TOP > Music CD・DVD > News > Classical > Opera > リマスター! カラヤン&バイロイトのマイスタージンガー

リマスター! カラヤン&バイロイトのマイスタージンガー

Wednesday, March 19th 2003

重厚な音質でよみがえるバイロイト復興を象徴する名演!
ワーグナー:楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』全曲(4枚組)

 破滅的な世界大戦が終結して6年の歳月が流れた1951年7月、フルトヴェングラーが指揮する「第9」により、ナチスドイツ時代の呪縛にあえいでいたバイロイト音楽祭が劇的に再開されました。
 フルトヴェングラーに代わって楽劇の指揮を取ったのは、共にバイロイトは初めてとなるカラヤン[マイスタージンガー、リング(CDはラインの黄金ワルキューレ第3幕ジークフリートのみ)を指揮]とクナッパーツブッシュ[(リング(CDは神々のたそがれのみ)、パルジファル、マイスタージンガーを指揮]です。
 新時代の旗手としてスターへの階段を駆け上りつつあったカラヤンと、音楽を志して以来一貫してワーグナーを熱烈に賛美し、彼の作品上演のために身を捧げてきたクナッパーツブッシュは鮮やかな対照を示します。そして、両者の創り出した音楽は、聖地に巡礼してきた、音に飢えたワグネリアンの胸裏に終生忘れることのない深い感銘を刻印しました。

 1930年代の終わりに彗星の如く桧舞台に登場し、瞬く間にドイツ楽壇の寵児となり、「奇蹟のカラヤン」と賞賛されたヘルベルト・フォン・カラヤン。終戦直後一時的に不遇を託ちますが、持ち前の意志力でEMIの花形指揮者の地位を勝取るなどし、栄光への階段を駆け上ります。
 その最中の1951年には、指揮者陣の柱石となることを期待され、戦後初めて開催された記念すべきバイロイト音楽祭に華々しく登場しました。この年、『ニーベルングの指輪』チクルスと『マイスタージンガー』を指揮する重責を担い、精緻な構成力、流麗な造形力を駆使し、明晰かつ情熱的な音楽で聴衆を圧倒。新時代の到来を鮮やかに印象付けました。
 しかし、好事魔多しの諺通り、翌年の『トリスタン』を最後に、バイロイトとは袂を分かつことになります。この後カラヤンは、ウィーン、ベルリン、スカラ座に君臨し、「帝王」の名をほしいままにしますが、再びバイロイトのピットに入ることはありませんでした。
 この『マイスタージンガー』は、黄金の翼を羽ばたいて天へと飛翔するかのようなカラヤン壮年期一世一代の晴れ舞台の貴重な記録であり、この楽劇にまとわりつくナチス時代の不幸な埃を払い落とし、作品に内在するヒューマンな感情と祝祭的な高揚感を余すところ無く表現している真に傑出した演奏です。
 後年の有名なドレスデンでの再録音と比べても、一気呵成に畳み込む推進力の鮮烈さや積極果敢な覇気に富んだ表現意欲の鋭気など、演奏内容ではこちらの旧録を推す人が多いのむべなるかなと頷けます。
 エーデルマン、シュヴァルツコップ、ホップ、クンツなど、当時最高の歌手を揃えた布陣で望み、声楽面での瑕瑾も見当たりません。まさに至高の音楽が現出されています。カラヤンのプロデューサーとして有名なEMIのウォルター・レッグが自身バイロイトに乗り込んで収録した甲斐があり、デッカ録音とはまた趣の異なった、暖気に満ちた気品のある精妙な音づくりも魅力をいや増しています。
 カラヤンがバイロイトで公式録音したワーグナーの作品は、この全曲盤と『ワルキューレ』第三幕のみでした。
 今回のNAXOS盤では、保存状態のよい初期LPレコードを基にして、クナッパーツブッシュのパルシファルで大評判を取った令名高い覆刻エンジニア、マーク・オバート=ソーンが丁寧にCD蘇生を施しています。
 現代人の耳をも充分満足させ得る第一級の仕上がりを誇るものといえるでしょう。


プロデューサー後記(マーク・オバート=ソーン)

この「マイスタージンガー」の古典的名盤は、1951年7、8月にバイロイト音楽祭で演奏された5回の公演と1回のリハーサルに基づいて制作されたものである。
 この録音は最初から磁気テープに収録され、最初は、当時よく見られたように、LP(33CX1021 今回の復刻CDのソース)とSPセットの両方が同時に発売された。
 オリジナルのEMIコロンビア録音は、様々な側面で論議を呼んでいる。異なった演奏の継ぎ合わせがしばしばあからさまに目立ち、時折音ゆれや音量の変動が発生する。声楽は近接録音されており、大声量の楽節では耳障りな傾向がある。
 第三幕の式典開始の場面のような大規模アンサンブルの部分を除けば、この録音では、デッカのエンジニアによって同時に収録されたクナのパルジファルにおけるほどには、バイロイト祝祭劇場の独特のアコースティックな音響特性の雰囲気を伝えていない。
 今回の復刻作業では、オリジナルのLPレコードから聴き取れた暖かさを現出するように努めてみた。高音域の増強よりも、偉大な存在感や瞬間をイメージできるように創造しようと試みた。また、この方法に沿い、正統的なワーグナー・サウンドにふさわしい豊かな低音の響きに留意している。


ハンス・ザックス : オットー・エーデルマン
ヴァルター・フォン・シュトルツィング : ハンス・ホップ
エヴァ : エリザベート・シュヴァルツコップ
ファイト・ポーグナー : フリードリヒ・ダールベルク
クンツ・フォーゲルゲザング : エーリヒ・マイクート
コンラート・ナハティガル : ハンス・ベルク
ジクストゥス・ベックメッサー : エーリヒ・クンツ
フリッツ・コートナー : ハインリヒ・プランツル
バルタザール・ツォルン : ヨゼフ・ヤンコ
ウルリッヒ・アイスリンガー : カール・ミコライ
アウグスティン・モーザー : ゲアハルト・シュトルツェ
ヘルマン・オルテル : ハインツ・タンドラー
ハンス・シュワルツ : ハインツ・ポルスト
ハンス・フォルツ : アルノルド・ヴァン・ミル
ダーフィト : ゲルハルト・ウンガー
マグダレーネ : イラ・マラニウク
夜警 : ヴェルナー・ファウルハーバ

合唱 : バイロイト祝祭合唱団
合唱指揮 : ヴィルヘルム・ピッツ
管弦楽 : バイロイト祝祭管弦楽団

指揮 : ヘルベルト・フォン・カラヤン

収録 1951年8月、バイロイト祝祭劇場

プロデューサー : ウォルター・レッグ
レコーディング・エンジニア : ロバート・ベケット

第1幕:83.37 第2幕:59.52 第3幕:124.09 トータル:267.38 


ヒストリカル録音覆刻エンジニア
マーク・オバート=ソーン MARK OBERT=THORN

 再発売プロデューサー兼音響覆刻技師であるマーク・オバート=ソーンは1956年にフィラデルフィアで誕生し、幼少時よりピアノの学習を始めました。1978年ウィリアムズ大学在学中に、ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」のオリジナル録音のピアノ・パートを調査、修復しました。そのソロ・ピアノは、1924年の初演以来、最初に全曲完全演奏が行われた時のものと信じられていました。この頃彼は、大学内のラジオ放送のために最初のヒストリカル録音覆刻作業を始めました。彼は創造的に、かつ心からの共感を持って覆刻の対象であるヒストリカル録音に献身し、ラジオの仕事を継続します。1980年代初めには、フィラデルフィアの国民公共ラジオ協会であるWHYY−FMで放送されることになりました。
 オバート=ソーンは1988年にCD再発売のための覆刻作業を専門の職業とし始めます。その時以来、彼の手による200枚以上のCDが、パール、ビダルフ、ロモフォン、カーラやミュージック&アーツといったレーベルから世に出ました。1998年にはナクソス・ヒストリカルのための仕事を開始し、ラフマニノフのピアノ協奏曲の自作自演、メニューインとエルガー自身が指揮をしたエルガーのヴァイオリン協奏曲、ビヨルリングによる一連のオペラ・アリア集といったベストセラー覆刻CDその他により、世界中で批評家の絶賛を受けます。彼はまた、フィラデルフィア管弦楽団から100周年記念CDコレクションの芸術顧問にも選ばれました。
 オバート=ソーンの音響覆刻に対する方針について言及すると、彼が自らを述べるところに従えば、「穏健な仲介者」ということになります。音源素材の音質の美化作業をほとんどしない同業者や、原音の性質を変化させてしまうほど音響テクノロジーを過剰使用する技師達とは対照的です。彼の哲学とは、よい覆刻技師とは彼自身が注目を集めるような存在ではなく、最大限の明瞭さをもって名演に聴き入る手助けをするべきだというものなのです。この目的のために、彼は人工的な残響附加や擬似ステレオ音像、また、高音域の音楽情報や臨場感を犠牲にしてしまうコンピューターによる針音除去処理も忌避しています。
 彼自身の所蔵品もしくは収集家仲間の情報網から最高の品質の原盤を探り当てるところから彼の仕事は始まります。自身が長年に渡るSP盤収集家であるため、どのリリース盤がふさわしい物か分かるのです。物言わぬSPレコードが、「ビクターZプレスだから」、「コロンビア「ヴィヴァ・トーナルズ」だから」、「表面加工されたブランズウィックだから」、などと語りかけて来るかのように。そして、その中から修復作業のためのものを探し出すのです。
 彼は様々な径のレコード針を並べておき、手にとった個々のレコードの盤溝に最も適合する物を見出します。そして、注意深くレコードの溝幅を見定めて、本来の再生スピードを確定させるために回転数補正回路を使用するのです。そうして再生した音は、プリアンプを通すことで、原録音の録音特性に合わせて増幅され、ヒスノイズやモーター回転による振動音はフィルターにかけられます。さらに、パラメトリック周波数補整装置を使用してより精度の高い整音を施しています。最終的には、シーダー2−雑音除去モジュールも使用され、ポップ音、クリック音、針がごみやきずを拾う音といったレコードの雑音を一掃してからテープに移し変えられます。
 ナクソスから発売が予定されているオバート=ソーンの企画の中には、トスカニーニ指揮ニューヨークフィルの、代替テイクまでも含めた録音完全全集、シュナーベルのベートーヴェンとブラームスのピアノ協奏曲全集、ヨーゼフ・シゲティが起用された一連のヴァイオリン協奏曲集、古典的名盤であるロッテ・レーマンとエリザベート・シューマンによる「薔薇の騎士」その他が挙げられます。(一部発売済み)


⇒カラヤン情報

OperaLatest Items / Tickets Information

* Point ratios listed below are the case
for Bronze / Gold / Platinum Stage.  

featured item

Die Meistersinger Von Nurnberg: Karajan / Bayreuther Festspiele (1951)

CD-R Import

Die Meistersinger Von Nurnberg: Karajan / Bayreuther Festspiele (1951)

Wagner (1813-1883)

User Review :4.5 points (2 reviews) ★★★★★

Price (tax incl.): ¥5,060

Release Date:25/April/2003

  • Deleted

%%header%%Close

%%message%%

→特集ページ

Parsifal: Knappertsbusch / Bayreuther Festspielhaus Windgassen Modl

CD Import

Parsifal: Knappertsbusch / Bayreuther Festspielhaus Windgassen Modl

Wagner (1813-1883)

User Review :5 points (4 reviews) ★★★★★

Price (tax incl.): ¥5,060
Member Price
(tax incl.): ¥4,402

Multi Buy Price
(tax incl.): ¥4,048

Release Date:25/March/2003
Backorder

  • Point x 1
    Add to wish list

%%header%%Close

%%message%%

featured item

Siegfried: Karajan(Cond)('51)

CD Import

Siegfried: Karajan(Cond)('51)

Wagner (1813-1883)

User Review :5 points (3 reviews) ★★★★★

Price (tax incl.): ¥3,509
Member Price
(tax incl.): ¥3,054

Release Date:05/April/2001

  • Deleted

%%header%%Close

%%message%%