激ロック×HMV&BOOKS online vol.118

GENRE：LOUDROCK
The BONEZがThe BONEZである理由を体現したアルバム
リード曲「Love song」から、すでにライヴでお馴染みとなっているラストの「We are The BONEZ」まで、息もつかせぬ勢いとエネルギーで駆け抜けていくアルバム『Yours』。KOKI（Gt）が正式加入し現体制となって初のアルバムとなり、コロナ禍というライヴ・バンドにとっての難局を乗り越えてきた怒濤の数年間の中で、The BONEZだからこそ鳴らせる意味、その音楽の核となるものを突き詰めた結果が、この突き抜けるような爽快でキャッチーなパンク・ロックだったのが痛快だ。日々の悲喜こもごもやそれぞれのキャラクターが滲むフレンドリーさがあり、また意志あるところに道が開けることを体感するようなアンセミックな高揚感がある。初期衝動とは違う、人生を重ねているからこその衝動を受け取れる。結成10周年に相応しい内容だ。
吉羽 さおり【ライター推薦】

GENRE：DEATHCORE, METALCORE
新章の幕開けを告げる、殺傷力満載な隙皆無の
DEVILOOFメジャー・デビューEP
新章の幕開けを告げる激音、ここに極まれり。今作をもってメジャー・デビューするDEVILOOFがどれだけ腹を括ったうえで新天地へと飛び込んだのかが、この作品の全編から伝わってくる。桂佑（Vo）が1年半の月日をかけ錬成したというだけあって、殺傷力満載な音と決意表明ともとれる歌が響く「Damn」。7弦フレットレスの生み出す濃密グルーヴと、80'sメタルの匂いが趣深い味わいを生み出している「The Blackened Sun」。音源を聴いているだけで、今後ライヴでの鉄板曲になっていくであろうことが予想される「Afterlife」。劇的なだけに聴き応えたっぷりなインスト曲「Terpsichore」。彼らの大きな武器のひとつである桂佑とギタリスト Rayのツイン・ヴォーカルが映える「False Self」。隙皆無の1枚！
杉江 由紀【ライター推薦】

GENRE：MIXTURE, POP, LOUDROCK
5周年を迎えた“東京ミクスチャーロック”掲げる零[Hz]
これまでとこれからを繋ぐベスト・アルバム
勝って兜の緒を締める的なこの手堅い姿勢は、零[Hz]ならではと言えるかもしれない。今年で5周年を迎え、2月には中野サンプラザ公演を成功させた彼らが、今ひとつの節目を飾るベストにこのタイトルを冠したのは、“6周年に向けて初心を忘れず前へ進んでいきたい”との想いからだったそう。時系列順に並んだ楽曲たちから零[Hz]の歴史と成長を存分に感じられるなか、1曲目「AXIZ」が再録されている点や、闇堕ちメンズ・アイドル メンタルエラーに提供した「心中メリーゴーランド」の禁断セルフカバー（初回限定盤のみ）が実現している点は、コアファンにとって堪らないに違いない。また、今作には書き下ろしの新曲「SINGULARITY」と「叶えたい夢と、守れない君と」も収録。“叶えたい夢”に向けた彼らの熱が伝わってくるベストだ。
杉江 由紀【ライター推薦】

GENRE：POP PUNK, PUNK ROCK
“パンクロックプリンセスにあたしはなる！”
新生Dizzy Sunfistが猪狩秀平（HEY-SMITH）との共作で見せる新境地！
あやぺた（Vo/Gt）が敬愛するAvril Lavigneの来日や、THE INTERRUPTERSとの共演も記憶に新しいなか放たれる新作のタイトルは、夢見る少女のときめきを彷彿させる“PUNK ROCK PRINCESS”。メイ子（Ba/Cho）加入後初のミニ・アルバムとなり、なんと猪狩秀平（HEY-SMITH）がプロデュース！“パンク・ロック・プリンセス”への憧れが詰まった表題曲や、初の日本語曲となるミドル・ナンバー「そばにいてよ」、サビのコーラスが光るアグレッシヴな快作「Carry On」は猪狩との共作で、新生Dizzyに相応しい新境地を見せている。Dizzyサウンドとアニソン王道ロックが見事に融合したTVアニメ“マイホームヒーロー”EDテーマ「Decided」では、“一児の母”あやぺたが綴る歌詞にも注目だ。
中尾 佳奈【ライター推薦】

GENRE：LOUDROCK, MIXTURE, POP ROCK
音源としての完成度を追及して制作された
BugLugの現在地を示す“アイコン”
BugLugが約4年ぶりにリリースするアルバムは、バンドの新たな1歩を象徴するシングル「ひとりごと。」、「OZ」に加え、ファンキーでどこかノスタルジックなリズムとメロディがクセになる「F.E.V.E.R」、シンセサイザーのポップな音色が前面に押し出された「♪えいりあん♪」、メタルコアのフレーバーも感じさせる「GUM」、バンド・アンサンブルの中に組み込まれたラップ・パートも印象的な「「アーティストのフリ」」など、バラエティに富んだサウンドに一聖（Vo）らしい毒がよく効いたリリックが乗った、BugLugの現在地を示す“アイコン”となる1枚に仕上がった。音源としての完成度を追及して制作されたという楽曲たちが、今後のライヴでどのように進化を遂げていくのか楽しみにしたい。
内堀 文佳【ライター推薦】

GENRE：METAL
“ガールズ・スチーム・メタル楽団”の本領発揮する新曲＋再録曲収録シングル
アルバム3枚にわたる壮大な物語を締めくくった前作から半年で、早くも新曲＋再録曲を収録したシングルが到着。再録されたのは、2015年に発表した1stフル・アルバム『A Light in the Black』に収録されていた「Romancer」と「Deathless Memories」。ゲスト・ヴォーカリストにKOKOMI（MISLIAR／ex-Asriel）を迎え、より力強く音を轟かせている。新曲は「Adventure in the East (feat.NANA)」。果てしなく広がる空を突き進んでいく飛空艇を想起させるところは、“ガールズ・スチーム・メタル楽団”の本領発揮といったところ。また、異国情緒漂う鍵盤の音色は、今夏開催するワールド・ツアーでも強烈なインパクトを与えそうな予感をひしひしと感じさせる。
山口 哲生【ライター推薦】

GENRE：POP
キャッチーなメロディとパワフルなヴォーカルで聴かせる
新体制EMPATHYの1st EP
2022年12月になぎ、望月しの、白ごまこまつ菜の既存3名に新メンバー 求春ハル、キャン・リサ、さらに兼任で大神のん（AIBECK）、澪・モンスター（LEIWAN）が電撃加入し、新体制としての活動をスタートさせたEMPATHY。グループ名をもじったシャレの効いたタイトルを冠した1st EPは、そんな彼女たちの今の勢いを存分に感じることができる作品に。新体制初となったデジタル・シングル「USO」をはじめ、ノリのいいビートにラップで切り込む「Ring a Ding Dong」、盛り上がり必至のシンセ・チューン「PSYCHO JUMP」など全6曲を収録。キャッチーなメロディとパワフルなヴォーカルで聴かせる名刺代わりの1枚となっている。
山田 いつき【ライター推薦】