冴木杏奈『人魚の歌』発売記念インタビュー
Monday, March 24th 2003
HMV:まずは、アルバム「カント・デ・シレーナ〜人魚の歌」の3週連続HMVインターネットのラテン・チャート1位おめでとうございます。店舗の方ではワールド・ミュージック総合チャートでも3週連続1位になっています。さっそくアルバムについてお聞きします。今回はアストル・ピアソラの作品が6曲収録されていますが、特にピアソラへの思い入れとかは? 冴木:今までアルゼンチン、コンチネンタル・タンゴなど古いスタンダードなタンゴを主に歌ってきましたが、ピアソラの音楽に出会ってもっと新しい形のタンゴを歌うべきだと思いました。タンゴも時代によって少しずつ変わってきていますし、ピアソラ自身が革命児と呼ばれていました。私も今回何か新しいタンゴをやりたいという思いがあり、それが革命児と言われた頃のピアソラのイメージとダブッたため、今回彼の作品を多く取り入れました。 HMV:収録されている曲についてお聞かせください。 冴木:ピアソラとミルバの来日公演を観た際に最も印象に残ったのが「ロコへのバラード」だったのでまず取り上げました。あとはピアソラの未発表曲を取り上げてみたかったのですが残念ながらなくて、奥さんのアメリタ・バルタールしか歌うことがなかった「LAS CIUDADES〜都市」ならあるということで録音させていただきました。あとはティエンポ・スールに「CANTO DE SIRENA〜人魚の歌」を始めとするオリジナル曲を作っていただきました。 HMV:今回のバックバンド、ティエンポ・スールとはどのように出会ったのですか? 冴木:昨年のパリでのコンサートの際にバンドネオンを演奏していただいたビクトル・ビジェーナとの出会いからです。まだまだ若いバンドネオン奏者なのですが、彼の演奏が自分にとって非常に歌い易かったのです。パリに着いて一度しかリハーサルしていないのに、とても柔軟な演奏でフィーリングが合い一緒にやることになりました。彼らも他にメインな仕事があるけれど、何か新しいものをやりたい、新しいタンゴを作っていきたいという共通の思いもありましたので意気投合しました。 HMV:冴木さんは以前オルケスタ・デル・ソル在籍時にはサルサをお歌いになったり、いわゆるラテン音楽との関わりが深いという印象があるのですが、やはりラテン音楽はお好きですか? 冴木:はい、好きです。最初タンゴを歌った時は難しいなと思いました。単調なリズムの中で、揺れるような感情を注ぎ込まなければならないので。あと、ラテン音楽では重要な一体感を重視したかったのです。 HMV:タンゴは情熱的な音楽ですが、やはりラテンのような熱い音楽は昔から好きだったのでしょうか? 冴木:子供の頃は歌全体が好きでした。バラードっぽい曲も、かつリズム感のあるダンス音楽も好きでした。ただ、その頃はまわりにタンゴを聴く環境がありませんでした。父はジャズが好きでしたし…。でも初めてタンゴを聴いて感動した時の、あの感情は忘れません。自分の中に眠っていた何かを揺り起こされたような感じでした。 HMV:最初は「タンゴ・プリマベーラ」でデビュー、その後多くの作品を発表されて、今回のタンゴ・アルバムということでですが、その間冴木さんとともにタンゴはいつもそばにあったような印象を受けるのですが? 冴木:そうですね、タンゴはいつも根底にある音楽という感じです。私は北海道生まれですが、いつも故里に帰るとほっとする、あの感覚と一緒です。帰れるところがある、必ず帰れる場所、それが自分にとってはタンゴなのです。 HMV:HMVでも最近はタンゴ・コーナ−に若いお客様が年々増えているのが見うけられます。冴木さんや小松亮太さんなどを始めとする、日本のタンゴ界でも新しいことをやろう、新しいタンゴを生み出そうというミュージシャンの意志にリスナーが呼応しているのかと思います。それに関してはどう思われますか? 冴木:とても嬉しいです。私がタンゴと出会ったのが20代前半で、その時感動した自分があるということは、絶対同年代の人たちにも受け入れられてもらえるはずだと思います。 若い人たちにもっとタンゴを聴いてもらいたいです。 HMV:先日行なわれた東京国際フォーラムのコンサートには女性のお客さまが目立ちましたが。 冴木:そうですね、ディナーショーでも大半が女性のお客様です。あと、タンゴのコンサートには踊りがあります、情熱的な踊りが。それがお目当てで見に来て頂くお客様も多いようです。 HMV:日本人の女性タンゴ歌手のアルバム・セールス的には藤沢嵐子さん以来の快挙になるかもしれませんね。 冴木:アルゼンチンに行った時にも「ランコ・フジサワ以来!」って言われました(笑) HMV:タンゴの何に惹きつけれられますか? ずばりタンゴの魅力は? 冴木:やはり、情熱的でありながら切ないという点でしょうか。アルバムに収録されている「VUELVO AL SUR(南へ帰る)」などが良い例です。あとタンゴは日本の演歌に近いと言われますが、必ずしもそうとは思いません。両方とも失恋や絶望を歌った歌詞が多いですが、ひとつタンゴが演歌と違う点は暗さが感じられないということでしょうか。失恋の歌でも、絶望的な歌でも情熱的に歌うことによって暗さが吹き飛んでしまうのです。そこが魅力ですね。 HMV:絶望的な歌詞の中にも、どこか希望が見え隠れしますね。 冴木:そうですね。特にピアソラの曲につけられた歌詞はどこか幻想的で面白く、しかも未来に向かって書かれているみたいで。常にプラスの方向に向いている、その姿勢にも惹かれます。 HMV:好きなタンゴの歌手は? 冴木:やはりアメリタ・バルタールは良く聴きます。あとは最近の人では「ブエノスアイレスのマリア」に出演していたフリア・センコとか。彼女の声はとても好きです。 HMV:タンゴ以外にはどのような音楽を聴きますか? 冴木:結構聴きますよ(笑)。とにかく音楽を聴くのが好きで、貪欲に聴くタイプです。ユーリズミックスやバーシア、セリーヌ・ディオン、あと一番好きなのはグロリア・エステファンです。コンサートを観てから好きになりました。特に「DESTINY」は好きな曲で自分のコンサートでも良く歌います。あと、昔に遡ると、私が一番好きなのは『サウンド・オブ・ミュージック』なのです。昔映画で観た時の感動が忘れられなく、いつかこのように歌いたいと思っていました。名曲ばかりですし、自分の原点ですね。 HMV:今日はお忙しいところありがとうございました。 【2001年12/13、HMV本社にて】 |
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