The Art of Felix Slatkin (13CD)
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フォアグラ | 愛知県 | 不明 | 12/January/2023
ハリウッド四重奏団とのベートーヴェン後期やシェーンベルクと指揮でのライト・クラシックのギャップがありすぎてフェリックス・スラトキンの実像は私には見えにくかった。しかし、このスクリベンダム盤をHMVの素晴らしい年表とともに聴くと納得できるものがあった。最初の録音はディーリアスであり、その後イベール、カプレ、ミヨー、チャベスとかなり珍しい曲目を選び指揮者としても本格的に挑んでいた。それが55年キャピトルがEMIに吸収されるとライトクラシックに徐々に移行する。EMIには山ほど本格派指揮者がいるのだからハリウッドのオケはおよびでなかったということなんだと思う。これが米国で受け、スラトキンはハリウッド四重奏団を解散しイージーリスニングの指揮者になった訳だ。その矢先の急死なのだが、この路線は生きていたとしても上手くいかなかったのではないか。リバティに入れたイージーリスニングはアレンジがチープでつまらない。当時はこれでも売れたかもしれないが60年代後半にはイージーリスニングは終焉に向かう。むしろクラシックレパートリーは悪くないのだ。ガーシュウィンを聴くとNYP、ボストン・ポップス、フィラデルフィア等東海岸のオケとは音が全然違うのが新鮮だ。これはMGMミュージカルの音なのだ。奏者はブルージーなプレイを聴かせるが、スラトキンが指示したのではなく映画音楽の仕事で各奏者身についているのだろう。ハリウッドボウル交響楽団はコロンビア交響楽団と同様に編成は小型のようだが演奏技術は高く通常のクラシックレパートリーも楽しく聴ける。加えてキャピトルの録音は優秀。60年代もクラシックで頑張ってほしかった指揮者である。1 people agree with this review
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