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ミンゲットQ/リーム:弦楽四重奏曲

Saturday, April 6th 2013


リーム:弦楽四重奏曲集
トーマス・カクシュカの思い出に捧げられた悲痛な『グラーヴェ』
大曲、弦楽四重奏曲第11番!
ミンゲット・カルテット


リームは弦楽四重奏曲を現在までに12番まで書いていますが(2番は欠番)、同じようなスタイルで書かれているものはありません。リーム自身、弦楽四重奏は、楽器の組み合わせ方の一種で、チェロの低音域からヴァイオリンの高音域にまでわたる広い音域が、多様な対話のありかたを可能にするもの、というふうに考えており、古典派・ロマン派の伝統とは意図的に距離を置いています。
 弦楽四重奏曲第11番は、1998年に着手され2010年に完成。抑制と爆発、簡易な部分とヴィルトゥオーゾ的な部分と、対照的な動きを繰り返しながらピークに達します。4楽章から成り、演奏に約35分かかる大曲です。
 『インタースクリプトゥム』は、副題に『弦楽四重奏とピアノのためのデュオ』とあり、弦楽四重奏が一つの楽器として扱われ、弦楽四重奏とピアノによる二重奏、というかたちで書かれています。
 『グラーヴェ』は、アルバン・ベルク四重奏団のヴィオラ奏者だったトーマス・カクシュカ[1940〜2005]の思い出に捧げられた作品。アルバン・ベルク四重奏団は、リームの作品の初演を多く手掛けており、リームは、弦楽四重奏曲第4番を彼らに捧げています。『グラーヴェ』の冒頭は、イ短調、イ長調、変ホ短調の3つの調をさまよいます。続いてメロディックな部分があらわれ、時折聴かれる2度下降の音型は、ため息を表します。最後は浄化と救済で終わりますが、悲痛な気分が残る作品です。

 ミンゲット・カルテットは、芸術は大衆に愛されるものであるべき、と唱えた18世紀スペインの哲学者パブロ・ミンゲットの名を冠したカルテット。リームの弦楽四重奏作品の全曲録音プロジェクトを手掛けるほか、ルジツカの弦楽四重奏曲全集録音やイェルク・ヴィトマンの弦楽四重奏の全曲演奏プロジェクトなどを手掛ける一方、サラステやゲルハーヘルらとも多く共演を重ねている、多ジャンルにわたり活躍している団体です。(キングインターナショナル)

【収録情報】
ヴォルフガング・リーム(1952- )
・弦楽四重奏曲第11番(1998/2010)
 ミンゲット・カルテット

 録音時期:2011年12月11-12日
 録音方式:ステレオ(デジタル)

・インタースクリプトゥム(弦楽四重奏とピアノのためのデュオ)(2000/02)
・グラーヴェ(トーマス・カクシュカの思い出に)(2005)

 マルクス・ベルハイム(ピアノ)
 ミンゲット・カルテット

 録音時期:2012年1月16-19日
 録音方式:ステレオ(デジタル)

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Release Date:13/June/2013
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