●第二夜『はらいそ、の音楽 コーヒーハウス・モナレコーズの細野晴...
『はらいそ、の音楽 コーヒーハウス・モナレコーズの細野晴臣さんトリビュート・アルバム』発売記念。小西康陽さんインタビュー 第二夜。 【HMV限定特典】小西康陽さん書き下ろし原稿収録 「別冊 はらいそ、の音楽」(A5判・64P)
HMV&BOOKS online-Japanese Pop|3 hours ago
2025年12月15日 (月) 19:00
|HMV&BOOKS online - Japanese Pop

『はらいそ、の音楽 コーヒーハウス・モナレコーズの細野晴臣さんトリビュート・アルバム』12月17日発売を記念して、小西康陽さんインタビューを今夜から四夜連続お届けします。
●第一夜
小西康陽さんがいつの間にか弾き語りに夢中になっている。
ご自身が書かれた曲をご自身で歌うようになり、「ビルボード」や「COTTON CLUB」、町田「まほろ座」なんて場所でライブをされることもあった。
ぼそぼそとしゃべり、歌うその姿はなんだかとても中毒性も高く、この魅力は何だろう。なるべく足を運んだ。歌詞が入ってきすぎる。「こんなにいい曲だったっけ?」ふと涙が流れていることもあるんだから困る。
誰が、どんな声やトーン、テンポでどう歌うのか。
「Hi-Fi Record Store」のお年玉プレゼント『これからの人生。選曲・小西康陽』で紹介されている音楽を聴いていてもわかるが、ご自身の中で聴きたい音楽がどんどん変わってきているのは、「コーヒーハウス・モナレコーズ」のライブ企画を始められたことが大きいのだろうな、と勝手に思っていた。
『はらいそ、の音楽 コーヒーハウス・モナレコーズの細野晴臣さんトリビュート・アルバム』が発売されることを知り、小西さんへのインタビューの機会をいただいた。
取材場所は下北沢の「モナレコード」。ちょうど当日「コーヒーハウス・モナレコーズ」が開催される午後3時頃。1時間ほどいただいたお時間の中、さまざまなお話をお聞かせ下さったのだけれど、みなさまにはどこからお届けしようか。
少し迷いながらも、やはりまずはトリビュート・アルバムまで生まれてしまった「コーヒーハウス・モナレコーズ」のお話から。
――下北沢「モナレコード」で開催の「コーヒーハウス・モナレコーズ」のライブは、どうして“コーヒーハウス”って言うんですか?
小西康陽(以下、小西):ああ。「コーヒーハウス・モナレコーズ」は2ヶ月に1回やっている弾き語り企画で。“コーヒーハウス”っていうのは、そうだな…。いわゆるロックンロールとロックの間にアメリカのフォークブームがあったのはご存知ですよね?その頃、ニューヨークで、フォークの弾き語りを聴かせるところは、喫茶店でありカフェなんだけど、ライブハウスでもあるっていう、そういうところはみんななぜか、“コーヒーハウス”って言ってたんですよね。それを思い出して。
――はい。
ディランが最初にライブをしたニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジにあったカフェ「ガスライト」っていうところも、“コーヒーハウス”って言ってたし。なんかそのイメージで使えたらいいなと思って。頭にあった言葉だったんで「モナレコード」の長谷さんに「コーヒーハウス・モナレコーズってどうですか?」って聞いてみたら、「それでいきましょう」って言ってもらえました。
※ボブ・ディランが1962年10月の演奏を記録したライブ・アルバム『Live at The Gaslight 1962』は「ガスライト」での演奏によるもの
だから、弾き語りの、やるのも聴くのも好きな人が集まる、サロンっていうか、登竜門みたいなお店になればいいかなと思って。 そういうところは新人も出演させていく。「コーヒーハウス・モナレコーズ」も最初の頃はあんまり知られていないアーティストと、すごく有名な方と、僕との3組でやってたんですけど、最近はちょっとビッグネームが続きすぎて(笑)。
――チケットが取りづらくなっている…(笑)。実際に当時、“コーヒーハウス”のようなところで、弾き語りのライブをご覧になったことは体験としてありましたか?
小西:いや、それはないんですよね。だから憧れとしてあるんでしょうね。実際、東京でもいくつかあったみたいですけどね、四谷とかにも。
“コーヒーハウス”といえば、ディランの映画『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』ってご覧になりました?
――観てないです…。
小西:売れないフォーク歌手が挫折する話なんですけど、ある時、自分の出番を待ってたら、前座の前座で出てるやつにすごいやつがいて。それは確かシルエットだけで本人は映んないんだけど、どう聴いてもディランなんですよ(笑)。あれ、みんな“コーヒーハウス”でしたね。
――ディランか確認してみます(笑)。“コーヒーハウス”の雰囲気のもので他にもお好きな作品はありますか?
小西:ああ。僕も最近本当にフォークかじり立てなので。そうだな。ただやっぱり、アメリカのアーティストだとあんまり好きなものはないかな。やっぱりディランの2枚目『The Freewheelin' Bob Dylan』、3枚目『The Times They Are a-Changin'』、4枚目『Another Side of Bob Dylan』。 それから…難しいな…。
――いっぱいありますよね…。
小西:うん。フォークのレコードは全部いいとも言えるし、全部ダメだとも言えるし。たいていのフォークのレコードは若いリスナーには退屈に聞こえてしまいそうだし、ときどきヒップなもの、尖った表現のアーティストもいるけど、今度は自分のような年齢の聴き手にはトゥ・マッチだったり痛々しかったり。いつ聴いても刺激的で若い世代にもオールド・ファンにもアピールする作品といったら、やっぱりディランの2、3、4枚目のアルバムとかになってしまうのかな。でも自分は退屈な部分も認めつつ、最近もっぱらフォークばっかり聴いてますね。
明日の第二夜は ●“コーヒーハウス“に細野さんがやってきた!? ●細野さんはsense of humorな人 細野さんについてのエピソードも盛りだくさん。 それでは、また明日の夜にお会いしましょう。
小西さん企画の本が出ました!
「この本を、とくに若い世代の方々に薦めたい。あなたが長い人生を通してずっと音楽と親しく付き合いたい、と考えるなら、この本は買っておいたほうがいい。大切なことは小さな声で語られる。そう、ちょっと高いけれど、この本はお買い得ですよ」──小西康陽
大江田信は高校時代に友人の佐久間順平と「林亭」を結成する。自主制作レコード『夜だから』はミュージシャン高田渡に偶然手渡される。それは「音楽」を生業とする人生のはじまりだった――本書は初の著書であり、レコード会社勤務、ラジオ番組選曲家、音楽ライター、「ハイファイ・レコード・ストア」の経営者と、音楽を仕事にし続けた彼の50年にわたるコラムやエッセイをまとめた「ヴァラエティブック」である。
企画=小西康陽 編集=小梶嗣 ブックデザイン=菅野カズシゲ 装画=矢吹申彦 写真=高田渡、廣瀬壯太郎
インタビューでお話しているのはこちらのアルバムです。名作!
小西さんが3年に渡り主催してきたレギュラー・イベント「コーヒーハウス・モナレコーズ」から誕生した本作は、 これまで同イベントに出演してきたアーティストたちが集結し、細野晴臣の楽曲をそれぞれの解釈と愛情を込めて弾き語りでカヴァーした企画アルバム。
細野さん本人による弾き語り「香港ブルース」「恋は桃色」をMC込みで収め、会場の空気感をそのまま音源化している。さらに、細野さんの未発表音源となるフランツ・リスト「愛の夢」のカヴァー(デモ・ヴァージョン)も収録。
%%message%%
HMV&BOOKS online - Japanese Pop|3 hours ago
HMV&BOOKS online - Jazz|1 hour ago
HMV&BOOKS online - Used|2 hours ago
HMV&BOOKS online - Used|2 hours ago
HMV&BOOKS online - Goods|2 hours ago