Mussorgsky, Modest (1839-1881)
Pictures At An Exhibition: Ashkenazy / Po +piano Ver: Ashkenazy
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meji | 神奈川県 | 不明 | 01/May/2012
オケ版はアシュケナージ編曲とされているが、実際にはラヴェル編曲にアシュケナージが手を加えたものと考えるべきである。録音はJ・ダンカーリーで会場はキングスウェイホールとくれば、めくるめく超ハイファイ録音を期待したが、スピーカーが出てきた混濁気味のサウンドにがっかりした。尤もこれはエンジニアの問題ではなくアシュケナージによるオーケストレーションに責があると見てよいだろう。アシュケナージの編曲は音量のさらなる拡大を狙ってか、旋律をいくつもの楽器で重ねる傾向があり、おかしなところで打楽器も追加されている。ラヴェルの魔術的なオーケストレーションだけでも十分カラフルかつパワフルなのに、これでは却って音は濁り拡散してしまう。「サミュエル・ゴールデンベルクとシュムイレ」と「リモージュの市場」の間のプロムナードも原曲通り復元しているが、ピアノ原曲では口直しになるこの曲は、オケ版となると冗長さを感じさせ、なぜラヴェルが割愛したのかの理由が、初めて解き明かされた思いだ。また楽器の改変もきわめて凡庸な発想から生まれており、古城をイングリッシュホルンで、ブィドロをホルンで、シュムイレをバイオリンソロに変えるなど聴く前からバレバレだし、カタコンブ前半やキエフの大門の終結部における打楽器の追加に至っては、音楽的センスを疑いたくなるような悪趣味さだ。ピアノソロの方は、原曲の改変を行わない範囲でシンフォニクな響きを目指したもので、特にダイナミクスの振幅が大きくとられている。ただし「グノムス」でのグロテスクさ、「古城」での寂寥感、「ブイドロ」での遠近感、「リモージュの市場」での喧騒、「カタコンブ」での冷気と神秘性、「キエフの大門」での敬虔な祈りといった、曲が持つ独自の雰囲気は全く伝わってこない。この時期のアシュケナージは、既にピアニストとしてのピークを通り越していたのかもしれない。ムーアフットによるデジタル録音も、「超絶技巧練習曲」の時のような「芯の強さ」「腰の粘り」を失い、まるでスタインウェイの骸骨が鳴っているようだ。2 people agree with this review
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