フレーミング・リップス 2002年名作『Yoshimi Battles The Pink Robots』発売20周年記念 CD６枚組スーパーデラックスエディション ― シングルＢ面曲、デモ、リミックス、ラジオセッション、ライヴ音源などレアリティをたっぷりと収録

フレーミング・リップス 2002年アルバム『Yoshimi Battles The Pink Robots』発売20周年記念 CD６枚組スーパーデラックスエディション

シュールでアートな音世界で独自のサイケデリックな摩訶不思議ワールドを極め続ける、現代のカルトアイコン、ザ・フレーミング・リップス。鬼才ウェイン・コイン率いる彼らが2002年に発表した通算10作目となるスタジオアルバムにして、そのエレクトロでサイケデリックなインディロックサウンドが非常に高い評価を受け、彼らをメインストリームのバンドへと押し上げた名作『Yoshimi Battles The Pink Robots』が、発売20周年を記念した CD６枚組スーパーデラックスエディションで登場する。

2002年７月に発売されたオリジナル盤『Yoshimi Battles The Pink Robots』は、フレーミング・リップスのワイルドな25年の旅路において商業的に最も成功した作品となり、全米レコード協会認定のゴールドレコードをもたらした。1999年の傑作『The Soft Bulletin』に続く作品として、シンガー/ギタリストのウェイン・コインと、マルチプレイヤーのスティーヴン・ドローズは、期待を裏切ることなくさらなる傑作を生み出したのである。

『Yoshimi Battles The Pink Robots』は、フレーミング・リップスのアンビエントなエレクトロサウンドとデジタルビート、サイケな輝きが摩訶不思議に渦巻いた、遊び心溢れつつも深遠なテーマ性を持った楽曲たちを配役した、SFをテーマにしたコンセプトアルバムのような作品だ。本作からは、バンドの代表曲である「Do You Realize??」が生まれ、アルバムを締めくくるコズミックなインスト楽曲「Approaching Pavonis Mons by Balloon (Utopia Planitia)」は、リップスに初のグラミー賞をもたらした。

この20周年記念デラックスエディションは、シングルＢ面曲やデモ音源、リミックス音源、ラジオセッション、当時のライヴ音源など、50曲以上もの未発表音源や多数のレア音源を CD６枚に収録したボックス仕様で、当時のバンドのクリエイティヴィティを360度全方位から捉えた作品だ。

今回初めて公式音源としてリリースされる未発表デモ音源からは、貴重なバンドのクリエイティヴな進化がうかがえる。ボックスセットには、「Assassination of the Sun」のようなリップスの大ファンがお気に入りに挙げる楽曲から、「Thank You Jack White (For the Fiber-Optic Jesus You Gave Me)」のような、楽しくもフォーク色の強いセレナーデまで、Ｂ面収録曲やアウトテイクが多数収録されている。

Do You Realize?? [Official Music Video]

さらに、ピンク・フロイドの「Lucifer Sam」や「Breathe」、レディオヘッドの「Knives Out」、カイリー・ミノーグの「Can't Get You Out of My Head」といった楽曲を特異なスタイルで再構築した秘宝とも呼べるラジオセッションの数々や、結婚式や葬儀での演奏用にファンから要望のあった「Do You Realize??」のドラマチックなインストヴァージョンも収録となる。

特筆すべきは、２枚のライヴアルバムだ。この２枚のディスクは、フレーミング・リップスが常に成長を止めずに、彼らたる所以の特徴的根幹を成すとも言える、重要な２つの側面を示したものだ。１つは、愛に溢れた、私的な雰囲気を携え、聴衆を魅了してやまないストーリーテラー (ラジオのキャンペーン優勝者からなる小規模な観客にむけて2002年ボストンで行なわれた、おふざけ満載のプライベートショウ音源)。そしてもう１つは、大規模で紙吹雪が吹き荒れる壮観なステージの制覇者 (2003年にロンドンのザ・フォーラムで開催された、圧倒的なパフォーマンス音源) だ。

今回の『Yoshimi Battles The Pink Robots』20周年記念デラックスエディションは、常にクリエイティヴィティを模索するバンドが最大限のパワーを発揮した状態を捉えた、必要不可欠な作品なのである。









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