あのカラスの『トスカ』が初期盤の音質で復活! オバート=ソーンの自信作
Thursday, January 22nd 2004
カラスやカラヤンの数々の名盤を手がけたことで知られるウォルター・レッグが、『カラスの最高傑作』と述べたように、プッチーニの名作オペラ『トスカ』の1953年スカラ座録音の名声はもはや伝説の域に達しています。
当時の偉大な歌手三人、カラス、ディ・ステファノ、ゴッビが揃い、スカラ座の名音楽監督デ・サーバタが、最上の歌唱を引き出す統率力を発揮し、完璧を期しているので一瞬の緩みもありません。第一幕のフィナーレでは満足の行く仕上がりになるまで三度も録り直したといいうこの録音、オペラの全曲盤として、レコード史上に燦然と輝く最も偉大なセットの一つとされています。
マーク・オバート=ソーンによる制作者後記より
この古典的名演が、これまで制作されたオペラ全曲盤の中で最も優れたスタジオ録音であることはほぼ間違いありません。過去半世紀に渡ってカタログから消えたことは一度もなく、様々なメディアに形を変えて幾度も再発売されています。しかし、マリア・カラス研究家ロバート.E.セレツキー博士が記しているように、これまでリリースされてきたソフトには、最新シリーズ中のCDも含めて、マスターテープと編集作業に起因する若干の問題点が残されています。
オリジナルのLPレコードには、盤面ごと、また同じ盤の中でさえもピッチの不一致がありました。編集ミスもあり、唐突に目立って現われる音量のばらつきもあります。過去のCD復刻盤では、こうした問題のいくつかが、訂正されていたり、そうでなかったりしました。無理にピッチの平準化をしようとして、一分半近くも演奏時間が伸びてしまい、テンポと歌手の音色がオリジナルと違って聴こえてくるものもありました。
今回のNAXOS盤の復刻に当たり、私は10セット以上の『トスカ』LP盤を組み合わせ、8週間の大部分を復刻作業、試聴、比較に費やし、何度も計画をやり直しました。この結果にはとても満足しています。
デイヴィッド・パットモアによるライナーノートより
この『トスカ』の録音は、EMIコロンビアがソプラノにマリア・カラスを起用して制作した4作目のレコードにあたります。
それまでの『ランメルモールのルチア』『清教徒』『カヴァレリア・ルスティカーナ』はトゥリオ・セラフィンが指揮したものでしたが、この『トスカ』では、当時スカラ座の音楽監督であったヴィクトル・デ・サーバタが指揮を務めました。
デ・サーバタならではの巨匠性とプッチーニの迫力のあるスコアを見事に音にしていることもあり、この録音は過去に録音されたオペラ全曲盤の中でも最も偉大なものの一つと見なされています。歌手に主役級が揃っているということも、この盤が高く評価されていることに計り知れないほど貢献しています。
コロンビアとカラスの契約をまとめ、この録音をプロデュースしたレッグは、有名な回想記の中で、デ・サーバタの完璧主義的な妥協のなさについて以下の様に回想しています。
『トスカ』の第一幕フィナーレは、デ・サーバタが満足するまで三度も録音し直しました。第二幕終結部におけるトスカの恐ろしい台詞『ローマ中が彼の前で慄いていた』のために、カラスは声を三十分間も絞り出されることを余儀なくされました。レッグはデ・サーバタに、録音されたテープの山から、マスターテープにする決定版としてどれを残すかを選び出す作業を手伝うように要請しました。デ・サーバタの返事は穏やかですが本音を語ったものでした。『私の仕事は終わった。我々は二人ともに芸術家なのだ。このカットされていない宝石の山は君のものだ。プッチーニと私の仕事に相応しい王冠に仕上げることができるかどうかは君次第だよ』。
レッグは確かにこの作業を成功させ、『カラスの最高傑作』と評せられる結果になりました。
デ・サーバタによる『トスカ』のコンセプトは、暗黒と恐怖です。彼の手にかかれば、このスコアはメロドラマでなく本当の『ドラマ』になっています。例えば、第一幕開始部分や第二幕に現われる力強いオーケストラのパッセージは、ぴたっと焦点が定まり、かつうねるような抑揚をもっています。どの楽節にあってもデ・サーバタはアクセントを明確に付け、リズムを際立たせ、ハーモニーを色彩的にしてメロディーをよく歌わせることで、ドラマを創造し、高みに導いています。彼の棒の下、スカラ座は考えられうる限り最上の演奏をしています。
レッグによって選ばれた歌手は、巨匠サーバタを失望させることはありませんでした。レッグは、1953年8月にスカラ座の建物自体でとり行われた録音のセッションについてこう回想しています。
『カラスは、抜群の声と、あの頃は当然であったのだが、十分な準備をした上で会場に到着した。』
オペラ的な人物像を、生得の深みのある解釈で劇的に表現するカラスはこの役に完璧にふさわしい歌手でした。カラスは、1964年7月コヴェント・ガーデンで、最後のオペラの舞台に立ったときにもこの役を演じました。カラスの極めて個性的な音色をもった声は、トスカの持つ独自性と人物像を否応無しに高めています。直感的で複雑な声の陰翳は、終始聴き手の注意をくぎ付けにします。カラスによるトスカの解釈は完全なものであり、情熱的、激情的であると同時に、威厳に満ち、強靭かつ知性も感じさせるものです。
カラスの傍らで、ジュゼッペ・ディ・ステファノはカヴァラドッシとして完璧な引き立て役です。自然で輝かしいテノールの声は、この役柄が英雄であることをたちどころに判らせるものです。例えば第二幕での感情の爆発に聴くことができるように、抑制しない歌唱スタイルは多大な興奮を呼び起こします。とはいえ、第三幕でのトスカとの二重唱のような場面では、そこに求められる繊細さも表現できています。
この二人の恋人に劇的に立ちはだかるスカルピア男爵を演じるティト・ゴッビは、疑いなく録音史上この役の最も迫力に満ちた解釈のひとつです。きわめて個性的なバリトンの声は、第一幕で登場するとすぐに不穏な雰囲気を醸し出します。ゴッビの中音の声は、本当に恐ろしいもので、ある意味では、蛇の様にぞっとするほどいやらしいものです。カラスとトスカの関係の様に、スカルピアとしてのゴッビは、邪悪さを誇る完全な悪役です。
レッグはこの傑出した演奏を素晴らしい音質でレコーディングしました。その年代では異例なほど奥行きがあり、空間をよく捉えた録音です。この録音を聴くことで、オペラの歴史に残る偉大な瞬間を、プッチーニの書いたスコアが他に並ぶもののない素晴らしさで音として鳴り響いていることを目の当たりにすることができます。
→カラスを検索(年間売上順・発売順・作曲家順)
→デ・サーバタを検索(年間売上順・発売順・作曲家順)
→ゴッビを検索(年間売上順・発売順・作曲家順)
→ディ・ステーファノを検索(年間売上順・発売順・作曲家順)
→スカラ座を検索(年間売上順・発売順・作曲家順)
→トスカを検索(年間売上順・発売順)
OperaLatest Items / Tickets Information
for Bronze / Gold / Platinum Stage.
featured item
Import
Tosca : Sabata / Teatro alla Scala, Callas, Di Stefano, etc (1953 Monaural)(2CD)
Puccini (1858-1924)
Price (tax incl.):
¥3,850
Member Price
(tax incl.):
¥3,350
Multi Buy Price
(tax incl.):
¥3,003
Backorder
%%header%%![]()
%%message%%

featured item
Import
I Puritani: Serafin / Teatro Alla Scala, Callas, Di Stefano, Panerai
Bellini (1801-1835)
Price (tax incl.):
¥3,850
Member Price
(tax incl.):
¥3,350
Multi Buy Price
(tax incl.):
¥3,003
Backorder
%%header%%![]()
%%message%%

→特集ページ
Import
Parsifal: Knappertsbusch / Bayreuther Festspielhaus Windgassen Modl
Wagner (1813-1883)
Price (tax incl.):
¥5,060
Member Price
(tax incl.):
¥4,402
Multi Buy Price
(tax incl.):
¥4,048
Backorder
%%header%%![]()
%%message%%

