【対談】aCae × Akira Kosemura vol.4
Friday, November 13th 2009
語弊を恐れずに言えば“自分の曲”に近い感じなんです
- HMV お二人の中でアイドル的なアーティストっていますか?この人はずっと好きだな、みたいな。
Kosemura BILL EVANSですね、僕は。
- HMV 昔からですか?
Kosemura いや、去年ぐらいからですね。それまでちゃんと聴いたことがなかったんですよ。 それで、聴くようになってから「今まで何で聴かなかったんだろう…」って。
- HMV BILL EVANSのどの辺が、っていうのはあります?
Kosemura なんだか、懐かしいんですよね。自然と入ってくるというか…、語弊を恐れずに言えば、“自分の曲”に近い感じなんです。
というのも、自分の音楽って、自分が聴きたい音を作っているから自然に入ってくる。それと同じ感覚がするんですよ。 そういうことってなかなかないんですよね。この曲良いなっていうのはいっぱいあるんですけど。でもそういう感覚じゃないんですよね。- HMV 僕、初めてBILL EVANS聴いた時Jazzって思わなかったです。
Kosemura それまでJazzは聴かなかったんですよ、全然。Jazzってあまり面白い音楽だと思えなくて。 最近はJazzもたまに聴くんですけど、それでもやっぱりピンとこないんです、結局。
だから「Jazzが好き」っていうよりはたぶん「BILL EVANSが好き」なんですよね。- HMV aCaeさんはどうですか?
aCae そうですね…、誰か1人ですか?しいて挙げるなら…ソコに戻って聴いてしまうのはNina Simoneですかね。
- HMV というコトはインストよりは歌モノですか?
aCae いや、普段はアンビエントとかエレクトロニカしか聴かないんですけど、なんかこう…実は“言葉”が入ってこられるのがあんまり好きではなくて(笑)。 いろいろ考えながら聴けるモノが好きですね。
- HMV でもNina Simoneなんですよね(笑)?
aCae (笑)。Nina Simoneはこう、正座して聴いちゃう感じですよね。ソコに向かいたい気持ちになっちゃうという。
- HMV 今と昔とで違います?好きなアーティストって。
aCae うん、コロコロ変わっちゃいますね。Nina Simoneとかは別でずっと聴き続けているんですけど、 まぁ音楽に限らずすごく影響を受けやすい人間なんで、新しいモノというわけではないですけれども、 何か違うカルチャーに触れるとすごくソレを知りたくなるという。どんどん毎月ぐらい変わっちゃいますね(笑)。
- HMV 小瀬村さんはそういうところってどうですか?新しいモノとかが来ても馴染まない感じですか?
Kosemura 馴染まないことは多いですね。その時すごく良いなと思っても、次の月になったら全然聴いてないとか。 結局ずっと聴いてるのはさっきのBILL EVANSだったり。
aCae ああ、僕もそういう感じですね。ひと月すぎると、もう名前も思い出せなくなってしまったりとか(笑)。
Kosemura ハマると聴くんですけどね、ほんとにそればっかり。- HMV じゃあBILL EVANSの前に好きなアーティストは?
Kosemura いなかったんですよ、本当に。
こういう場面で必ず訊かれるじゃないですか「好きなアーティスト」とか「影響を受けたアーティスト」って。 だから困ってたんですよね、誰を挙げたらいいんだろうって。 その時々で聴いている音楽は違うし、影響と言われても自分ではよく分からないし。- HMV そこにふと現れたんですか、BILL EVANSが。
Kosemura そうなんです。ただ、ちゃんとJazzをやってる盤はあんまり聴かないんですけどね。

- HMV ---それでは最後に、HMV ONLINEをご覧の皆様に何かメッセージなどがあれば。
aCae そうですね、さっきも触れたんですけれど、楽曲も良い出来映えになったのですが、DVDの方もとっても素敵に仕上がってます。 あと、中のブックレットとかも今回全部僕が作ってイイ感じに仕上がりましたので、楽しみにしてて下さい。
Kosemura 僕は、今頑張って作ってます。リリースは2月頃ですね。- HMV 本日はありがとうございました!
- 新譜 aCae 『THEME I』
- かつてイギリスのメディアから「英国的な感受性を備えた希有な日本人アーティスト」と評され、海外からも高い評価を受けるaCaeがROSE RECORDSより作品をリリース。 生音と控えめなエレクロニクス、そして柔らかな歌声によるローファイな質感が、時に甘美でドリーミーな世界へと導きます。 「〜について」と題された全ての楽曲がそれぞれに主題を持ち、日常に佇む様々なテーマにそっと光を照らすかのよう。 それは、日記を綴るようにパーソナルな視点で描かれつつも、あくまでもポップなサウンドである故に普遍的な響きを持ち合わせています。 「everyday music for everyday people」ROSE RECORDSのレーベルコンセプトの1つでもあるこのワードが示すように、曽我部をはじめ、ランタパレードや豊田道倫といったミュージシャンたちが奏でる音楽と同じく、「日常のうた」をリリカルに紡ぐ新たな才能がROSEから世に放たれます。
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- THEME I
aCae - 2009年11月20日発売
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- 東京360分
V.A. - 2009年12月20日発売
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- Polaroid Piano
Akira Kosemura - 2009年8月20日発売
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- It's On Everything
Akira Kosemura - 2007年7月25発売
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- Tiny Musical
Akira Kosemura - 2008年9月15日発売
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aCae (大碕正徳 Masanori Oosaki)
高知県出身。ロックバンド「embodys」で活動後、2004年よりソロ活動「aCae」を始動。 Alternative/Jazz/Acid fork/Classic/音響をこよなく愛し、暖かく柔らかな歌声と隙間の多いその楽曲は、ドイツ・イギリスなどヨーロッパにおいても高い評価を得る。 2004年クリスマス、ROSE RECORDSコンピ『私たちの音楽vol.1』への参加を機に注目を浴び始め、2005年にはドイツ映画の音楽制作を担当。 イギリスのメディアでは「英国的な感受性をそなえた希有な日本人アーティスト、彼のセンスと歌声はトム・ヨークのそれに似ている」と紹介される。 その後しばらく活動を休止していたが、2007年活動再開。 同年のシングル曲「BlackBird」は、デビッド・ボウイの主宰する世界的音楽配信サイト「Music Recommenders」 から、ニューヨーク、シカゴ、ロンドン、ベルリンなど世界40ヶ国に配信される。 また、同じく同年のシングル曲「蝶」は、エレクトロニカ風の作品を集めたCINRA labelとYAMAHA musicの提携コンピレーションに、唯一歌ものとして収録され話題をよぶ。 本作品は、CD&DVD の2枚組でリリースされ、DVDでは本年アカデミー賞を受賞した「つみきのいえ」の作画やケツメイシの映像作品などで知られるアニメーター・森川耕平氏とコラボレーションしている。 また、aCaeとしての活動の他に、映画音楽制作/映画出演/イラストレーター/デザイナーなどの活動も行う。

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小瀬村晶 Akira Kosemura
[producer / composer / schole records A&R]
1985年生まれ、東京都在住。国内外の音楽レーベルから作品を発表する傍ら、CM音楽の制作、映画やダンス公演への楽曲提供、アーティストのプロデュース、WEBサイトのサウンドデザインなど、様々な分野にて活動を展開。 schole recordsを主宰し、多くのアーティストを輩出、複合メディア「Clarity x Leaf disc」制作ディレクターを努める。2008年、最新作「Tiny Musical」を発表。また、ヨコヤマアヤノ(舞踊)、千葉祐吾(映像)と共にライブパフォーマンスを展開。
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