cico  |  東京都  |  不明  |  26/April/2009

主人公ｼﾞｭﾘｱｰﾅの恐ろしく空虚で痛々しい姿に、ﾓﾆｶの美しさを堪能するどころではありませんでした。無機質な工場の騒音、汚染された土壌、廃液の海…これじゃあ回復しないでしょーと思いながらも絵空事ではない事を思い知らされます。ｱﾝﾄﾆｵｰﾆ作品のﾓﾉｸﾛのｺﾝﾄﾗｽﾄが好きですが、ｶﾗｰ作品でも色彩を無表情に抑え、赤い鉄塔や黄色い煙を不気味に際立たせて不安を駆るところに凄さを感じます。

 

たまゆら  |  東京都  |  不明  |  02/June/2008

ずっと観たかった作品です！ﾓﾆｶ･ｳﾞｨｯﾃｨはやはり美しいです。「ﾋﾟﾝｸのﾙｰｼﾞｭ」のｺﾒﾃﾞｨｴﾝﾇぶりもいいですが、ｱﾝﾄﾆｵｰﾆ作品の憂いを帯びた雰囲気の彼女の魅力は最高です。この作品でも不安定な心を抱える主人公を脆く美しく演じていると思います。彼女の作品をもっとDVD化してくださ〜い！

 

素人イタリア映画研究所  |  チネチッタ  |  不明  |  14/December/2007

映像は息を飲む美しさで（いちめんの紺碧の海が今村昌平の『神々の深き欲望』にも通ずる）、自己存在の危機を匂わせる緊迫感も色彩によって演出しているのが素晴らしい。ただ、あのモニカ・ヴィッティに演技をさせてしまった点に問題が......彼女はお人形さんのように画面に収まっているのが相応（だから『太陽はひとりぼっち』は上出来だった）。物語としては冗長ながらこれは映像が決め手。

 

山ちゃん  |  札幌市  |  不明  |  15/January/2003

アントニオニー監督のはじめてのカラー作品。例によって分かりにくい映画だけど，前作の太陽はひとりぽっちとテーマは共通の現代の愛の無常について。 自分は，この作品でモニカ・ヴィッティが緑のコートを着てたたずむ姿の美しさに衝撃を覚えたのです。 アントニオニーファンの自分にとってこれ以降アメリカでの作品にはチョット引いてしまうので，最後の記念碑的な作品です.