激ロック×HMV&BOOKS online vol.132

GENRE：SYMPHONIC METAL
念願のアニソン！“なぜ僕”OPテーマ「世界輪廻」完成！
“世界”は今ここから変わり始める。今年で16周年を迎えるUnlucky Morpheusは、初期にいわゆる“東方アレンジ曲”をコミケで販売していた、同人活動時代を経験してきているバンドなのもあり、各メンバーが“いつかはアニソンをやりたい”との想いを持ってきていたそう。今回、TVアニメ“なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか？”のOPテーマとして作られた表題曲「世界輪廻」は、音も詞も完全に原作やアニメの内容に準拠したものとして制作されており、その本気なアニソン度合は聴けば瞭然。Fukiの伸びやかで凛とした歌声までもが、アニソン仕様の萌え要素入りとなっているのだ。それでいて、カップリング「Ready for a new stage」はお手本のようなメロスピ曲に仕上がっているところがまた心憎い。
杉江 由紀【ライター推薦】

GENRE：SYMPHONIC METAL
いつにも増して気高く神々しい宝野アリカ（Vo）様の鉄槌が今ここに下される――
ジャケ写も内容も衝撃的なニュー・アルバム
覚悟せよ。宝野アリカ（Vo）様の鉄槌が今ここに下されるのだ。凶悪打撃武器、釘バットを手にしたアリカ様の勇ましき御姿を拝むことができる、ジャケ写のインパクトがあまりにツヨツヨだとはいえ……今作は内容自体も大層衝撃的。ヤンキー漫画のタイトルと見紛う「爆烈勇侠外伝」では、“突き進め行け 荒くれ者よ”と発破を掛け、表題曲「若輩者」では、“どんな時代だろうと／わが道を貫こう”と鮮やかに歌い上げながら教えを説くアリカ様の存在感は、いつにも増して気高く神々しい。コンポーザー、片倉三起也（Key）の鬼才ぶりもますます盛んで、幻想的な「美しき獣たちの為の」で感じられる浮世離れぶり、大日本愛國唱歌かのような「日本弥栄」に漂うエキセントリックさも痛快至極。
杉江 由紀【ライター推薦】

GENRE：LOUDROCK
約4年間の軌跡を知らしめる
最強に“SAVAGE（＝イケてる）”なフル・アルバム！
約4年ぶりにリリースするフル・アルバムは、1曲目の書き下ろし新曲「V.I.P MONSTER」からラストの「CORUSCATE -DNA- 」までイケイケの攻めっ攻め。その勢いには否応なしにテンションが上がり、1枚を通して聴くことでワンマンを観たかのような満足感を味わうことができるはず。騒ぎたく、踊りたくなる楽曲の数々は、このバンドがライヴ特化型であることを再認識させてくれる。デジ・ロック、エレクトロニコアを軸にしながらも、和ロックな「EXIST」などアクセントになる曲を収めることで、一辺倒ではなく多彩で飽きさせないところも秀逸。“SAVAGE（＝イケてる）”の名に偽りなし、バンドリーマー（※“BanG Dream!（バンドリ！）”ファン）はもちろん、ロック・ファンにもお薦めしたい1枚だ。
宮�ｱ 大樹【ライター推薦】

GENRE：LOUDROCK, HEAVY ROCK
今まで以上の激しさと革新的な響きで攻め立てる『FIERCE-EP』
何も変わらないし、常に変わり続けているとも言えようか。今作『FIERCE-EP』については過去作に関する言及が諸々されていることからもわかる通り、この約20年lynch.は新陳代謝を繰り返しながらも、その本質や性質の面ではなんら変わることなく成長をし続けてきたことになるはず。新たなる音楽的アプローチと、異端なる覇者としての姿勢を貫いた詞が交錯する「EXCENTRIC」、コア・ファンほど楽しめる隠しコマンド的な要素が満載な「UN DEUX TROIS」、彼らの敬愛するBUCK-TICKへの深いオマージュが込められた「斑」、絶妙な違和感がlynch.固有の持ち味として轟き出す「A FIERCE BLAZE」、壮大にして幽遠なる「REMAINS」。……どれも趣深い。
杉江 由紀【ライター推薦】

GENRE：ROCK, POP, FUNK
声優界の異端児が、変幻自在のヴォーカルで
色鮮やかな楽曲たちを自分色に染め上げる！
GRANRODEOデビュー20周年に向けた“Road to G20th”第2弾となるKISHOW（Vo）のソロ作。作曲家の宅見将典や林 哲司、作詞家の松井五郎といった大御所から佐伯youthK、R・O・Nら人気クリエイター、ROLLYや今井 寿（BUCK-TICK／Gt）といったロック・スターまで超豪華作家提 供曲が並ぶ。変幻自在の歌 声でどの曲も自分色に染める、KISHOWのヴォーカリストとしての凄みを知らしめる至極の1枚。ポップで爽やかなR&BのTrack.2をはじめとするGRANRODEOにはないアプローチの曲が、彼の多面的な魅力や見たことのない表情も引き出している。またポップスからファンク、ロック、バラードと幅広い曲が並び、作品としての異常な完成度や音楽偏差値の高さも注目！
フジジュン【ライター推薦】

GENRE：METAL
果敢にワールド・ツアーを展開し続けるFATE GEAR
究極のダーク・ファンタジーを描く新章
世界を飛び回る旅は目下続行中。Mina隊長（Gt/Ba/Composer）と乗組員らにより編成されるFATE GEARは、ガールズ・スチーム・メタル楽団を標榜するが、昨今の円安とインフレが激化する状況にあっても、果敢にワールド・ツアーを展開し続けているのだ。そんな最中に発表される今作は、究極のダーク・ファンタジーを描く新章としてここに完成した。音的にもゴシック要素やシンフォニックなニュアンスが物語を色濃く彩っている印象で、「This Fate」にはゲスト・ヴァイオリンとしてJill（Unlucky Morpheus／Vn）が参加。また、「Devil’s Pact」では隊長が初メイン・ヴォーカルを務め、登場キャラのヴォイスを一人二役で表現している点も興味深い。新曲4曲に加えライヴ音源9曲も収録。
杉江 由紀【ライター推薦】

GENRE：LOUDROCK
前身グループ ゆくえしれずつれづれ解散から約3年半
新たな叫びが始まる
だつりょく系げきじょう系アイドル ゆくえしれずつれづれ（2021年1月解散）を前身とする、Not Secured,Loose Ends。つれづれのメンバーでもあったメイユイメイを中心に、秘我未也ゆちおみ、楪おうひ、如月愛海で始動し、まずつれづれの曲を英語詞化し再構築したアルバム『OUROARBOROS』（ウロアボロス）をリリースしたNSLEの1stシングルが本作。ハードコア、スクリーモの要素や、美メロが引き立つ静と動のサウンド、儚さと強さが同居する歌の世界を受け継ぎつつ、新たな始まり＝GENESISの爆発感、高揚感で満ちた1曲となった。リリース前にしてすでにライヴで盛り上がる曲にもなっているキャッチーさもあって、NSLEのアンセムとして鳴り響く。低音から高音までバランスのいい4人のヴォーカルも映える。
吉羽 さおり【ライター推薦】

GENRE： PUNK ROCK
さらなる高みを目指すため、THE JAPANESE PRIDE始動！
7年間名乗ってきたバンド名での活動に区切りをつけ、新たな活動を開始するTHE JAPANESE PRIDEの1st EP。パワフルなギターから、“あの日 はじまったんだ”と歌い出す「TIE」で始まる今作。十分なキャリアから鳴らされる強靭なロック・サウンドと初期衝動を思い返しながら現状を見つめる歌詞が、新たな始まりへの覚悟と想いを感じさせる。先行リリースされた「No.8」は高速ビートとエッジィなギターに乗せた吐き捨てるようなヴォーカルで、“カッコいい！”を詰め込んだ楽曲。変わらないこと、変わっていくことを歌う切なさを帯びた「THINK」。前身バンドの人気楽曲をリアレンジ＆再録した「約束」。改名後の初音源に収録する意義のある楽曲が揃った今作は、まさに“NOW”。ここからの活動への期待が高まるばかりだ。
フジジュン【ライター推薦】

GENRE：MELODIC PUNK, ROCK, POP
3ピース・メロディック・ポップ・バンド LOOKLIKE
等身大の応援歌詰め合わせたフル・アルバム『LOGBOOK』
大阪を拠点に活動する3ピース・メロディック・ポップ・バンド LOOKLIKEの待望の全国流通盤。メンバーの脱退、加入を経て今年1月に新設レーベルへの所属を発表、第2章の幕を開けた彼らのニュー・アルバムには希望と決意に満ちた全10曲が収録された。心がぱっと晴れるような疾走感に、沁みるグッド・メロディ、純度の高い歌詞と、兄弟が放つ心地いいコーラスに、心強いシンガロング。“あなたの毎日を彩りたい”と全力でリスナーに寄り添う、励みになる優しい音楽が凝縮されている。またそれは同時に、自らを鼓舞するための応援歌にも聴こえる。“まだまだ僕ら航海の途中”と歌う彼らの“航海日誌”（＝LOGBOOK）には、“あなた”に届けたい音楽を懸命に奏でるLOOKLIKEの今が刻まれた。
中尾 佳奈【ライター推薦】

GENRE：LOUDROCK, PUNK ROCK, MIXTURE
気勢と奇声を上げる規制ギリギリの寄生曲、爆誕！
映画“告白 コンフェッション”主題歌「殺意vs殺意（共犯：生田斗真）」を含む2枚4曲入りの本作は、コラボ・ブームのなか既成を嫌うホルモンが挑む寄生（コラボ）作品。映画や共犯者への礼節を重んじながら遠慮せず、規制ギリギリの表現で気勢と奇声を上げる寄生曲は彼らならでは。ラウドなサウンドと怒濤の曲展開、独自の語感表現で描かれた歌詞世界はエグいほどのホルモン節ながら、共犯者の存在でドラマチックに深みを持って響く。DISC2は新しい学校のリーダーズ、anoを“捕食助太刀人”に迎え2号店アレンジの「シミ」、「チューチュー ラブリー ムニムニ ムラムラ プリンプリン ボロン ヌルル レロレロ」を本店が捕食カバーした。女性捕食者の存在でポップさ＆旨みマシマシの寄生曲。これ聴いて何も感じない稀世なやつは田舎に帰省しろ！
フジジュン【ライター推薦】

GENRE：LOUDROCK, ELECTRONICORE
Crossfaith、堂々の帰還！
約6年ぶりのフル・アルバムで新章開幕
コロナ禍、活動休止、メンバー脱退、活動再開、Daiki（Gt／ex-HER NAME IN BLOOD）加入と、前作から約6年間で、彼らの中に様々な感情が湧き起こったことは想像に難くない。最新作『AЯK』はそのすべてを飲み込み、超圧縮し、炸裂させたかのような凄まじい熱量を放つ1枚になった。Track.1から突入するTrack.2で見せつける絶対王者の佇まいや、心の闇を吐き出すようなTrack.7、メロウな曲調とKoieの艶やかで柔らかなクリーンVoに驚かされるTrack.9、さらにはMAH（SiM／Vo）、WARGASM、Bobby Wolfgangとの共作など、特筆事項満載。彼ららしい圧倒的爆発力やスケール感を増幅させているだけでなく、全編通して漲っているフレッシュさに、彼らの現在地でありネクストを感じさせる。間違いなく大傑作。
山口 哲生【ライター推薦】

GENRE：ROCK, MIXTURE, PUNK ROCK
3曲3様、どれも10-FEET節の効いた名曲たち収めた最強シングル！
「第ゼロ感」の大ヒットからその勢いはとどまることを知らない。今やモンスター・バンドとなった10-FEETは、収録3曲すべてタイアップ曲という最強シングルをリリースした。得意のレゲエを織り交ぜながらロックに突き進む“3x3.EXE PREMIER”応援ソング「helm’N bass」、“2024 ABCプロ野球テーマソング”として書き下ろした阪神愛に溢れるデジタル・ロック「gg燦然」、歌詞は泥臭くも流した汗のごとくキラキラと響くサビがエモいドラマ“フェルマーの料理”主題歌「Re方程式」と、どこまでも自由なミクスチャー・ロックは3曲3様。それでいてどれも10-FEET節の効いた名曲として成り立っていて、ブレない軸の強さを物語っている。さらに初回生産限定盤には真骨頂を見せる“京都大作戦2023”の映像も収録。
中尾 佳奈【ライター推薦】

GENRE：MELODIC PUNK
結成24年迎えるTOTALFATの4年ぶりのフル・アルバム
“Highway”シリーズ新曲に元メンバー Kubotyがギターで参加！
2000年にNOFXのコピー・バンドとして結成、今年24年を迎えるTOTALFATの4年ぶりのフル・アルバム。結成当初目標としたノーエフは解散を発表、パンク・ロック・シーンもひとつの転換点を迎えているなか、自主レーベルを立ち上げ、不動のメロコア・スタイルと新鮮な試みでバンドの音楽的なこだわりをきっちりと形にした彼らの新作には“まだまだ終われない！”という強い意志が感じられる。今や世界標準となったJ-ROCKのトレンドを抑えた音作りも好印象だが、長年のファンにとって一番の胸アツポイントは、彼らの原点とも魂とも言える“Highway”シリーズの新曲で元メンバーのKubotyがギターを弾いていることだろう。なんだかんだ言ってやっぱメロコア最高！ と思わずガッツポーズしたくなる快作。
山本 真由【ライター推薦】