ニケ&ル・コンセール・スピリチュエル/ヘンデル:『エジプトのイスラエル人』
2025年09月18日 (木) 19:00 - HMV&BOOKS online - Classical

晩期のオラトリオ群を導く転機の傑作、強い一体感を感じさせるニケの快演!
ヘンデルがロンドンでのイタリア語オペラ作曲に見切りをつけ、英語オラトリオを重点的に書くようになる移行期の1739年に発表された『エジプトのイスラエル人』。旧約聖書の「出エジプト記」に基づく本作は当初、冒頭に「第1部」としてファラオの助言役ヨセフの死を嘆くイスラエルの人々を描いた長大な章がありましたが、これは2年前の王妃追悼アンセムの音楽を転用したものにすぎず、曲全体としても劇場向けアリアがなく不人気でした。初演の失敗を経てヘンデルは作品を見直し、第1部をカットしてアリアを増やした新版を作成。この版は19世紀以降にまで続く人気を博し、現在も複数の古楽器楽団による録音がある通り、この全2部版を決定稿とみなす専門家も少なくありません。
2021年にフランスのベルリオーズ音楽祭出演で本作を披露することになったエルヴェ・ニケも、ベルリオーズを含む19世紀の人々が知っていたこの2部版を採用、本盤でもその選択が踏襲されました。録音はコロナ禍がピークを過ぎ演奏会が再び開催しやすくなってきた時期に行われ、モーセの導きで自由を得た民の喜びが当時の演奏陣の心情と重なり、稀有の一体感の中で行われた、とニケは語っています。事実、演奏の求心力は格別で、ニュアンス豊かな合唱の表現が彫りの深い器楽陣の音作りと見事に噛み合い、起伏豊かな音楽展開をこのうえなく面白く聴かせてくれます。ニケとヘンデルの相性の良さを改めて実感する快演です。(輸入元情報)
【収録情報】
● ヘンデル:オラトリオ『エジプトのイスラエル人』 HWV.54(全2部版)
ミリアム・ルブラン、リュシー・エデル(ソプラノ)
レーナ・ズートア=ヴェルニヒ(コントラルト)
ローレンス・キルズビー(テノール)
アンドレアス・ヴォルフ、アレクサンドル・バルド(バス・バリトン)
ル・コンセール・スピリチュエル(声楽&古楽器アンサンブル)
エルヴェ・ニケ(指揮)
録音時期:2023年10月
録音場所:フランス東北部ロレーヌ地方メス、アルスナル
録音方式:ステレオ(デジタル)
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