Tristan Und Isolde: Bohm / Bayreuther Festspielhaus Windgassen Nilsson
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蟹缶 | 東京都 | 不明 | 05/March/2011
かつてはフルトヴェングラー盤とともにベスト盤争いの上位を競ったベーム盤だが、その歴史的意義はすでに過去のものになったように思う(笑)。ただし同じライブ録音とはいえ正規のバイロイト上演の継ぎ接ぎしてる為に会場ノイズが多く雑で出来の悪いベームの「指環」とは全く違う。こちらは録音の為の特別な上演が元になっている。ベームの自伝によると「前奏曲から終幕のイゾルデの愛の死までが一つの音楽的なクレッシェンドである「トリスタン」ではスタジオ録音は考えられない」とのベームの意見により(本当かな?)バイロイト音楽祭開幕前に五百人の特別な観客をいれて一幕づつ別の日に演奏してそうだ(もちろんゲネプロや本公演の音源も一部使われているはず)。お陰で歌手はリフレッシュしてその幕に全力投球出来たとの由。その効果は特に盛りを過ぎたロートルのヴィントガッセンにおいては大きかった。「指環」でのスタミナ配分を気にしておっかなびっくり覇気のないのジークフリートとは大違いだ。トリスタンでは声の衰えをさほど感じさせない情熱的な歌唱だ。もちろん全盛期のニルソンの無尽蔵とも思える輝かしい声に比べると(特に愛の二重唱では)バランスが悪いが当時のヴィントガッセンとしてはベストフォームだしニルソンに匹敵する声量のヘルデンテノールなど昔も今もいないだろう。この作品は主役の二人さえ立派なら成り立つオペラだが、さすがはバイロイトだけあって脇のルートヴィヒ、ヴェヒターらも充実している。タルヴェラは誠実なマルケ王にしては癖のある発声だが声自体は立派。オーケストラを指揮する老人にとっても長時間の楽劇を指揮する負担は軽減されるわけで一幕毎に集中できるという利点があったのだろう。「指環」におけるムラの多い指揮と違って「トリスタン」ではテンションが途切れる事なく高い完成度だ。ただし・・・ベームという指揮者は「トリスタン」という音楽には向いてない。そのせかせかしたテンポでは音楽的なうねりがブツ切れの打ち上げ花火で終わってしまい不完全燃焼。パウゼで間が少ないために音楽がどんどん前のめりになってしまう。聴いていて非常にイライラさせられる。そもそもベームはモーツァルトやRシュトラウスが上手い指揮者だ。ワーグナーは「オランダ人」みたいな単純なオペラならいいのだが音楽的スケールの巨大な後期の楽劇を振る力はないと思う。昔のようにこのオペラの録音が珍しかった時代はともかく、今では「トリスタン」には数多くの名盤が犇いている。歌手の点でもニルソンを圧倒的にしのぐイゾルデは今もいないが、この録音のヴィントガッセンを超えるテノールなら幾らでもいる。そういう意味でも、くりかえすが、その歴史的意義はすでに過去のものになったように思う(笑)。ま、本来は☆2つ位が正当な評価だと思うが、ベームヲタがぎゃあぎゃあ五月蝿いので☆一つおまけしとこう(笑)。1 people agree with this review
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ミケランジェリ | 東京都 | 不明 | 30/December/2010
歌手はたいへん立派。今聞いても色あせることのない一時代のまさに金字塔。 ただベームという指揮者は永く聞いているのですが、どうもよくわからない。 こういう曲には合わないのではないでしょうか。 ムラがあるというか、うまく言えないのですがしっくりしていない。 欧米で忘れられつつあるのもそういったところではないのでしょうか。 フィデリオとかモーツァルトの中期のシンフォニーとか、構造の単純な楽曲では とてもいい演奏をするのですけどね。0 people agree with this review
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Wagnerite | 東京 | 不明 | 15/February/2007
Bohmの指揮は確かにexciting には違いないが(でもde Sabataのはもっと鳥肌が立つ)、では深くこの作品の本質にせまる解釈かというと疑問を感ぜざるを得ない。何か表面だけさっとすくったようなしかも肌触りも極めて冷たい。Nilssonの氷のような歌唱が如何に異質かはF. LeiderのDiscを聴けば自ずと明らか。Windgassenも本来のHeldentenorの声とは云えまい。近年可也過大評価気味のセット。0 people agree with this review
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