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作家・道尾秀介さん おすすめCD!

Friday, December 4th 2009


道尾秀介さんが昨年刊行した、『ラットマン』は、エアロスミスのコピーバンドのギタリストが主人公。
雑誌掲載時には、作中にエアロスミスの歌詞が引用されていました。
しかし!単行本発売直前に、雑誌掲載時には許可されていたエアロスミスの歌詞引用が不許可になるという事態が!
各章につけられた歌詞の一部分は物語と連動していたため、発売直前でのこの事態に、出版延期の危機に・・・。そこで、道尾さんが急遽オリジナルの歌詞を付け、設定を変更し、無事発売日に間に合ったのでした。なんともロックな作家魂を感じさせるエピソードです。

インタビュー中に趣味のランニングのお話がありましたが、走るために音楽を聴いているというより、音楽を聴くために走っているとのこと!ブログやエッセイからは、メタルを爆音でかけながら高速を飛ばす姿や、オカリナの音色に涙する姿がうかがえますが、普段どんな音楽を聴いているのか、もっと知りたい!
そこで、新刊『球体の蛇』インタビューにご登場いただいたいたこの機会に、 道尾さんのお気に入りアルバムを教えていただきました!

それぞれのアルバムに道尾秀介さんご本人のコメント文つきです!

道尾秀介さんのお気に入り音楽はこちら!






「メタリカは死んだ」と言われていた不振の時期があるけれど、それを乗り越えて発表されたこの最新作は鬼気迫るド迫力。
デカい仕事をするためには挫折も必要なのかもしれない。
いつか「道尾は死んだ」と言われるときがきたら、復活作をどうぞお楽しみに。



バイオリンとキーボードの二人組。意外と名前は知られていないようだけど、荒川静香さんがオリンピックの試合で使った名曲「YOU LAISE ME UP」なんかをつくったユニット。
このアルバムは様々なテイストの曲が詰め込まれた、まるで上質な短編集ような一枚。


モンタナの冬をイメージして作成されたピアノソロ曲集。ピアノほど曲の「温度」を自在に操れる楽器は他にないのではないか。たとえば夏をイメージしたアルバム「SUMMER」とこれを聴き比べてみると、同じ人が同じ楽器を弾いているとはとても思えないほど、一方はあたたかく、もう一方は冷たい。音楽、小説、映画、絵画――どれも冷たいのが好みなので、このアルバムを紹介。


十代の頃はスラッシュ・メタルのバンドを組んでいて、池袋のライブハウスでギターを掻き鳴らし、金髪の長髪を振り乱しながらギャンギャン歌っていた。当時いちばんよく聴いていたのがこのアルバムで、いまだにこれをiPodで再生しながら街を歩いたりすると、「俺には何でもできるんだ」という、十代独特のあの無根拠な自信を取り戻すことができる。
90歳くらいまでは、このアルバムを聴いていたい。


日本を代表するオカリナ奏者・宗次郎さんがつくるメロディーは、本当に美しい。その秘密はオカリナという楽器の音域の狭さにあるのではないかと僕は思う。オカリナはリード楽器としては最低音と最高音の幅が非常に狭いが、才能のある人が、そういった制約の中で試行錯誤したとき、ものすごいものが生まれる。手を使えないサッカー選手が華麗な足技を会得したり、短編小説の分野でしばしば傑作が生まれるのも同じ理由だろう。

『Phenomenon of the earth』
入江要介


今年の秋、友人と呑みに行く約束があり、新宿駅で電車を降りた。駅を出たら、奇妙ないでたちをした若者が路上で尺八を吹いていた。音の迫力とメロディーの美しさに足を動かすことができなくなり、僕は友人との待ち合わせに遅刻した。自主制作なのでショップには並んでいませんが、HPから購入できます。
→入江要介オフィシャルウェブサイト


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