【全曲解説】GOTCHAROCKA『穴 / 沼』

全曲解説テキスト by 樹威（Vo） JUN（Gt）

1. 穴

Aメロはリズム重視の抽象的、Bメロ以降は分かりやすい言葉選びを。ブレスの場所が難しいです。
（作詞：樹威）


まずは、やはりギターの象徴的なフレーズがインパクト大。
疾走感とクールさとお洒落さ、そしてテクニカルな要素がこのフレーズで全て表現することができ、楽曲を彩っているのがマジ匠。（自画自賛バンザイ）

楽曲の仕組み的にはツインギターはもちろん、全パートの細かいアンサンブルが緻密に重なって構成されているのでバンドでの演奏難易度は爆高……。
その分、曲のカッコ良さも爆高！

様々な場面展開があり、その構成ごとにアプローチが変化するおもしろさと、曲が進むにつれてエモさが増していく流れがとてもドラマチック。
複雑さがあっても自然と入り込める楽曲なのは、キャッチーでエモーショナルな歌のメロディーが軸となっていることに尽きます。

曲の冒頭からクラップでひとつになれたり
ライブでも魅せれる曲になると思いますし、
GOTCHAROCKAの音楽の軸のひとつでもある
「メロディーと楽曲でのる」を体感してほしいです。
なんせハマっちゃってください。
（作曲：JUN）

2. GR_AUDIO_001

2025年のGOTCHAROCKAをイメージして、音選びと構成を組んで作曲したインストゥルメンタルが存在するのですが、
それを今作品だけで聴ける特別ver.にアレンジし直して収録しました。
この曲で使用した楽器や音色を引き継いで、更にその先へ進化して生まれたのが「沼」です。
世界観は繋がっているのです。
（作曲：JUN）

3. 沼

ここ最近では一番自分らしい表現ができたかな。歌は力強さが出ないように浮遊感を意識した感じです。
（作詞：樹威）


こちらも個性的なギターフレーズが世界を作っている楽曲。
完全にライブチューンです。
なのですが、
「楽しく弾けていきましょ〜」というよりかは、
「なんかムカつくっていうか、ウザいっていうか、いろいろとあれそれなドロドロ〜っとした感情を吐き出して、スカッ！としてやりましょうよっ」
って感じがしっくりくる。
ヘドバンだったり叫びだったりとスカッとポイントはいろいろありますが、
やはりサビの疾走感あるテンションで一番スカッとしたいし、「あいしてる」や「輝いて」のキメのメロディーのところは是非お客さんも一緒に歌ってくれたら最高やなぁって思ってたり。
きっとみんな大好きなこの曲でライブで一緒にスカッ！っとしましょう！
なんせ沼っちゃってください。
（作曲：JUN）

GOTCHAROCKA『穴 / 沼』

GENRE：LOUDROCK
今のGOTCHAROCKAだからこそ描けた喪失と執着の物語
“穴”が喪失の象徴だとするならば、“沼”とは執着のメタファーなのかも。「穴」と「沼」の間にインタールード的SE（「GR_AUDIO_001」）を挟み込んだ構成で提示 され る今 作は、もはや両A面シングルというよりも、3曲からなる組曲として解釈したほうが良いのではなかろうか。トリッキーにして鮮やかなギター・リフを軸とした「穴」には、GOTCHAROCKAならではの変化球的ポップ・センスが満載。かと思うと「沼」は、名は体を表すような暗黒系閉塞感を漂わせつつも、随所にちりばめられた尖った攻撃性が聴き手を翻弄する。穴にハマった上、沼にも堕ちて。それは避けるべき事態というより、そうなってみて初めて見えてくる世界が存在する可能性がある。
杉江 由紀【ライター推薦】