激ロック×HMV&BOOKS online vol.145

GENRE：LOUDROCK
今のGOTCHAROCKAだからこそ描けた喪失と執着の物語
“穴”が喪失の象徴だとするならば、“沼”とは執着のメタファーなのかも。「穴」と「沼」の間にインタールード的SE（「GR_AUDIO_001」）を挟み込んだ構成で提示 され る今 作は、もはや両A面シングルというよりも、3曲からなる組曲として解釈したほうが良いのではなかろうか。トリッキーにして鮮やかなギター・リフを軸とした「穴」には、GOTCHAROCKAならではの変化球的ポップ・センスが満載。かと思うと「沼」は、名は体を表すような暗黒系閉塞感を漂わせつつも、随所にちりばめられた尖った攻撃性が聴き手を翻弄する。穴にハマった上、沼にも堕ちて。それは避けるべき事態というより、そうなってみて初めて見えてくる世界が存在する可能性がある。
杉江 由紀【ライター推薦】

GENRE：ELECTRONICORE, LOUDROCK
最強布陣の新体制による叫びが轟く！
ニュー・アルバム『Solar Strain』
低音のスクリームの野月平イオ、高音スクリームの鷹屋敷ヤヨイ、透明感とキュートさと繊細な表現で聴かせる、七々扇ツバキと御子神シズクによるクリーンVoという4人の個性が交錯し、ボルテージの高い曲を畳み掛けるニュー・アルバムが完成。新体制初のアルバムにこの数年海外のメタル・フェスにも呼ばれアジア公演やEUツアーを重ね培った自信が注入された。アルバムに先駆けてMVが発表された「追憶のナスカ」は、BBTSの歴史と“怖いものは 何一つない”と歌いここから駆け上がっていく今の思いが、14分超えの多彩なジャンルが組み込まれたプログレッシヴ（で時にミュージカル的な）曲。まだ見ぬ景色を自分たちで切り拓く、未来に向けたアルバムだ。
吉羽 さおり【ライター推薦】

GENRE：SYMPHONIC METAL, MELODIC SPEED METAL, FOLK METAL
独自のヘヴィ・メタルを究め続けた唯一無二の陰陽座サウンド！
人間が最も恐ろしい。この世こそが地獄のようである。そうした見解にも一理はあるが、鬼や神や妖怪が跋扈する陰陽座の描く世界に浸ってみると、きっとより広い視野で物事を解釈することができるようになるかもしれない。“吟澪御前”とは、“吟ずることを己の澪とする強力な鬼”という意を持つアルバム・タイトルで、陰陽座のこと自体を表すものであるそう。実質的表題曲にして凛然とした貫録の漂う「吟澪に死す」、黒猫と瞬火によるツイン・ヴォーカルが映える「深紅の天穹」、3部作的物語として描かれる「鈴鹿御前 -鬼式」、「大嶽丸」、「鈴鹿御前 -神式」、そして“忍法帖シリーズ”最新作の「紫苑忍法帖」等々“鬼”ヤバい一枚！
杉江 由紀【ライター推薦】

GENRE：PUNK ROCK
2024年夏、前身バンドより改名＆再始動
さらにギアを上げて突っ走るTHE JAPANESE PRIDEの勢い凝縮した最新EP！
2024年夏、前身バンドより改名＆再始動。1st EP『NOW』を引っ提げた初ライヴ＆初の全国ツアーを大成功。2025年も3作連続配信リリースを行い、新ドラマーの中村音弥の加入も発表。メンバー・チェンジも糧にして、さらにギアを上げて突っ走るTHE JAPANESE PRIDEの現在の勢いをギュッと凝縮した最新EP。疾走感ある曲調にセンチな歌詞が映える「Day by day」、テンション爆アゲなパーティー・チューン「SUPER PARTY」、ライヴでの盛り上がり必至な「いいかんじ」という新曲に加え、前身バンド時代の人気曲「777」も再録された、この夏のBGMにぴったりの一枚。配信3曲と併せて聴けば、バンドの状態の良さとモチベの高さがより伝わってくるはず。TJPの“フィーバー・タイム”が止まらない！
フジジュン【ライター推薦】

GENRE： METAL
メタルの可能性はこれからも広がり続ける
結成15周年を迎えたBABYMETALが、その活動の中で出会った戦友たちと作り上げた楽曲を収めた4thアルバム『METAL FORTH』を発表した。モダン・メタルやデスコア、パーティー・サウンドからインド音楽まで、各アーティストの多彩なスタイルと化学反応を起こしながら、BABYMETALらしいサウンドへと昇華させた楽曲群は、唯一無二の個性と確固たる魅力を改めて痛感させられる。オリジナル曲もラウド・シーンと共鳴するTrack.8や、直球メロパワ・ナンバーのTrack.10等、過去の名曲にも連なる要素を進化した今の表現力で披露しているのが秀逸。クロスオーバーを重ねてきた、BABYMETAL、そしてメタルというジャンルの過去、現在、未来を総括するような作品だ。
菅谷 透【ライター推薦】

GENRE：HIP-HOP, PUNK ROCK, MIXTURE
Bubble Babyがテーマとして掲げる
前人未到の新たなジャンル“B-BOY ROCK”を体現する最新EP
Bubble Babyがテーマとして掲げる、前人未到の新たなジャンル“B-BOY ROCK”を体現する最新EP。「TOKYO摩天楼」、「この道の果てで」等、様々な可能性を模索しながら独自のスタイルを形成していった昨年発表の楽曲に加えて、バンドの進むべき道が見えたなかで制作された、今年発表の楽曲が最新曲「最高JAM」を含めて4曲収録された全7曲入り。売れ線狙いとか、小賢しいこと一切ナシ。Rude-α（Vo）を中心に4人が魂をぶつけ合い、感情剥き出しで生み出した楽曲たちが聴く者の心にぶっ刺さる。ギリギリのせめぎ合いから生まれる楽器隊のグルーヴ、リアルな描写や感情を嘘のない言葉で放つRude-αの研ぎ澄まされたラップ。彼等は早くも“B-BOY ROCK”の1つの解に辿り着いたようだ。
フジジュン【ライター推薦】

GENRE：HEAVY ROCK
Mary's Blood活動休止後、ソロ・アーティストとして活動するEYE
ロック・ヴォーカリストとしての矜持を持って挑んだ3rdアルバム
Mary's Blood活動休止後、ソロ・アーティストとして活動するEYEの3rdアルバム。1stアルバムから作品制作を共にするKAZAMI（Dr/Pf/Syn／DaizyStripper／Damian Hamada’s Creatures）がほぼ全曲の作曲と編曲に携わり、EYEが全曲の作詞を担当。多数の豪華ゲスト・ミュージシャンを迎えて完成した。クラブ・ミュージック等、ロックにとらわれぬ幅広いジャンルに果敢にチャレンジしてきた彼女。“何色にでもなれるのではない、全てを自分色に染め上げる”という境地に達し、ロック・ヴォーカリストとしての矜持を持って挑んだ今作では、原点と言えるヘヴィで壮大なロック・サウンドに彼女の魅力が“スパーク”している。パワフルでエネルギッシュ、艷やかで美しいヴォーカルを存分に堪能できる一枚。
フジジュン【ライター推薦】