ラ・レヴーズ/『ロンドン 1760〜J.C.バッハ、アーベル&フレンズ』
2025年08月15日 (金) 18:00 - HMV&BOOKS online - Classical

音楽の一大都市だった1760年頃のロンドン
バッハ=アーベル・コンサートなどで演奏された珠玉の作品!
まさに1760年にブレイクした女性作曲家によるグラスハープのための作品
1760年のロンドンをテーマとした1枚。1760年といえばヘンデルが亡くなり、ジョージ3世が即位した年です。ジョージ3世と妻であるシャーロットはともに鑑識眼のある音楽愛好家で、ロンドンは英国の音楽都市として大いに再復興を遂げました。ヨーロッパ中から名手たちや作曲家がロンドンに押し寄せ、独創性とモダン性を競い合いました。また、バッハの息子J.C.バッハ[1735-1782]は1764〜1765年にかけてカール・フリードリヒ・アーベル[1723-1787]とロンドンで英国初の予約制定期演奏会を開始。ハイドンの作品がイギリスで初めて演奏されたのもこの演奏会においてです。ヴィオラ・ダ・ガンバの協奏曲からグラスハープのための作品まで、当時の音楽の都ロンドンのにぎやかさを感じさせてくれるアルバムです。
古楽アンサンブルのラ・レヴーズは、バンジャマン・ペローとフロランス・ボルトンによって設立されました。17〜18世紀の音楽をメインのレパートリーとしています。バンジャマン・ペローはリュート、テオルボ、バロック・ギターを学び、ソロおよびアンサンブル(レザール・フロリサンやコンセール・スピリチュエルなど)で活躍しています。フロランス・ボルトンは7歳でリコーダーとチェンバロを学び始めますが、弓を用いて演奏する楽器に魅了されヴィオラ・ダ・ガンバを専攻。日本語の修士も取得しているそうです。
グラスハープは、水を張ったワイングラスのような脚付きのグラスのふちをこすって音を出すもの。複数並べ、水の量によって音を変え、旋律などを奏でます。この楽器は水が蒸発するにつれて調律がくるってしまうという難点があり、後にベンジャミン・フランクリンがより精確さをもったグラスハーモニカを作成、モーツァルトもこのグラスハーモニカのために作品を書いてもいます。このグラスハープのための作品を作曲したのは当時のお騒がせ美女アン・フォード[1737-1824]。中流階級生まれのお騒がせ的存在で、1760年に白い装束で演奏会ツアーを行い、セイレーンのような魅惑的な歌声で聴衆を魅了。グラスハープ、アーチリュート、ヴィオラ・ダ・ガンバ、ギターなど様々な楽器を演奏しました。1761年の秋にはすでに忘れられたとなってしまったようですが、女性たちにグラスハープやギターを学んだほうがよいと手引書を出版しております。
イングリッシュ・ギターとは、シターンの仲間の6〜7弦の楽器。開放弦の調律がハ長調のものが基本の楽器で、シンプルなためチェンバロを学ぶよりも簡単とイギリスの家庭に当時急速に広まっていました。その広がり方はものすごい勢いで、ルドルフ・シュトラウベやジェミニアーニといった海外の当時流行作曲家たちにもペンを執らせたほどでした。(販売元情報)
【収録情報】
● アーベル:ヴィオラ・ダ・ガンバと複数の楽器のための協奏曲(トーマス・フリッチュとギュンター・フォン・ツァドウによる再構築版 ギュンタースベルク出版、2020年、チェロ協奏曲変ロ長調 WKO52とフルート協奏曲ハ長調 WKO51に基づく)
1. モデラート
2. アダージョ・マ・ノン・トロッポ
3. アレグロ
● J.C.バッハ:四重奏曲ニ長調 Op.8-2(フリッチュとツァドウによる再構築版、ギュンタースベルク出版、2017年、クルクンディス・コレクション(ライプツィヒのバッハ・アーカイヴに所蔵)の手稿譜〜オーボエ、ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、通奏低音の四重奏曲、G.C.バッハによる(ヴィオールのパートが欠落)。そのほか、ロンドン、パリ、ハーグ、マンハイム(オーボエの代わりにフルート、ヴィオールの代わりにヴィオラを使用)での当時の譜に基づく)
4. アンダンティーノ
5. ロンドー(アレグロ・アッサイ)
● ジェミニアーニ:イングリッシュ・ギターのための作品 ニ短調(エジンバラ、1760年、「The Art of Playing the Guitar or Cittra」より)
6. アンダンテ - アレグロ・モデラート
7. アッフェットゥオーゾ
● アーベル:四重奏曲ト長調 WKO227(ツァドウ版、ギュンタースベルク出版、2011年、ベルリン国立図書館所蔵の手稿譜に基づく)
8. アレグロ・モデラート
9. アレグレット
アースキン:トリオ・ソナタ第6番ト長調 CM5(2つのヴァイオリンと通奏低音のための6つのソナタ、ロンドン、1769年、ヴェルカー出版)
10. アンダンティーノ
11. テンポ・ディ・メヌエット
● アーベル:ドレクセル手稿譜からのヴィオール作品(ニューヨーク・パブリック・ライブラリー/通奏低音パート再構築はバンジャマン・ペローによる)
12. アダージョ
13. アレグロ
● シュトラウベ:ギターのための3つのソナタより(ロンドン、1768年)
14. ラルゴ ハ長調
● アン・フォード:グラスハープの演奏の手引き ハ長調(Miss Ford. Instructions for Playing on the Musical Glasses、ロンドン、1761年より)
15. イタリア風エア
16. デュエット(シチリアーナ)
ラ・レヴーズ
フロランス・ボルトン(ヴィオラ・ダ・ガンバ:1-13)
バンジャマン・ペロー(アーチリュート:4,5,8-13、イングリッシュ・ギター:6,7,14-16)
セルジュ・サイッタ(フラウト・トラヴェルソ:1-5,8-11)
シルヴァン・ルメートル(グラスハープ:15,16)、他
録音時期:2023年11月
録音場所:パリ、ドイツ・プロテスタント教会
録音方式:ステレオ(デジタル)
Showing 1 - 8 of 8 items
表示順:
※表示のポイント倍率は、ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

