--- 今回のツアー最終日がリキッドで、最後にオーディエンスにダイヴしたじゃないですか。それは極まって自然に?
BOSS: そうだね、感極まってたよ。長かったし辛かったし、プレッシャーもあったし、何よりあの日のLIVEのお客の俺らに対する気持ちの上げ方がありがたかった。
--- リキッドに対する思い入れっていうのは、どこからなんでしょう?初めてリキッドでLIVEしたときからですか?
BOSS: そうだね。だと思う。新宿の頃ね。あの頃からかもしれない。ここまで一つのハコで何度もLIVEやらせてもらったっていうのも日本中探してリキッドしかないんで。
--- そういう意味も。
BOSS: そう、それもありつつ毎回毎回、オーディエンスと良い夜を過ごして来たから。それもきっとあると思う。
--- 今度、またリキッドが決まったじゃないですか。初めてTHA BLUE HERBが東京でLIVEをした日からちょうど10年目にあたる5/2に。これは前々から考えていた事なんですか?
BOSS: それもあれだよ、ツアーが終わった最終日にリキッドの人と盛り上がって決めたんだと思う、多分。FINALの打ち上げで。
--- そうやってノリでスケジュールが決まっていく事も。
BOSS: そうだね。
--- 僕はTHA BLUE HERBを聴き始めてから、いろんなHIP HOPを聴くようにはなったんですが、やっぱりTHA BLUE HERBっていうのは、ちょっと異質でポジションが全く違うという感じを受けるのですが。
BOSS: そうかもね。
--- HIP HOPの中での、THA BLUE HERBの立ち居地みたいな事って考える事はありますか?
BOSS: いや、今は。この何年間かは考えてないな。
--- というよりもミュージックシーン全体でのという?
BOSS: いや、そもそも自分の立ち居地がどこかっていうのはもう全く考えてないな。色んな人と比較されることはよくあるし、リスナーの側から見たらしょうがないとは思うけど、ほんとに僕らは僕らっていうかね。ほんとに独立した心境でいるよ。
--- 比較されてるものを聴いてみてもやはり違っているというか。
BOSS: でもそれは人それぞれの感じ方だよ。正解はないよ。それに関しては。みんな人それぞれが思うTBHがあるだろうし。でもやってる俺ら本人からしてみれば、ほんとに97年レーベルを立ち上げてから今日までの長い道の中での今の立ち居地というか、そういう感じで見てるんで。
--- なるほど。
じゃあ、枠なんてものは最初からなくて、自分がそこに立っているというか。
BOSS: そう思うよ。俺は。
ま、たぶんね、みんなそう思ってるよ。やってる奴らは。枠に入れたがるのはそれ以外の人たちでさ。
--- まさに僕らの仕事の悪い所かもしれないですね。
BOSS: それが悪いっていう事ではなくて、やってる奴らはみんなそうなんじゃない?俺は俺っていうか。俺は別に他の誰とも似ちゃいないよっていうね。きっとみんなそう思ってると思う。長くやってる人は特にね。
--- 一昨年HMVの渋谷店でインストアをやっていただいたじゃないですか。あの時のお客さんのあがり方も凄かったですし、実際、ハコとは違うオープンな場所でもあそこまで本気でやっていただいて。
BOSS: あの日。一日3本やったときでしょ?
--- ちょうど真ん中にHMVがあって。
BOSS: そうそう。やったね。楽しかったよ。またやらせてよって言っておいて。
--- ほんとですか?是非お願いします。
--- では、最後に一つだけ。今BOSSさんが最も大切にしている言葉って何ですか?
BOSS: うーん。何だろうな。
いや、一つにはきっと決められないな。
さっき言った、リキッドで最初から最後まで並べたあの言葉と最後のあの一言だね。その全ての言葉が結局“ありがとう”を言うためにあったし。また、その“ありがとう”は、全部の言葉がなかったら言えなかったしっていう風に思うな。“ありがとう”だけではない。やっぱり“ありがとう”にいく過程の中に、数億の言葉があったから、“ありがとう”が言えたし。逆にその数億の言葉も、最後に“ありがとう”っていう言葉があったからこそ並べられたものだと思う。そう考えると、「じゃあ結局“ありがとう”っていう意味じゃん」って思うかもしれないけど、やっぱその“ありがとう”を言うための数億のプロセスもなかったらもちろんその一言にいけなかったわけで。実は言葉で食ってるけれど、一つには選べない。簡単には“ありがとう”って人に言えねえしね。簡単に“ありがとう”って言えるほどおれは優しくないし。やっぱり2時間あそこまで支えてくれたからこその感謝だし。勘違いしてほしくねえのは、俺も“ありがとう”を売りにしてるMCじゃねぇしね。数億の言葉の間に彼らのリアクションがあったからこその感謝の一言だったから。それがないのに感謝の言葉は言えないよ。そういうもんだ、たぶん。
--- 『ありがとうございます。』
BOSS: ほら、それだよ。(笑)
それも、この1時間があったからこその“ありがとう”なんだよ。
---本当にそれは心から今、実感しています。
本当にありがとうございました!!!!