TOP > Music CD・DVD > Classical > Debussy (1862-1918) > Preludes Book 1, 2 : Pierre-Laurent Aimard(P)

Debussy (1862-1918)

SHM-CD Preludes Book 1, 2 : Pierre-Laurent Aimard(P)

Preludes Book 1, 2 : Pierre-Laurent Aimard(P)

Customer Reviews

Do you want to write a review?

Write you own review

Showing 1 - 3 of 3 items

  • ★★★★☆ 

    marco  |  東京都  |  不明  |  13/April/2014

    現代音楽を得意とするエマールだが、この曲集では拍子抜けするくらい穏やかで手慣れた雰囲気が全体を耳触り良く包みこむ。構造や響きのディテール等は勿論最新の切れ味を示すのだが、それらを「腑分け」のように先鋭に際立たせるのではなく、敢えて全集としての流れと構成を泰然と呈示している。古くはGiesekingの清潔なモダニズム、熟練の手技をさりげなく極めたMicherangeliの第一巻など、豊饒なアプローチが今までになされてきた。二十世紀ピアノ音楽の最高至宝ともいえるドビュッシーの作品群は、未発の可能性に満ちた巨大な山岳であり、これでもようやく「道半ば」。まだまだきっとこの先があるものという期待を込めて見渡せば、未完の可能性に向かって孤軍奮闘するCassardやLubimovのようなピアニストが少数だけれど存在する。彼らの背中を追って、これからのピアニストが更に新しいステージを切り拓いていくことだろう。

    0 people agree with this review

    Agree with this review

  • ★★★★★ 

    colourmeister  |  愛知県  |  不明  |  25/October/2012

    ドビュッシー生誕150年ディスクもの中で、最も印象の強いものの1つがこれである。ピエール・ロラン=エマールの演奏は、隅々まで丁寧に磨き抜かれていて、しかも行き過ぎた緊張感がない。ガラス器にたとえると、江戸切子のような、透明で繊細だがある程度厚みのある質感で、色彩がしっかり感じられる。楽器はピエール・ロラン=エマール個人所有のスタインウェイ。録音は2012年5月、ラ・ショー・ド・フォン。奏者の息づかいやうなり声もわずかに入り、実在感と適度な空間感のある優秀録音である。プロデューサーはクリストフ・クラーベン、エンジニアはトビアス・レーマンである。

    4 people agree with this review

    Agree with this review

  • ★★★★★ 

    つよしくん  |  東京都  |  不明  |  25/August/2012

    これは素晴らしい名演だ。昨年は、リスト・イヤーを代表する、ピアノ・ソナタロ短調を軸とした圧倒的なリスト・アルバムを世に出して、健在ぶりをアピールしたエマールであるが、本盤におさめられた演奏は、エマールが最も得意とするレパートリーとも言えるドビュッシーの前奏曲集。そもそも演奏が悪かろうはずがないと言える。既に、エマールはドビュッシーのピアノ曲を2002年に映像及び練習曲を録音しており、2005年の来日時には、全曲ではなかったものの前奏曲集からいくつかの楽曲を抜粋して、名演の数々を披露してくれたことは現在でも記憶に新しいところだ。いずれにしても、本盤におさめられたドビュッシーの前奏曲集は、エマールにとって、いわゆる録音としては、ドビュッシーのピアノ曲集をおさめた2枚目のアルバムということになる。得意の楽曲だけに、正に満を持して世に問うたアルバムということができるだろう。それにしても、何と言う見事な演奏であろうか。各旋律の尋常ならざる心の込め方には出色のものがあり、加えて、どこをとってもフランス風のエスプリ漂う独特のセンスに満たされており、これぞフランス音楽の粋とも言うべき抗し難い魅力に満ち溢れていると言える。個性的という意味では申し分がないが、その解釈の様相としては古色蒼然と言ったものからは程遠く、常に現代的なセンスに満たされているが、決して恣意的なアプローチに陥るということはなく、あざとさをいささかも感じさせないのが見事である。そうした抜群のセンスを維持した中での、思い切った強弱の変化やテンポの振幅を駆使した各楽曲の描き分けの巧みさも心憎いばかりであり、おそらくは現代のあらゆるピアニストによるドビュッシーのピアノ曲の演奏の中でも最高峰の一つに掲げるべき至高の高みに達していると言える。また、卓越した技巧と堅固な造型美は、エマールのフランス人離れした優れた美質とも言えるところであるが、前述のようなフランス風の洒落たセンスを聴かせるのにとどまらず、楽曲全体の造型美を重視した骨太の音楽づくりにおいてもいささかも不足はないところであり、これぞドビュッシーのピアノ曲演奏の理想像の具現化と評しても過言ではあるまい。加えて、本盤には前奏曲集の第1巻と第2巻の全曲がおさめられているのも聴き手にとっては大変喜ばしいと言えるところであり、前述のような演奏の素晴らしさも相まって、私としては、現代のピアニストによるドビュッシーの前奏曲集の録音の中では、最も優れた至高の超名演と評価したいと考える。音質も2012年のスタジオ録音であり、加えてピアノ曲との相性抜群のSHM−CDだけに、十分に満足できるものと言える(前奏曲集第1巻の音がやや篭り気味なのがいささか気にならないでもない。)。ただ、これだけの超名演だけに、最近話題のシングルレイヤーによるSHM−CD&SACD盤で発売して欲しかったと思っている聴き手は私だけではあるまい。

    10 people agree with this review

    Agree with this review

Showing 1 - 3 of 3 items