注目のマイナー・ピアノトリオ 【2014年12月26日掲載分】
Friday, December 26th 2014
毎週各国より続々と投入されるピアノトリオ作品をまとめてご紹介。名手による堂々の新録から、小粒でもぴりりと辛い隠れ人気盤、レア本、ディスクガイド掲載の限定再プレス/再流通盤までよりどりみどり!
Hank Jones 『The Essence』(限定再入荷) 
一部マニアの中では超が付くほどのコレクション・アイテムとして崇め奉られている、MOONKS本掲載でもよく知られるS級レア盤。ハンク・ジョーンズが、レイ・ドラモンド(b)、ビリー・ヒギンス(ds)とのトリオにて1991年に吹き込んだ『The Essence』が限定最終入荷!ハンクの個性的かつ美しいハーモニーとソロ、優しく時に力強いタッチにいつまでも心酔。
Hank Jones (p)
Ray Drummond (b)
Billy Higgins (ds)
1991年作品
David Hazeltine 『After Hours Vol.3』』 (限定再プレス) 
シダー・ウォルトンに捧げた最新トリオ録『I Remember Cedar』も好評のN.Y.名ピアニスト、デヴィッド・ヘイゼルタイン。こちらは、寺島靖国・著『JAZZ ピアノトリオ名盤500』にて、ケニー・ホルストのドラミングと共に称賛された1998年録音のトリオ名盤。長らく廃盤となっていましたが嬉しい再プレス。もちろん限定です!
David Hazeltine (p)
Billy Peterson (b)
Kenny Horst (ds)
1998年作品
Paul Grabowsky 『6 X 3』 (限定再プレス) 
オーストラリアの重鎮ピアニスト、ポール・グラボウスキー率いるトリオの1989年デビュー作品が限定復刻。内容の素晴らしさもさることながら、中古市場でも5ケタ台を付ける超レア盤。豪州最高のジャズメン三位一体の見事なパフォーマンスによって描き出された、「同国において最も重要なジャズ・アルバムのひとつ」と称えられている一枚です。
Paul Grabowsky (p)
Gary Costello (b)
Allan Browne (ds)
Philippe Carment 『Bill Please』 (限定再プレス) 
仏ピアニスト、フィリップ・カーメントが1990年に吹き込んだ自主制作による激レア・ピアノトリオ作品『The Bill Please』がついに限定再プレス決定! メロディアスなフレージング、心地良いグルーヴ、どこをとっても申し分のない内容。廃盤市場では今も高値で取引されているマニア垂涎、幻の逸品です!
Philippe Carment (p)
Lionel Guillemin (b)
Jean-Benoit Culot (ds)
1990年作品
Rudolf Rokl 『For The Good Times』 (限定再プレス) 
ルドルフ・ロクルをリーダーとした1997年チェコ産ピアノトリオ作品が限定復刻。オリジナルに、エリントン、ガレスピー、オスカー・ピーターソン、エロール・ガーナーらの名曲を交えながら溌剌と小気味よくスウィングする、マイナー・ピアノトリオ・ファンにはたまらない内容。
Rudolf Rokl (p)
Frantisek Raba (b)
Jan Zizka (ds)
1997年作品
Billy Kirsch 『Southern Fried』(限定再プレス) 
寺島靖国・著『JAZZ ピアノ・トリオ名盤500』掲載盤。ナッシュビルでカントリー系のソングライターとして活躍するビリー・カーシュが、ナッシュビル移住前の1995年に吹き込んだピアノトリオの隠れ名盤。歌心を伴ったピアノ、ツボを押さえたベース&ドラムとのインタープレイなど、聴きどころ満載の一枚が限定再プレス。
Billy Kirsch (p)
Lou Harlass (b)
Dale Armstrong (ds)
1995年作品
Leslie Maclean 『Lucky Day』 (限定再入荷) 
寺島靖国・著「JAZZピアノ・トリオ名盤500」にて紹介され、日本の多くのジャズ・ファンから支持を集めた『That's Time Enough』でおなじみの米カンザスの女流ピアニスト、レスリー・マクリーン。自己トリオを率いて吹き込んだ1stアルバムがデッドストック最終入荷。オリジナルを含む全8曲を収録した貫禄のビバップ〜スタンダード路線。
Leslie Maclean (p,vo)
Jerry Pollock (ds,per)
Doug Yarwood (b)
2003年作品
Kuba Stankiewicz 『Music Of Victor Young』 
ポーランドのベテラン・ピアニスト、クバ・スタンキェヴィッチが、同地出身で現在ロス在住のダレク・オレス(b)、さらには盟友ピーター・アースキン(ds)と共にヴィクター・ヤングの名曲に新たな息吹をもたらしたトリオ最新作。本作も彼の地のジャズらしい、キャッチーで浮遊感溢れる旋律満載!
Kuba Stankiewicz (p)
Darek Oleszkiewicz (b)
Peter Erskine (ds)
Nick Sanders 『You Are A Creature』 
ニューオリンズ生まれ、ジェイソン・モラン、フレッド・ハーシュに師事し、デビュー作『Nameless Neighbors』が注目を集めたピアニスト、ニック・サンダースのSunnyside録音トリオ第2弾。師匠ハーシュ譲りのハーモニー感覚、メロディライン、リズムセンス。コンポジションのユニークさも含めてこれからますます目が離せない存在となることでしょう。
Nick Sanders (p)
Henry Fraser (b)
Connor Baker (ds)
Yaniv Taubenhouse 『Here From There』 
活況呈するイスラエルのジャズ・シーンからまたしても若手実力派ピアニストが世界へ羽ばたく! ブラッド・メルドーから指導を受けたこともあるというヤニヴ・タウベンハウスは、2013年からニューヨークを拠点に活躍する超有望株。クラシック、ポストロックなどの要素をふんだんに取り入れたトリオ・サウンドは、まさしく新味たっぷり。有名スタンダード「Tenderly」の斬新な解釈も◎!
Yaniv Taubenhouse (p)
Garrett Jones (b)
Darren Novotny (ds)
Christopher Lucas Wilson 『Feelin' Better』 
デトロイト育ちで現在LAを拠点に活動する若手ピアニスト、クリストファー・ルカス・ウィルソン。ダウンロード販売のみの最新トリオ作品が嬉しいCD化。スウィング感溢れる躍るようなメロディを奏でるピアノが前面に押し出された、まさに王道盤とも言える内容。折り目正しきスウィング〜バップピアノの溌剌とした演奏をお探しの方に是非!
Christopher L Wilson (p)
Blake White (b)
Harry McKenzie (ds)
Annie Booth 『Wanderlust』 
コロラド州デンヴァーを拠点に活動する才媛ピアニスト、アニー・ブースのトリオ録音(一部テナー・サックス参加)によるデビュー盤が登場。滑らかなタッチと瑞々しい感性で弾き切る、歌心も満載のピアノトリオ・ファンには実に嬉しい一枚。オススメです!
Annie Booth (p)
Matt Smiley (b)
Alejandro Castano (ds)
guest:
Josh Quinlan (ts)
Dana Landry 『Memphis Skyline』 
米コロラドで活躍しているダナ・ランドリーのピアノトリオ作品。緩急自在な歌心あるフレージングを駆使してオリジナルを中心にをプレイ。フィニアス・ニューボーン.Jrら『We Three』でおなじみのバップ・チューン『Sugar Ray』もグッド!良質なマイナーピアノトリオとしてオススメの一枚です。
Dana Landry (p)
Erik Applegate (b)
Jim White (ds)
Mike Janzen 『Try To Remember』 
カナダ・トロントをベースに活動を続ける中堅ピアニスト、マイク・ジャンセンの最新トリオ作品。ジョージ・コラー(b)、ベン・ライリー(ds)という息の合ったリズム・セクションとの丁々発止のやり取りは胸すく気持ちよさ。ファンキーでポップなオリジナル・コンポジションを含めフレッシュな演奏に心掴まれる好盤です!
Mike Janzen (p)
George Koller (b)
Ben Riley (ds)
Vito Liturri 『After The Storm』 
イタリアのピアニスト、ヴィト・リトゥッリによるピアノトリオ作品。その手の王道的なエッセンスを十分に孕みながらも、まったく飽きるさせることのないフレッシュでキビキビとしたアクションをも感じさせる高感度溢れる一枚。クラシックからの影響も窺わせるコンポジション・センスもすこぶる高い。
Vito Liturri (p,el-p)
Marco Boccia (b)
Lello Patuno (ds)
Walter Wolff 『Tomorrow』 
フィンランド出身で現在オランダを拠点に活動する若手ピアニスト、ウォルター・ウォルフのトリオ録音による第2作。静と動のコントラストを見事に描き、緊張感と叙情的なムードを兼ね備えたヨーロピアン・コンテンポラリーのお手本のような一枚。
Walter Wolff (p)
Francesco Angiuli (b)
Andreas Fryland (ds)
Moonbeams Trio 『Looking For The Way』(限定入荷) 
ビル・エヴァンスの名盤『Moon Beams』を意識したと思しきそのトリオ名。期待を裏切ることなくエヴァンス風の流麗なピアニズムに溢れた2007年のイタリア産ピアノトリオ。マイナー・ピアノトリオ・ファンは是が非でもコレクションにひっそりと加えたい、リリカルでメロディアスな逸品。数量限定で入荷します。
Frigyes pleszkan (p)
Viktor hars (b)
Janos Sramko (ds)
2007年作品
Evgeny Grechisev 『Why』(限定再プレス) 
ロシアの名手ピアニスト、エフゲニー・グレチシェフが2008年に吹き込んだマニア垂涎のピアノトリオ秘境盤。極めて洗練された現代ジャズピアノ奏法の見本のようなプレイと爽やかに香るリリシズム。紙ジャケ仕様にて限定再プレス!
Evgeny Grechischev (p)
S.Vasllyev (b)
A. Sabiryanov (ds)
2008年作品
John Toomey 『Refraction』(限定再プレス) 
ジャズ廃盤中古市場でも滅多に目にかかることができないお宝盤が限定復刻。ヴァージニアのジョン・トゥーミーによるピアノトリオ隠れ名品。10年来活動を共にするレギュラートリオならではの繊細でインタラクティヴな手法に長けたスタイル。魅力的なオリジナル曲と相俟ってリリシズムの発露となっています。
John Toomey (p)
Jimmy Masters (b)
Howard Curtis (ds)
2001年作品
John Law 『Monk N Junk』 (限定再入荷) 
ピアノトリオ・ファンには『The Art of Sound Vol.1』も人気の英国・俊英ピアニスト、ジョン・ロウ。クラシックの素養を随所に感じさせながら、リリシズム溢れる美しくもユニークなピアニズムを聴かせてくれる、当地ジャーナリズム曰く「英ジャズ界の隠れた宝」。2003年に吹き込まれた(発売は2006年)ピアノトリオ(一部サックス参加)をベースにしたモンク集が限定入荷となります。
John Law (p)
Alec Dankworth (b)
Dave Wickins (ds,perc)
Julian Siegel (ts on M2〜4,8,b-cl on M7)
2003年作品
Mike Melillo 『Recycle: Live』(限定再入荷) 
70年代にはフィル・ウッズのバンドのメンバーとして活躍したイタリアのピアニスト、マイク・メリロ率いるピアノトリオの1988年のトリオ・ライヴ・アルバムがPhilologyより限定入荷。単なるトリオ・アンサンブルにとどまらないイマジネーション豊かなプレイの連続。独持のセンスが随所に感じられる名盤。
Mike Melillo (p)
Massimo Moriconi (b)
Giampalolo Ascolese (ds)
1988年作品
Davide Santorsola 『To Bill Evans』(限定再入荷) 
フランコ・ダンドレアやエンリコ・ピエラヌンツィらに師事したイタリア中堅ピアニスト、ダヴィデ・サントルソラ。1998年Philologyに自己トリオを中心に吹き込んだビル・エヴァンス・トリビュート集が限定再入荷。淡い色彩が見える柔らかなハーモニーに何度でも酔える逸品。リー・コニッツが4曲でゲスト参加。
Davide Santorsola (p)
Maurizio Quintavalle (b)
Mimmo Campanale (ds)
guest:
Lee Konitz (as on M1,3,5,10)
1988年作品
Claudio Filippini 『Love Is Thing And The Blues Too』(限定再入荷) 
エンリコ・ピエラヌンツィも一目置くイタリア若手No.1ピアニスト、クラウディオ・フィリッピーニのレア・デビュー盤が限定再プレス。マッシモ・モリコーニ(b)、マッシモ・マンジ(ds)という両名手をバックにしたピアノトリオ編成で、透明感があり、どこかメランコリックな美的世界を鮮やかに描写。この機会に是非どうぞ!
Claudio Filippini (p)
Massimo Moriconi (b)
Massimo Manzi (ds)
2004年作品
Piero Frassi 『Everything We Love』 
エヴァンスのハーモニー、ハンコックのタッチを兼ね備え、90年代以降に登場したイタリアン・ピアニストの中ではステファノ・ボラーニと並ぶ名手と評価の高いピエロ・フラシ。トリオ(一部サックス入りのカルテット)録音を中心に、エヴァンス愛奏曲、バカラック、ジョビンらの名曲を情感豊かに演奏した2009年Philology盤が入荷します。
Piero Frassi (p,key)
Filippo Pedol (b)
Andrea Melani (ds)
Vittorio Alinari (ts)
2009年作品
Thierry Lang 『Serenity』
9月の来日公演も記憶に新しいスイス人ピアニスト、ティエリー・ラングの新生トリオによる最新作が登場。優雅かつどこか懐かしい、しかしながら新しい息吹を感じることができる一枚に。ここ最近はチェンバー・オーケストラ、クワイアなどとの活動が多かったラングだが、ようやく”最も純粋な形のジャズ・ピアニスト”としてのラングの真骨頂が味わえる。
Thierry Lang (p)
Heiri Kanzig (b)
Andi Pupato (ds)
