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注目のマイナー・ピアノトリオ 【3月11日掲載分】

Thursday, April 3rd 2014


注目のマイナー・ピアノトリオ

 毎週各国より続々と投入されるピアノトリオ作品をまとめてご紹介。名手による堂々の新録から、小粒でもぴりりと辛い隠れ人気盤、レア本、ディスクガイド掲載の限定再プレス/再流通盤までよりどりみどり!

* 自主制作盤や海外マイナー・レーベルからの流通盤も多く、入荷が不安定な場合がありますことを予めご了承ください。





Najponk 『Things To Come: Live At The Office Vol.2』 

快調に飛ばすナイポンク・トリオが、プラハにある馴染みのライヴハウスで昨年11月13日に行なった白熱のライヴを収めた第2弾! 第1弾とはメンバーを変え、オリジナル3曲も盛り込みながら、正真正銘の王道スイングが楽しめるファン待望の決定盤!!
紙ジャケット仕様。

Najponk (p)
Taras Voloschuk (b)
Marek Urbanek (ds)



Phronesis 『Life To Everything』 

ペンギン・ジャケのデビュー作『Organic Warfare』が「ジャズ批評ピアノトリオ特集Vol.4」に掲載され話題を呼び、今や現代英国ジャズ界を代表するとなったイェスパー・ホイビー率いるピアノトリオ、フロネシス。通算5枚目となるアルバムは初となるライヴ作品。パワフルでリズミカル、シャープでありながらダイナミックなグルーヴは、ますます迫力を増し、研ぎ澄まされている。未来につながる新鮮な音作りがなされた現代ピアノトリオの髄といったサウンドが見事に展開された一枚。

Jasper Hoiby (b)
Ivo Neame (p)
Anton Eger (ds)


Helge Lien 『Badgers And Other Beings』 

2008年の『Hello Troll』がノルウェー最高峰の音楽の祭典「Spellemannprisen」を受賞、2011年の『Natsukashii』でも同賞にノミネート、昨年の日本ツアーでも成功を収めたノルウェイの至宝ヘルゲ・リエンによる最新作。ドラムがペール・オッドヴァール・ヨハンセンに代わって初のレコーディング音源となる本作。全曲ヘルゲ・リエンのオリジナルではあるが、トリオの前2作のコンポジションを重視したアルバムとは趣が異なり、アンサンブルの中でメロディが浮き上がってくるような美しく、儚げな旋律と随所に垣間見えるスリリングな演奏やアレンジが素晴らしい北欧の王道ピアノトリオ作品。

Helge Lien (p)
Frode Berg (b)
Per Oddvar Johansen (ds)


Eyal Lovett 『Let Go』 

イスラエル出身、現在ベルリンを拠点に活動をしているピアニスト、イヤル・ラヴェットの2013年リリースのデビュー作。穏やかで柔らかい春の日差しを思わせるような美メロ・ナンバー「Let Go」をはじめ、スロー、ミディアム、アップテンポ・・・すべてのテンポでの曲作りにおいて上手さを感じさせます。自身のオリジナルを中心にコール・ポーターの「帰ってくれたら嬉しいわ」などを収録。曲によってギターやサックスを加えて楽曲に彩りを添え、アレンジャー/コンポーザーとしての資質の高さを感じさせる好盤。

Eyal Lovett (p)
Kenneth Dahl Knudsen (b)
Aidan Lowe (ds)
Malte Schiller (sax on M9)
Ramiro Olaciregui (g on M6)


Nahorny Trio 『Hope』 

「牛ジャケ」の愛称で親しまれてきたピアノトリオの傑作『Dolce Far Niente ...i Nlc Wiecej』からおよそ10年ぶりとなる、ポーランドのベテラン・ピアニスト、ウォジミエシュ・ナホルニーによる最新ピアノトリオ録音盤が登場。

Wlodzimierz Nahorny (p)
Mariusz Bogdanowicz (b)
Piotr Biskupski (ds)



John A Lewis 『One Trip Out』 

黒人らしい硬質のピアノと絶妙のスイング感が魅力のジョン・A・ルイス、ピアノトリオによる新録が登場。このメンバーでトリオを結成して4年が経つ、レギュラートリオならではのダイナミクスとグルーヴ感溢れる乗りのいい演奏が詰め込まれた一枚。

John A. Lewis (p)
Lincoln Apeland (b)
Merik Gillett (ds)



3 (Drei) 『Karaguna』 

「ジャズ批評133号 ピアノ・トリオ最前線3」にも掲載されていた作品。ドイツの実力派ミュージシャン3人によって結成されたピアノトリオで、グループ名は単に3 (drei)と命名。ジャズをベースに、何世紀にもわたるヨーロッパのトラディショナルな音楽文化や、ロックやファンクなど他ジャンルの音楽的要素も取り入れ、大胆で刺激的な音楽性が分かりやすい形で表出されたオリジナリティ溢れたピアノトリオ作品となっています。

Christian Henze (p)
Jan Kazda (b)
Diethard Stein (ds)


Gregg Bendian 『Change』 

ニュージャージー州出身のドラマーがリーダーのピアノトリオ盤。プログレシッヴ・ロック界やジャズロック、フュージョン界を歩いてきたキャリアも伴って、包括する分野は縦横無尽。60年代末のチック・コリアや70年代のリッチー・バイラークのトリオを彷彿させるような硬質でありながら、流麗で、全体としてスリリングな聴き応えあるピアノトリオ作品となっております。ピアノには名手スティーヴ・ハントを迎えただけあって抒情性溢れるピアニズムも魅力。ベースのジョン・ロックウッドと繰り出す丁寧なリズムワークの中、ECM 的なコンテンポラリーさとハートフルな美しさを際立たせた作品に仕立てられています。2005年作品。

Gregg Bendian (ds,per)
Steve Hunt (p)
John Lockwood (b)


Jeremy Manasia 『Pixel Queen』 

CELLAR LIVEやPOSITONEからリリースされたピアノトリオ作も大好評だったジェレミー・マナシアの新録ピアノトリオ作。
伝統的スタイルに現代的なスピード感も兼ね備え、ピチピチと跳ね回る鮮度抜群のピアノタッチは今作でも絶好調。イスラエル出身のバラク・モリのベースも最高。豊かな音色と推進力、気持ちの良いフレージングは、イスラエル第三世代の中でも筆頭ではないでしょうか。この不思議なジャケットも、名盤を予感させる何とも言えない味わいがあります。

Jeremy Manasia (p)
Barak Mori (b)
Charles Ruggiero (ds)


Daniel Szabo 『Song From There』 

ハンガリー出身で、クリス・ポッターやカート・ローゼンウィンケルとの競演盤が高く評価されたダニエル・サボーのダークな魅力が完成の域に達した傑作。ピーター・アースキンにエドウィン・リヴィングストンという最高のメンバーを得て、満を持して録音された全曲オリジナルによる待望の最新ピアノトリオ盤。

Daniel Szabo (p)
Peter Erskine (ds)
Edwin Livingston (b)


Jan Jarczyk 『Full Circle』 

ポーランド・クラクフ出身のピアニスト、ヤン・ヤルチックの2012年3月録音のピアノトリオ盤。ダイナミックでありながらもしなやかなフレージングと、東欧ピアノらしい揺らぎから立ち昇る優雅な響きが魅力のピアノトリオ盤の初入荷! 前回はストリングスをバックにした演奏でしたが、今回はピアノトリオ・オンリーで真っ向から勝負した意欲作。

Jan Jarczyk (p)
Fraser Hollins (b)
Jim Doxas (ds)


Falk Bonitz 『Marzsonne』 

ドイツ・ベルリンを中心に活動中のファルク・ボニッツ・トリオの1stアルバム。クラシック音楽や古典文学を背景に、ドイツ、日本、イスラエルと出身国の違う三人の独自のフィルターを通したイマジネーションが混ざり合い、現代的なコンテクストへと昇華。ブラームスやドビュッシーの影響に加え、チック・コリアやミシェル・カミロといったラテン・ジャズの要素も含んだコンテンポラリーなサウンドが特長。叙情的なバラードからラテンのグルーヴに現代的なアレンジを加えた楽曲、パフォーマンスはドイツ国内のみならず、ヨーロッパの音楽シーンを魅了している。

Falk Bonitz (p)
細谷紀彰 (b,el-b)
Yatziv Caspi (ds)


Shahin Novrasli 『Bayati』 

BEE JAZZから久々のピアノトリオ新作の登場。アゼルバイジャン出身のシャヒン・ノヴラスリは、幼少の頃からバッハ、ベートーベン、モーツァルト、ショパンやラフマニノフなどクラシックに触れ、数多くのピアノコンサートで優勝した神童的存在。2000年以降本格的にジャズを志した彼は、メキメキと頭角を現し、2007年のモントルージャズフェスティバルでのパフォーマンスは特に大絶賛を浴びる。そんな彼が、ピアノトリオで取り組んだの初となる作品が本作。ドラムにはアリ・ホーニッグが参加。流麗で淀みないフレージング、完璧なリズム感、ヨーロッパならではのロマンティシズム、天性のダイナミズム、そして何より閃き、感性といったものがずば抜けている、まさに天才肌のピアニストのワールドデビュー盤と言えるでしょう。

Shahin Novrasli (p)
Nathan Peck (b)
Ari Hoenig (ds)


Artur Dutkiewicz 『Prana』 

ポーランドのベテラン・ピアニスト、アルトゥール・ドゥトキエヴィッチが、自身の内面を深めるようなテーマで、マズルカなど自国のルーツ音楽を素材にしながら、新たな気持ちでピアノトリオ作品にアプローチしたファン待望の快作。ヨーロッパらしいリリシズム、ポーランド的な憂いを含みつつ、クリエイティヴな着想から生まれた新録です。

Artur Dutkiewicz (p)
Michal Baraaski (b)
Lukasz Zyta (ds)



Le Tricycle 『Le Tricycle』 

フランス産の硬派なピアノトリオ作品。アヴァンギャルド要素やコンテンポラリーな雰囲気を交えながら、合間合間にメロディックでリリカルな極上の瞬間が到来するところは、欧州ジャズファンが固唾を呑むこと必至。硬質なピアノに重厚なベース、舞い上がるドラミングがぶつかり合うエネルギーは手に汗握るものがあり、コントラストに富んだ内容に。プログレ・ギタリスト、ジャン・パスカル・ボフォが録音エンジニアを担当。

Jean-Rene Mourot (p,key)
Adam Lanfrey (contrabass,b-g)
Arthur Vonfelt (ds)
Michael Alizon (sax on M3,9)


Dominic J Marshall 『Spirit Speech』 

スコットランド出身、現在はオランダで活動する弱冠24歳の若手ピアニスト、ドミニク・J・マーシャルの3rdアルバム。ピアニストとしての資質とコンポーザーとしての資質を高い水準で兼ね備えた今後、大注目のアーティストです。ジャズをベースに、クラシック、ヒップホップ、ソウル。フォークミュージックなど様々な要素を取り入れたオリジナルナンバーは、オリジナリティに溢れている。1曲目は、急逝した若きピアニスト、オースティン・ペラルタを偲んだナンバー。

Dominic J. Marshall (p)
Tobias Nijboer (b)
Jamie Peet (ds)


Ozan Musluoglu 『My Best Friends Are Pianists』 

2011年のセカンド・アルバム『40th Day』(ジェレミー・ペルト、ダニー・グリセット参加)で高い評価を得たトルコのベーシスト、オザン・ムスルオウルの3作目のリーダー作。ドラマーのフェリト・オドゥマンに加え、12人のピアニストと繰り広げた全12曲のピアノトリオ。ユニークなのは全てが現代のトルコで活躍するピアニストとの競演だという点で、本作はオザンの豊かなベース・サウンドを満喫できるだけでなく、トルコの知られざる優秀なピアニストに巡り合えるガイド的作品としても推薦できる。極めてスタイリッシュで欧州的な響きの、現代トルコのハイレベルなピアノトリオ演奏集。

Ozan Musluoglu (b)
Ferit Odman (ds)
and 12 Pianists


Nataliya Lebedeva 『Tatransky Caj』 

ウクライナのピアノトリオ。ナターリャ・レヴェデヴァの最新作は、コンテンポラリー・ジャズ、ジャズ・フュージョン、クラシック音楽、ポップス、ロック、北欧ジャズミニマリズムまでの要素が詰まった一枚。過去作の『Medium Cool』、『Medium Cool Live』、『Paints』などと同傾向の内容で表現力、透明感のある音色と空気感、リズミカルなトラックや溢れんばかりの叙情的なメロディが堪能できます。東欧らしさが凝縮されたピアノトリオ作品です。

Nataliya Lebedeva (p)
Konstantin Ionenko (b)
Alex Fantaev (ds)


Oliver Maas 『Liegend』 

これまでにACT、JazzHausMusik、NRW Recordsなどに録音があるドイツ在住の実力派ピアニスト、オリバー・マスのリーダー名義としては初となるアルバム。2010年に現メンバーと出会い結成されたトリオによる作品で、オリバーのオリジナル作品を、彼ら共通の音楽的な価値観、魂から深い音楽性が導き出されたピアノトリオ作品となっています。

Oliver Maas (p)
David Andres (b)
Patrick Hengst(ds)



Trio Shalva 『Breeza』 

イスラエル産良質ピアノトリオ、トリオ・シャルヴァの2ndアルバム。海へと続く道のジャケットが印象的な1stアルバム『Riding Alone』が好評を博したアサフ・グレイツナー(p)、コビー・ヘイヨン(b)、ナダヴ・スニール・ゼルニンケル(ds)によるトリオ・シャルヴァ。昨今のイスラエル・ジャズ・シーンの潮流に漏れず イスラエル⇒ニューヨーク・シーンへと活動の拠点を移し、バンドとしての熟成が進んでいる。本作でも前作同様ジューイッシュ〜東洋的なサウンドをベースにした音創りで、イスラエルらしくも、よりブライトなサウンドを聴かせてくれている。

Assaf Gleizner (p,melodica)
Koby Hayon (b,acoustic-g,oud)
Nadav Snir-Zelniker (ds,per)


Calandra Trio 『Catch Up』 

硬質なタッチで滑らかに弾き切る、イタリアらしい歌心を詰め込んだピアノトリオの推薦盤。スタンダード中心だけにジャズ初心者にも親しみやすい内容。リズム陣が織り成す絶妙なスイング感も気持ちいい名演集。

Leonardo Caliguri (p)
Stefano Carrara (b)
Francesco Di Lenge (ds)



Dario Yassa Trio 『Tribe』 

40代となり円熟期を迎えたイタリアのピアニスト、ダリオ・ヤッサーの新作ピアノトリオ盤。ヤッサーを中心にメンバーによるオリジナル曲がずらりと並んでいますが、ピアノトリオ演奏に相応しい名曲揃い。時にメロディアスで情熱的に、時にブルージーに黒ささえ感じさせるリズムの応酬でワクワクさせながら、各曲を絶妙の温度感で表現した聴き応え十分なピアノトリオ推薦盤。

Dario Yassa (p)
Mattia Magatelli (b)
Riccardo Tosi (ds)


Gregor Loepfe 『Dinner With Janus』

スイス・チューリッヒ出身、71年生まれということでスイスのジャズ・シーンでは中堅のピアニスト、グレーゴル・ロップフェによるピアノトリオ・アルバム。アコースティックらしい、旋律を生かしたメロディアスなピアノにストレートなベース、リズミカルなドラムはもはや王道欧州産ピアノトリオ。UNIT RECORDSのピアノトリオらしい一枚です。 

Gregor Loepfe (p)
Richard Pechota (b)
Tobias Hunziker (ds)



Rick Roe 『Swing Theory』

『Monk's Modern Music』、『The Chageover』、『The Late Late Show』などこれまでリリースしてきた作品が数多くのジャズ本で紹介され、今では最も有名なマイナー・ピアニスト(?)と言えるのがこのリック・ロウではないでしょうか。2008年の『Minor Shuffle』以来5年ぶりとなる新作は、正真正銘のトリオ・アルバム。ロバート・ハーストのベース、カリーム・リギンスのドラムスという凄いリズム陣との編成。パワフルな重量級リズムをバックにエレガントにスウィング。独特の美意識を感じさせるロウのピアノプレイも健在。

Rick Roe (p)
Robert Hurst (b)
Karriem Riggins (ds)


Jon Davis 『Live At The Bird's Eye』

レニー・トリスターノやジャッキー・バイアードに師事。ジャコ・パストリアスやブライアン・ブレイドとの共演歴を誇るピア二スト、ジョン・デイヴィス。本作は、2013年12月にバーゼルの有名ジャズ・クラブ「バーズ・アイ」で録音されたもの。イズラ・エッキンガー、TCBレーベルのオーナーであるピーター・シュミドリンと息の合ったピアノトリオ演奏を繰り広げています。曲目もハービー・ハンコックのM-1、アントニオ・カルロス・ジョビンのM-4など、ミュージシャン好みの名曲が中心。ジョンにとっての最高傑作が”遂に”生まれたと言ってもいいでしょう。

Jon Davis (p)
Isla Eckinger (b)
Peter Schmidlin (ds)


Marc Perrenoud 『Vestry Lamento』

81年ジュネーブ生まれのマーク・ペレナード率いるトリオの3作目。テクニックも抜群、トリオ・コンビネーションもバッチリで、スイスほか、フランス、ドイツのジャズフェスにも数多く出演。8ビート、16ビート、変拍子中心で4ビートもアップテンポで、作風はコンテンポラリー。弾むようなリズムをバックにしてモード・フレーズを織り込んだハリのあるフレージングは、力強くも心地良い勢いを感じます。特に高速フレーズをめくるめく展開で弾き切るM-6は圧巻!

Marc Perrenoud (p)
Marco Muller (b)
Cyril Regamey (ds)


Franck Vaillant 『This Is A Trio』

フランスのコンテンポラリー・ジャズ・シーンに於いて大活躍中のドラマー、フランク・バイヤンが、元プリズムのピアニスト、ピエール・ド・ベスマンと、フランスが誇る偉大なるベーシスト、ブルーノ・シュビヨンと組んだスーパーヘヴィ級ピアノトリオ。三者三様に個性の濃いミュージシャンですが、混沌と喧騒に満ちた流れの中で、選び抜かれ、磨き抜かれた一音一音が実に気持ちの良い質感を醸し出します。

Franck Vaillant (ds)
Pierre De Bethmann (p,fender rhodes)
Bruno Chevillon (b)


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