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Schubert (1797-1828)

CD String Quartet, 4, 12, 14, : Quatuor Arod

String Quartet, 4, 12, 14, : Quatuor Arod

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    村井 翔  |  愛知県  |  不明  |  14/October/2020

    今年の7月にスイスのラ・ショー=ド=フォンで録音。異例な快速リリースだが、この録音を一刻も早く世に出したい関係者の気持ちは良く分かる。不朽の名作『死と乙女』の録音史でもマイルストーンとなるべき画期的な録音だからだ。ここ半世紀ほどのカルテットのトレンドはSQの表現力を拡張してオーケストラのようにすること、いわばカラヤン指揮/ベルリン・フィルを弦楽四重奏で実現することであったが、カルテット・アロドの目指すところはもう全然違う。これまでの録音でも来日公演でも(残念ながらナマでは聴けておらず、NHK-BSで観ただけだが)このカルテットの音が細身であることは非常に印象的。マッスとしての力で押すということを全くせず、シャープな切れ味とピアノからピアニッシモにかけての微細な細やかさで勝負している。技術的にも世界最高水準に達していると思われ、前の「マティルデ・アルバム」(ヴェーベルン/シェーンベルク/ツェムリンスキー)など、彼らを聴いてしまうとラ・サールSQですら、ひどく「もっさり」して切れが悪いと感じられるほどだ。このシューベルト・アルバムでも全体に速めのテンポにもかかわらず、よく歌っていて、淡白という印象は全くない。微視的なレベルでの細やかさが半端ないのだ。第2楽章の演奏時間(10:58)は私の所持する25種類のディスクの中ではアルバン・ベルクSQの再録(10:40)に次ぐ速さだが、全く物足りないところはない。終楽章もエマーソンSQの8:13には及ばぬものの、過去最速クラスの8:33だが、強引な力押しという感じが少しもしない。演奏自体がすこぶる俊敏な性格を持っているからだ。『四重奏断章』は『死と乙女』のカップリングに絶好の曲だと思っていたが、こんなに前衛的で凄い作品だとこの演奏に教えられた。若書きの第4番も演奏のおかげで、実に聴き映えがする。

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