Complete Symphonies : Bernard Haitink / London Symphony Orchestra (6SACD)(Hybrid)
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つよしくん | 東京都 | 不明 | 11/February/2010
穏健派に磨きがかかってきたハイティンクならではの実に美しいベートーヴェンの交響曲全集だ。これほどわめいたり咆哮したりしないベートーヴェンというのはなかなか類例は見ないのではなかろうか。もちろん、ベートーヴェンを威圧の対象にするのはいかがとも思うが、しかし、表面的な美しさに終わってしまうのならば、ライバルとなる名演盤がひしめいているだけに、実に退屈な演奏に陥ってしまうという危険性を孕んでいる。そして、ハイティンクは、その危険性の落とし穴にはまってしまった。全集の中で、少し評価できるのは、第1、第2、第6とトリプルコンチェルトのみだ。特に、第6は、穏健派のハイティンクとの相性は決して悪くなく、田園という曲の優美さが聴き手によく伝わってくる。第1や第2、そしてトリプルコンチェルトは、ベストの演奏とは到底言えないものの、緩徐楽章などにはそれなりの感動がある。しかし、その他の曲は、表層的な美しさだけが際立つ実に浅薄な凡演だ。特に、第3、第5、第7など、根源的な力強さに全く欠けている。第9も、あまりの軟弱さのため、最後まで聴きとおすのが実に辛かった。SACDマルチチャンネルによる高音質録音が虚しく聴こえたのは大変残念だ。9 people agree with this review
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