ルセ&レ・タラン・リリク/トラエッタ:『トーリードのイフィジェニア』(2CD)

2026年02月06日 (金) 19:00 - HMV&BOOKS online - Classical


ルセ快進撃! トラエッタの『トーリードのイフィジェニア』世界初録音!
父によって自らが犠牲にされかけたという深い心の傷をもつイフィジェニア
そしてその兄オレステスとの神秘的な兄妹愛。劇的な物語をトラエッタが見事に音楽化!


ルセ&レ・タラン・リリクによるトンマーゾ・トラエッタのオペラ『トーリードのイフィジェニア』世界初録音の登場。トラエッタはポルポラにも師事した18世紀の作曲家で、ラモーの音楽の影響も大きかったパルマの地で活躍、フランスの影響も大きく受けた人物。この『イフィジェニア』はトラエッタのオペラ・セリアの代表作です。リブレットを手掛けたのは、モーツァルトの『偽りの女庭師』も手掛けたマルコ・コルテッリーニ[1719-1777]。父によって自らが犠牲にされかけたという深い心の傷をもつイフィジェニア、そしてその兄オレステスとの神秘的な兄妹愛、暴君にとらえられたイフィジェニアとオレステスの再会の瞬間に沸き起こる感情の高まりなど、ドラマティックな展開に満ちた台本です。トラエッタは、この物語の緊張感を見事に音楽化しています。ナポリ派のベルカントとグルックのオペラ改革の交差点に立つトラエッタの声楽書法は、中身のない技巧の誇示ではなく、一つひとつの旋律や装飾音には、ありのままの真摯な感情が宿っています。
 トラエッタは1779年4月6日にヴェネツィアで亡くなります。その頃パリでは、グルックと(トラエッタと同じくナポリ楽派の作曲家である)ニッコロ・ピッチンニの間でオペラ論争が激しさを増していました。1779年5月18日にはグルックの『トーリードのイフィジェニー』が初演されました。そこで描かれるオレステスと復讐の女神たち(フューリー)の場面がトラエッタのオペラとよく似ている、とする意見もあるほど。18世紀の風変わりな作家にして頑固な音楽記録者でもあったハインゼは「彼は、悲しみ・戦慄・恐怖・大胆な決意、そしてある激情から別の激情への移り変わり、さらには高貴な魂の苦悩を、すべて正しく響かせる。その色彩感はティツィアーノのようだ」と、トラエッタのことを書き記しています。トラエッタの作品への注目度が高まること間違いなしの、素晴らしい演奏のライヴの登場です!(輸入元情報)

【収録情報】
● トラエッタ:歌劇『トーリードのイフィジェニア』(1763) 全曲

 ロシオ・ペレス
(イフィジェニア/ソプラノ)
 ラファウ・ロムキエヴィチ(オレステス/カウンターテナー)
 スザンヌ・ジェローム(ピュラデス/ソプラノ)
 アラスデア・ケント・トアント(トーアス/テノール)
 カロリナ・ベントソン(ドリス/ソプラノ)
 ノヴォカント(合唱指揮:ヴォルフガング・コストナー)
 レ・タラン・リリク
 クリストフ・ルセ
(指揮、チェンバロ)

 録音時期:2025年8月
 録音場所:インスブルック音楽祭
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)
 世界初録音


【あらすじ】(輸入元情報)
ミケーネの王でありトロイア戦争におけるギリシャ軍総司令官であるアガメムノンは、女神ディアナを怒らせてしまった。その報復として、ディアナは無風状態を引き起こし、ギリシャ軍がアウリスからトロイアへ出航できないようにした。女神をなだめるため、アガメムノンは神官たちの助言に従い、娘イフィジェニアを犠牲として捧げる。しかしディアナは密かにイフィジェニアを死から救い出し、トーリード島へと連れ去っていた。トーリード島でイフィジェニアは暴君トーアスの支配する神殿で暮らすこととなる。
娘が犠牲にされたと信じたアガメムノンの妻クリュタイムネストラは、アガメムノンを殺害し、娘の死の復讐を果たす。イフィジェニアの兄オレステスは、父の仇を討つため母を殺める。母殺しを犯した彼は、以来、復讐の女神たち(フューリー)に追われ続けることになるが、ある神託は、トーリードの神殿から聖なる像を持ち出し、故郷アルゴスへ持ち帰ることでのみ救済と贖いを得られると告げた。

第1幕
オレステスは友人ピュラデスとともにトーリードへ上陸し、神殿から聖なる像を盗み出そうとしている。一方、15年間、イフィジェニアは、暴君トーアスに、トーリードの地に足を踏み入れた異国の者を女神へ生贄として捧げることを強いられてきた。異国の地からやってきたオレステスも捕らえられ、イフィジェニアの前に連れてこられる。2人は互いが兄妹であることに気づかない。
しかし、同郷の者と感じさせるその見知らぬ男の姿に、イフィジェニアの心は深く揺さぶられる。犠牲の準備の最中にオレステスが陥る狂乱の幻視は、イフィジェニアにとって儀式的殺害を延期させる口実となる。

第2幕
イフィジェニアは、オレステスの犠牲をやめるよう暴君トーアスを説得できないままでいる。捕らわれたオレステスはフューリー(復讐の女神たち)に苛まれていた。覚醒と幻覚の狭間で、彼は殺された母クリュタイムネストラの亡霊を見る。イフィジェニアの顔立ちの中に、母の面影を見る。イフィジェニアは彼に故郷について尋ね、両親の死を知る。しかしオレステスは、自分の正体を明かす勇気がない。オレステスと友人ピュラデスは、イフィジェニアが唯一信頼しているドリスのおかげで神殿の外へ通じる隠し通路を知り、聖なる像を盗み出す。暴君トーアスは激怒する。

第3幕
オレステスも友人ピュラデスも、さらには二人を手引きしたドリスも、暴君の手から逃れることはできなかった。イフィジェニアの手によって犠牲にされる儀式の準備が進む。ここでピュラデスは、オレステスの正体を明かす。イフィジェニアは犠牲の執行を拒む。するとトーアスは、自らオレステスを殺そうと決意する。イフィジェニアはその瞬間、暴君を刺し殺す。彼女は、解放されたトーリードの人々を、もてなしに満ちた肥沃な祖国へと導くと宣言し、オレステスを抱きしめる。

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