグカップだけど)一応、聖杯も出てくるが、アムフォルタスの血を飲んだ聖杯騎士こと兵士たちがそれぞれナイフで自分の腕に切りつけるなど、宗教的オルギアの様相が濃い。第1幕でのクンドリーはヒジャブで全身を覆ったムスリムとして表象され、諸宗教の抗争と和解が演出のテーマだが、その描き方も良い。「聖金曜日の音楽」の見せ方も美しいし(このあたり、ラウフェンベルクがひどすぎるんだけど)、最後、クンドリーはもちろん死なず、パルジファルが取り出した聖杯の覆いの中には何もない、聖杯は空っぽだという仕掛けに至るまで、実に好感の持てる演出。1 people agree with this review
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