激ロック×HMV&BOOKS online vol.143

GENRE：MIXTURE ROCK
3rdシングルが物語るQuubiの現在地
大阪を拠点に活動している3人組ミクスチャー・ロック・グループによる3rdシングル。「Fading」は現体制初アルバム『Meme』に収録されている「Rising」の続編となっており、どんな困難が押し寄せてこようとも一歩ずつ前に進んでいく3人の思いを、ヘヴィなバンド・サウンドに乗せて歌い、ラップする、ドラマチックなアップテンポ・ナンバーになっている。カップリングの「Born Finite, Live Infinite」は、メンバーの村上華花が作詞を担当。人生という限られた時間の中で、たとえ後悔をしたとしても全力で生きていたいというまっすぐな思いを、エモーショナルなサウンドが盛り立てる。グループの現在地であり、3人の今が刻まれた熱い一枚。
山口 哲生【ライター推薦】

GENRE：LOUDROCK
8周年の節目で原点回帰し“V系”と対峙した1stフル・アルバム！
玉砕瓦全。古代中国の人が遺したこの言葉は、後に日本でも、決死の覚悟で闘う意味を持つ言葉として、玉砕の部分のみが一人歩きをするようになったわけだが。つまり、今作『玉砕メーデー』はヤミテラにとって、そのくらいの気概を込めて世に送り出したものということになるのだろう。かれこれ5年程前にも彼等の音には触れたことがあるものの、ヤミテラはあれからより強靭で、よりはっちゃけたバンドになったと感じる。8周年の節目で原点回帰を意識することにより、洗練された荒ぶる様を音として具現化してみせた点も興味深い。表題曲の尖り方もいいが、ノスタルジー漂う「金木犀」、シニカルな笑いを呼ぶ「#V系カレシ」等聴きどころ満載。
杉江 由紀【ライター推薦】

GENRE：SYMPHONIC METAL
過去最高の手応えを得た豊洲PIT公演を収めたライヴ作品完成！
いつも何度でも。ライヴ盤や映像作品の素晴らしいところは、なんといっても“あの日の感動”を好きなだけ反芻できるところであろう。また、動画の場合はライヴ現場だとそこまで拡大化して観ることはできない推しメンの手元や、観客席側とは違うアングルからの姿をじっくりと拝むこともできる。今作の場合はUnlucky Morpheusのみならず、当日O.A.として登場したメロディック・デス・メタル・バンド、Unholy Orpheusのステージも全曲収録されているところがさらに熱い。その場でライヴを観た人はもちろん、行けないまま終わってしまった人、そして夏ツアー“Unlucky Morpheus LIVE TOUR 2025 「桜花絢爛の陣」”に向けてのアップ用にも最適なり。
杉江 由紀【ライター推薦】

GENRE：ROCK
有終の美へと向かうWaive
約四半世紀にわたった確かな歩みを改めて感じるセルフカバー・ベスト・アルバム第2弾
有終の美へと向かう日々のなか、今Waiveはよりいっそうの輝きを放ち出している。来年1月4日に行う最初にして最後の日本武道館公演“Waive「LAST GIG.」”をもって、解散することになった彼等が、昨年発表したセルフカバー・ベスト・アルバム『BLUE ALBUM』に続いて送り出す、今作『RED ALBUM』は、まさにそれと対をなすものだ。意図して冒頭に収録したのであろう、Waive最古のバラードのTrack.1「spanner」が醸し出す珠玉ぶりに、ロック・バンドとしての攻めの姿勢が凝縮されているTrack.4「Sad.」、“もう一度巡り会う奇跡を信じたい”との詞が深く響くTrack.12「HEART.」等。約四半世紀にわたった彼等の確かな歩みを改めて感じたい。
杉江 由紀【ライター推薦】

GENRE：GRUNGE, ALTERNATIVE ROCK
独創的なロック・サウンドと情念渦巻く歌詞世界――
海外ロック・ファンも注目するDOLL PARTSのフル・アルバム
ARISA（Vo/Gt）のソロから音楽活動が始まり、2018年にバンド結成、2020年に児太郎（Dr）が加入。これまでも精力的に音源をリリースしてきたDOLL PARTSの最新フル・アルバム。グランジ、オルタナといった'90sのテイストを持つサウンドと昭和歌謡を想像させるメロディ、そしてARISAの描く歪んだ愛や情念渦巻く歌詞世界と、独創的な世界観を持つ楽曲たちが魅力の彼女たちだが、今作は歌やサウンドがよりパーソナルに近く、自分たちらしい表現ができているといった印象だ。彼女たちの持ち味を活かした「支配」でディープに始まり、映画を観るような感覚で作品世界にどっぷり浸れるアルバムではあるが、「My place」や「I’m always on your side.」といった楽曲の端々から見える、素の表情も作品の魅力の1つ。
フジジュン【ライター推薦】

GENRE：LOUDROCK
新たなフェーズへの突入を告げる
バンドの勢いと熱量を凝縮したミニ・アルバム
昨年12月に初の日本武道館ワンマンを成功させ、勢いそのままに47都道府県ツアーの開催を控えるDEZERTがミニ・アルバムをリリース。ライヴでの盛り上がりが容易に想像できるアッパーチューン「「変身」」、ポップに目まぐるしく展開する「はい！少女」、千秋（Vo）が紡ぐ繊細な言葉とメロディが沁みる「明日暗い月が出たなら」、「真宵のメロディー」、そしてダンサブル且つ妖艶なムードを纏った「アダム・ペインを探して」の5曲に彼等の勢いと熱量をそのままパッケージした、バンドの新たなフェーズへの突入を強く印象付ける内容に。また、ボーナス・トラックとして千秋が自宅で録音した“スーパー弾き語り”も収録されているので、こちらも要チェック。
横山 開【ライター推薦】

GENRE：ELECTRONICORE, LOUDROCK
さらなる地平へ向かう目印打ち立てた
約4年半ぶりニュー・アルバム
現体制後初、また移籍後初となるアルバムに“旗印”を意味する“INSIGNIA”と冠したPassCode。「GROUNDSWELL」やアニメ・タイアップ・ソング「WILLSHINE」、「SKILLAWAKE」等すでにライヴ曲として仕上がっている曲に加えて、5月にスタートした全国ツアーや11月に開催する横浜BUNTAIでのアリーナ公演の沸騰した光景が浮かぶような「DESTINEX」、ハイパーな歌謡曲「VIRIVIRI」等、アッパーでカラフルなナンバーが並ぶ。そこに「A certain Motor-Heart is not working right!」が変化球の差し色を加えた。アイリッシュ・パンク風なラウド・チューンを、4人がシアトリカルな表現で構築する。新たなエッセンスも擁した、懐の広いアルバムだ。
吉羽 さおり【ライター推薦】

GENRE：LOUDROCK
最強ライヴ・バンド
RAISE A SUILENが見せる強者の風格
RAISE A SUILENが13thシングル『HOWLING AMBITION』をリリース。タイトル・トラック「HOWLING AMBITION」は、私たちがNo.1だと高らかに宣言する強気な一曲で、ゲームのラスボス戦のBGMに使われても違和感がない強者の風格を漂わせている。Raychell（レイヤ／Ba/Vo）と紡木吏佐（チュチュ／DJ）の煽るような掛け合いも聴きどころだ。カップリングは「VIVID FIRST TIME」。バンドの関係性を表現した歌詞からはバンド・メンバー間の信頼感や絆が滲み出ており、ギターとドラムが牽引する疾走感と相まってライヴでの盛り上がりが容易に想像できる。最強ライヴ・バンドとして盤石の一枚が仕上がった。
宮�ｱ 大樹【ライター推薦】

GENRE：MELODIC SPEED METAL, POWER METAL
メジャー・デビュー20周年イヤーを総括するに相応しい
大ボリュームの映像作品
フル・アルバムの発表に2本のツアー開催と、“THE RISING OF THE NEW LEGACY”と銘打ったメジャー・デビュー20周年イヤーを駆け抜けたGALNERYUSが、そのツアーの最終日の模様をそれぞれ収録した映像作品を発売。ファン投票で選ばれた名曲たちを通して彼等の歩みに触れられた“Pt. I”GARDEN 新木場FACTORY公演、そして最新作を引っ提げて行われた“Pt. II”立川ステージガーデン公演の熱量を心行くまで体験できる豪華盤だ。さらにアジア公演のダイジェストやドキュメンタリーに、立川公演のライヴ音源も収められた、メモリアルな年を総括するに相応しい大ボリュームの本作を楽しみつつ、彼等がこれから新たに刻んでいく歴史にも思いを馳せよう。
内堀 文佳【ライター推薦】

GENRE：METAL, HARD ROCK
最高傑作と絶賛された最新アルバムの世界観を再現しつつ
ライヴならではの迫力と緊張感に満ちた最強盤！
昨年7月、実に4年ぶりとなる最新スタジオ・フル・アルバム『Wonder Arts』をリリースし、8月に新宿ReNYにて、ワンマン・ライヴ“Wonder Parade”を開催したTEARS OF TRAGEDY。今作は最高傑作と絶賛された最新アルバム収録の全曲に加え、近年はあまり演奏されることのなかったレア曲も多数演奏された本公演の様子を、余すところなく収めたBluray／CD 2枚組による最新ライヴ作品だ。圧倒的テクニックを誇るTORU（Gt）、HAYATO（Key）に、hibiki（Ba／SABER TIGER／NoGoD）、MAKI（Dr）を加えた至極の演奏によく映える、HARUKAの美しく情感溢れる歌唱。アルバムの世界観を再現しつつ、ライヴならではの迫力と緊張感に満ちた最強盤だ。至高のメロディック・メタルに陶酔＆熱狂せよ！
フジジュン【ライター推薦】