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Wackie'sをしこたま聴く

Monday, August 4th 2008



 
真にオリジナル・ニューヨーク・ルーツ・スタイル。
ブロンクスの地下室から産声を上げた、
Wackie'sサウンドを脳幹へと垂らし込むとしよう。


60年代にPrince Busterのレーベルでレコーディングを経験した後、67年にニューヨークへと渡りサウンド・システムを始めたLloyd "Bullwackie" Barnes。70年代はじめには、ブロンクスに地下スタジオを建設。ここに、Wackie'sレーベルが産声を上げた。Lloydは、レーベルのオーナーとしての傍ら、自身もChosen Brothers、Bullwackie名義でアルバムをリリース。プロデューサーとしては、自身のレーベルでの活動以外にも、Lee Perryや小玉和文、国内外の名士達とのセッションでもその名を馳せている。  

Lloyd Barnes

Wackie'sは、1974年頃から本格的に録音を開始し、ニューヨークで活動していたジャマイカ人シンガー、Wayne Jarrettやジャマイカからの有名なビジター、Horace Andy、Sugar Minottらの作品を吹き込んでいった。1977年に始まった『African Roots』ダブ・シリーズは、Wackie'sのセッション・クルーの主要メンバーであったClive Huntがブロンクスのスタジオ、Five Artsで制作したのが第1弾となり、2作目以降、Wackie'sからのリリースとなった。Lloyd BarnesとエンジニアのDouglas Levyは、Jackie MittooやLeroy Sibblesといったジャマイカの大物ミュージシャンと組んで、独自のサウンドを作り上げていった。「渋い」と一括りにしてしまうのはあまりにも乱暴かもしれない。人種の坩堝ニューヨークらしい洗練された雑多感もあり、また、したたかさやしぶとさをも携えたWackie'sの音塊たち。

  Wackie's

この度めでたくCD化と相成るのは、Wackie'sダブの最後の砦とも呼ばれる『Black World Dub』。1979年にWackie'sの標榜レーベル=Hardwaxより極少数枚プレスされ、入手困難を極めた幻のダブ・アルバム。本アルバムは、Heptonesのリード・ヴォーカリスト/ベーシストであるLeroy Sibblesが、Wackie'sレーベルに残した音源や、彼のStudio One時代の名曲をWackie's Rhythm Forceの演奏、ダブワイズとして再演したものが収められている。

タイトル・トラックの「Black World」は、78年にBullwackiesレーベルより12インチ・リリースされたLeroy Sibbles「This World」のダブ・ヴァージョン。Horace Andyの同名クラシックの再演となる「Skylarking」は、パーカッションが打ちまくるヘヴィーなステッパーズ・ダブ。Heptones「My Guiding Star」を下敷きにした「Mornig Star」、Delroy Wilson、Dennis Brownの名唱で知られる「Rain From The Sky」のステッパーズ・ダブ・ヴァージョン「Rain From The Cloud」など、良い意味で「Wackie'sらしからぬ」ミリタント調の激しいステッパーズが目白押しだ。

純正ジャマイカン産レゲエ、あるいは英国製のそれとも異なる、ニューヨークはブロンクス・ゲットーの地下室から産声を上げた唯一無二、気宇壮大なロッカーズ・サウンド。ズッシリとした重量を持つリディム、にじり寄る凍てついた音像、そして、時に美しくメロウに転がるメランコリー。Wackie'sサウンドの真髄を知れば知るほど、その中毒性高き「スモーカーズ・デライト」的心地良さから逃れられなくなってしまうのだろう。


 



Black World Dub

 
4 『Black World Dub』 « New «


『Dub Unlimited』、『Free For All』に続き、1979年オリジナル極少プレスのWackie'sダブの最後の砦とでも言うべき超レア・アルバムが再発!Wackie'sのサブ・レーベル、Hardwaxより極少数枚プレスされていた幻のダブ・アルバム。HeptonesのLeroy SibblesがWackie'sレーベルに残した音源や、SibblesのStudio One時代の名曲をWackie's Rhythm Forceの演奏、ダブワイズとして再演したアルバムで、もちろんLeroy Sibbles自身もベースとしても参加。



 




Free For All
4 『Free For All』


まだジャマイカの、TafariやMowell Esq、Bunny Leeといったプロダクションのトラックにインストをオーバー・ダブしエフェクトを施していた頃の最初期音源。ニューヨークはブロンクス製のクールなダブ・ミュージック。   



 




Dub Unlimited

4 『Dub Unlimited』


傍系レーベル=Senrabから76年に発表されたレア・ダブ盤。基本トラックの多くは、Treasure Isleスタジオで録音、King Tubbyによってミックスされ、マンハッタンでオーヴァーダブが施されている。所謂「ヴァージョン」に近い渋めのダブが多くを占める。  







Creation Dub

4 『Creation Dub』


『Natures Dub』と対を成す1977年のダブ・アルバム。Chsen Brothersや、K.C. White等のオリジナルやBokirkland、Jojo Bennett's等のカヴァー・ダブまで、Bullwackie'sの手腕が存分に発揮された傑作ダブ・ワイズ作品の数々に舌鼓を。シンプルなジャケットがヤバさをより強調。参加ミュージシャンは、Allah、Clive Hunt、Jerry Harris、Sel Wheeler、Roy Robertsonなど。







Dancehall Style

4 Horace Andy 『Dancehall Style』


1982年、Bunny Leeプロデュースの大ヒット曲「Money Money」等の再演を含むHorace Andyの傑作アルバム。全曲、前半のシンガー・パートから後半ダブ・ミックスになだれ込む、所謂ショーケース・スタイル。強烈なWackiesによるヘビー・ダブ・ミックスと、Horace Andyのセンシティヴなボーカルとの相性は完璧!Lloyd Robinson「Cuss Cuss」カヴァー、後にMassive Attackとのコラボで再現される「Spyng Class」などクラシック多数。







Dance Hall Showcases Vol.2

4 Sugar Minott 『Dance Hall Showcases Vol.2』


83年製のクール・ワンドロップ・ダンスホール!Sugar MinottのWackie's録音の名シリーズ『Dance Hall Showcase』第2弾。クラシック・リディム「Informer」を皮切りに、ラヴァーズ・チューン「So We Love It」等、初期ダンスホール・ファンには堪らない内容。勿論、各曲ダブ・テイクを収録!







African Roots Act 1

4 『African Roots Act 1』


Wackie'sの看板ダブ・シリーズ『African Roots』の第1弾は、Lloyd Barnesではなく、Clive Huntによるプロデュース。怪しく蠢くダブ・ワールドが展開されている。ちなみにシリーズ第2弾から、プロデュースも演奏も純正Wackie's産になり、シリーズ最高傑作とする人も多い。83年リリースの第3弾では、シリーズ中最もメロウなダブが楽しめる。







Bullwackie: ロイド・バーンズとワッキーズの輝き

4 『Bullwackie: ロイド・バーンズとワッキーズの輝き


Wackie's、80年代の第1次黄金期に撮影され、レーベル・アーティストの白熱のパフォーマンス映像が満載となるドキュメンタリー作品。こだま和文、ダブセンスマニア、ドイツのBasic Channelレーベルが敬愛して止まない、このレーベルの80年代の活動の様子を、Lloyd Barnesのインタビュー、スタジオでのレコーディング・セッション、地元ニューヨークのライヴ映像などをふんだんに盛り込み、Overheat Music協力の下、20年の歳月を越えてついにデジタル・リマスターで日本語版DVD化。







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Jah Son Invasion
4 V.A. 『Jah Son Invasion』

 Wackie'sフリークだったEd Brennahが80年代に友人用に制作したミックス・テープが、Lloyd Barnesの耳にとまり、それを気に入ったLloyd Barnesがレア・テイクや未発表音源を追加してリリースしたコンピレーション。20枚のアルバム+150枚のシングル作品からピックアップされた音源を中心に選曲されており、入門編にも格好の1枚。




Reckless Breed
4 V.A. 『Natures Dub』

 Wackie'sダブ作品の中でも特に人気の高い名盤。Bullwackie AllstarsとNew Breed Bandがバックを担当。Junior Delgado「Sons Of Slave」のミリタント版「Slave Dub」や、スタジオ・ワン・トラックを下敷きにした「Rockfort Dub」、J.Battaが“Rockers, Rockers”と連呼するタイトル曲等、撃鉄のようなヘヴィ・ダブが詰っている。




Primitive Guitars
4 Reckless Roots Rockers 『Reckless Breed』

 77年のダブ盤。N.Y.に移る以前の70年代半ばにKing Tubbys Studioで録音されたトラックを使った物で、「Under World」、「Creation」の地鳴りの様に深く震えるベースや、Jah (Don) Carlos「Prepare Jah Man」のヘヴィさには度肝を抜かれる。ベース&ドラム、ホーン等の上物使いまで完璧なSoul Syndicateによるヘヴィ・ダブ「Reckless Roots」は貫禄。




Corroncho
4 Love Joys 『Lovers Rock』

 Sonia Abel&Claudette Brownの従姉妹デュオ、Love Joysによる82年発表の2ndアルバム。折り目正しきラヴァーズ作品と高をくくっていると大火傷。タイトルに反したディープで神秘的ななルーツ楽曲が鬩ぎ合う。ブロンクスのラヴァーズ・ロックは、

  



Showcase Vol.1
4 Wayne Jarrett 『Showcase Vol.1』

 『Bubble Up』の別名でも知られる82年発表の作品で、録音時期もジャケのデザインもHorace Andy『Dance Hall Sytle』とほぼ同じ、かつヴォーカル・スタイルも酷似。タイトル曲や「Drum Song」使いの「Holy Mount Zion」、Horace Andyカヴァーの「Every Tongue Shall Tell」などキラー・チューン&キラー・ダブが満載の大名盤。

 



Showcase
4 Junior Delahaye 『Showcase』

 ヴォーカリスト以外にもミュージシャン、エンジニアとしても才能を発揮したWackie'sの重要人物。『African Roots Act 2』をミックスしたのもこのJunior Delahaye。1982年の本作では、ファルセット・ヴォイスを交えたソウル・マナーでスムースに歌い上げている。レーベル史上最も美しいダブ・サウンドを展開。




Who Do You Think I Am?
4 Milton Henry 『Who Do You Think I Am?』

 ソウルフルなMiltonのヴォーカルが冴える84年作。録音はWackie'sと、ジャマイカのChannel One。バックには、Wackie'sスクールのミュージシャンはもちろんの事、Sly Dunbar、Max Romeo、Sugar Minott、さらには、Owen Stewart、、巨匠Jackie Mittooらも参加。




Roxy Music
4 Roots Underground 『Tribesman Assault』

 Jah Scotty率いるReckless Breedを母体としたユニットのダブ名盤。70年代後半にTreasure Isle、Black Ark、Randy'sで録音、N.Y.でミックスした物で、「Tribal Rock」等のシンプルでハードなダブと、流麗なギターが心地好い「Makka Roots」等のメロウなダブとを交互にバランス良く配している。




Dub Roots
4 Prince Douglas 『Dub Roots』

 レーベル立ち上げ当時から関わってきたエンジニア、Prince Douglas名義の80年ダブ盤。全体的にはスペイシーで軽めのダブが多いが、Wayne Jarrette「Every Tongue Shall Tell」のダブや「March Down Babylon」「Tribesman Dub」の漆黒の世界が身に沁みる。




Wicked Ago Feel It
4 Sugar Minott 『Wicked Ago Feel It』

 Sugar Minottが、1984年にWackie'sからリリースした人気盤。Jackson 5のカヴァー「Good Thing Going」の再演を始め、Jackie MittooやBagga Walker、Jerry Johnsonらのメロウな演奏に乗った名唱が楽しめる。




Poor House Rockers
4 Clive Field Marshall 『Poor House Rockers』

 オールドスクールDee Jay、Clive Field Marshallの81年のアルバム。バックは当然、Wackie's Rhythm Forceで、へヴィでディープなリディムを聴かせる。Cliveのオーセンティックなトースティングも派手さはないもののキラリと燻し銀様。ダンスホール・クラシック秀作。




Great Jah Jah
4 Jezzreel 『Great Jah Jah』

 Clive DavisとChristopher Har-veyの男性デュオによる1980年のデビュー作。きれいな柔らかいコーラス・ワークが素晴らしく、激しいミリタント・ビートに乗せた「Roman Soldiers」は、曲後半のDee-Jay共々必聴。




Argument
4 Jah Batta 『Argument』

 Jah BattaことTony O'Meallyの83年の唯一のアルバムで、共同プロデューサーにSugar Minottを迎えている。そのSugar Minottと絡む「Informa (Watch It)」など、この時期ならではの軽快で滑らかなDee-Jayを聴くことができる。




Primitive Guitars
4 Ras Takashi 『Forward To The East』

 レーベル・アーティストとして、初めてWackie'sに受け入れられた、デジタル・ダブ・ユニット=Dubsensemaniaや、GOMAのアルバムへの参加などで活躍する日本人メロディカ奏者Ras Takashiの2ndアルバム。彼のピアニカ・サウンドは、温かく、柔らかく、そして切ない・・・豊かな表情をこしらえながら国境を越えた。









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