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【HMVインタビュー】 KOJOE 『51st State』

Wednesday, March 6th 2013

『51st State』...米国の影響力が過剰であること喩えた皮肉として使わるこの言葉をタイトルに、そしてテーマに据えたKOJOEのニューアルバムは紛れも無く問題を提起する作品だ。未だに「まさか、そんなわけない」が蔓延る世の中と、激しい変化と崩れゆく「あたりまえ」に気付き始めた世の中。相反する世の中が交錯する、今の日本という国に、これ以上ないタイミングでドロップされる強大なパンチ力をもった1枚。そんな『51st State』を完成させたKOJOEにメールでインタビューを敢行。きっと、このアルバムを、もっと深く読み解く一助になるはずだ。
インタビュー・文:松井 剛

--- HMV ONLINE初登場になりますので、簡単に自己紹介からお願いします。

新潟十日町に生まれて群馬に転校し、転々とした後96年にアメリカに渡り気付いたらラップにはまっていました。

--- ラップを志したきっかけ、タイミングはいつですか?

志なんて立派なもんはなかったかな、ただ単にHIPHOPがイル過ぎたのとNYの空気にやられて、いてもたっても居れなくなっちゃって。でも実際ラップを始めたタイミングは98年バイトしに日本に帰って来た時地元のラッパーに出会ったのがきっかけです。

--- アメリカに渡ったきっかけ、動機は何だったのでしょう?

物心ついたころからどうしても行きたくて。HIPHOPは元々全く関係ないんだけどね。

--- 初めてHIP HOPと出会ったのはいつ頃、どんな状況、どんなアーティストでしたか?

ヒップホップに出会ったのは小6の時で東京に住んでいたDJの家に泊まった時に初めてターンテーブルの上で回るバイナルを見て、「何だこれ?」って。確かNWAとかがかかってたんじゃないかな。そん時はレコードを擦るって意味が良く分からなかったね。(笑)まだこの時小6だった俺はアーティストじゃなかったです。

--- いつ頃からKOJOEというアーティスト名を名乗っているのでしょう?またその名前に込めた意味があれば教えて下さい?

1996年当時アメリカに渡った時に向こうの奴等が俺の本名の「浩一郎」をうまく発音出来なくて「KOJOE」ってゆうニックネームになりました。最初はその下りがあんま納得いかんかったけど、ある日アフリカ人の奴が「KOJOEって名前の意味知ってるか?」って聞いて来て。「アフリカのアシャンティー民族で月曜日に生まれた男の子につける一つの名前だけど、お前は月曜日に生まれたのか?その名前を使う資格はあるのか?」って聞かれて。自分の生まれた日を調べたら月曜日だったもんで、それ以来「KOJOE」が気に入っちゃって使ってます。

--- 自分に影響を与えた音楽作品を3点あげ、その理由も説明していただけますか?

 NAS 『Lost Tape』  NAS  『Lost Tape』
まだウォークマンを使ってる時にNYにあった潰れそうな店で見つけてテープが伸びるまで聞きました。Queensに住んでたのでそこ出身のNASはやっぱヒーロー的な存在だったし元々凄い好きだったんで良く聞きました。特に”Drunk by Myself”にはかなりやられましたね。
 Donny Hathaway 『Live』  Donny Hathaway  『Live』
俺が歌を歌い始めるきっかけをくれました。命の恩人と言っても過言じゃない1枚。
 Musiq Soulchild 『Juslisen』  Musiq Soulchild  『Juslisen』
奏でるメロディーやリフとかアドリブに歌詞じゃあ表せないストーリーがあって最高に好きです。他のR&Bやソウル歌手より断然センスがいい。あと歌詞が半端ない。
--- 日本とアメリカで育ち、そこから見えてきた疑問と苦悩が創作の源になっていると思いますが、リリックはどのような事を契機に生まれる事が多いのでしょうか?

人生経験です。それから生まれる苦しみ、憎しみ、喜び、悲しみ、怒り、悔しさ、愛情、が自分の中で爆発して暴れたくなる前の予防として歌詞を書きます。もちろん締め切りに合わせる為に絞り出す事もありますが、基本溢れ出てくるイメージの方が多いかな。トピックによっては1曲じゃあ収まらない事があるので3曲分とか書いてからどのバースが一番適しているかクルーと選んだりもします。

--- KOJOEさんから見て日本の良いところ、悪いところはどのようなところでしょうか?

この質問の答えは一言で収まるもんじゃないけど、日本の音楽のシーン全般を見た時に言える良いところは歌が死ぬ程へたくそで世界の何処を見ても通用しない様な歌手でも成功出来るところ。それはそれで誰でも歌手になれるといった夢があると思う。悪い所はそのせいで歌手が芸人化しているとゆうところ。アーティストであるプライドも糞も無い、見るのも恥ずかしい現状だと思う。八百屋が野菜売りながら「俺の本業は大工!」って言っとる様なもん。悲しいね。良いところも悪いところもリストアップしたらありすぎてここでは全部説明出来ないね。(笑)

--- 3/6にアルバム『51st State』がリリースされますが、完成した率直な感想をお願いします。

「おらぁぁぁぁぁぁ!!」(笑)とりあえず発狂したいです。自分で言うのもなんだけどクラシックです。言い切れます。

--- タイトルの『51st State』に込めた思いをお答え下さい。

「51個目の州」。日本で生まれた俺達は皆『51st State』のプロダクト(商品)ってゆうこと。日本語を話しながら横文字も気付かず日常で使い、アルファベットがぶら下がる町を歩く。和の文化と西洋の文化のハイブリッドは誰が何を言おうが今、そしてこれからの日本の文化である事。日本で育ち日本語しか話せないが「ソーダ」とか「ガソスタ」みたいな日常横文字を使う人や俺みたいに海外に行って初めて英語をしゃべる様になった人や日本に居ながらもインターナショナルスクールで英語を話ながら育つ人達。それこそフランス語やスペイン語、色んな言語を話す日本人が増えているが、黄色い肌をして日本をレペゼンしているのなら何を話そうが関係ないだろって。自分自身日本人だとゆう誇りを忘れなければいい。仮にここが本当に「51個目の州」だとしても俺等が日本人には変わりはないだろって。『51st State』を聞いた上でリスナーが「いや、KOJOEちげぇよ。ここは51個目の州じゃねぇ。日本だ!」って言って欲しいと同時に確かに世界が「日本は最早アメリカの小判ザメ。」と言われる所以に気付いて欲しい。日本人である事に誇りを持って欲しい。そんな意味が込められています。

--- タイトルにある『51st State (51番目の州)』は、米国の影響力が過剰であること喩えた皮肉として使わる言葉ですが、多くの日本人にとっては馴染みのある言葉ではなく、アルバムでKOJOEさんが鳴らす警鐘にこれまでリアリティーを感じてこなかった人も多いかと思います。そのような状況に関してはどう思われますか?

それは単純に「平和ぼけ」だからだと思います。日本人である事の存在理由を随分長い間脅かされてないので「愛国心」に対してリアリティーを感じないんだと思います。平和である故の特権でもあると思うし、ある意味幸せだと思う。他国では内戦のある国やアメリカの様にわざと貧富の差を激しくし低所得者の選択肢を狭め追いつめ軍に入れる。自分達のアイデンティティーと向き合わされる状況があまりにも多いのもどうかと思うが、日本はあまりにもそれが無さすぎるのが問題だと思う。

--- 前作は英語作でしたが、今作は日本語中心の構成になっています。どのような考えがあっての変化でしょう?

「Mixed Identities 2.0」は3年前に作ったものなので9割NYに居る時の詩ですから自然と英語が多くなったの同様に今作は日本に帰って来て日本語も沢山話す様になったので自然と日本語が多くなりました。特に意識はしてないね。自然の流れ。意識したのは日本語でブラックミュージックとしてのフローやグルーブを無くさずでも聞き取りやすくする事。今までは日本語で歌う時聞き取り易さを無視して言葉を俺自身の解釈で崩しまくってたので。(笑)

--- ハードなメッセージと、楽曲のメロウネスの対比はKOJOEさんの音楽の一つの魅力と思いますが、その辺で意識している事はありますか?

特にありません。ブラックミュージックを崇拝しているのでラップをしようが歌を歌おうがソウルフルなものを作りたいと常に思っています。

--- 社会的なメッセージと同様、「A SACK FULL OF O」に代表されるような“愛”もKOJOEさんにとって一つの大きなテーマかと思いますがいかがでしょう?

“愛”が無ければ“痛み”も無いし、“痛み”が無ければ本当の“愛”など分からないしね。いくら逃げてもついて回ってくるものだからテーマと言うより「人生のストーカー」って言った方が正しいんじゃないかな。(笑)

--- これまで書いてきたリリックの中で、ご自身が最も気に入っているラインを教えて下さい。またその理由も併せてお願いします。

気に入ってるラインは沢山あるから順位は付けれないかな。そん中で今思い付くのは15曲目の大和魂のラインで「ビッチよりも先に大和の亡霊が踊り出す。」ってラインが好きかな。俺の音楽を聞いて野郎共の魂、闘志や情熱が踊り出す。ビッチを踊らす為にあるだけのダンスミュージックじゃないって意味も込められているのでこのラインは気に入ってる一つです。それに実際ビッチと大和の亡霊がダンスバトルとゆうか踊ってる様が思い浮かんじゃって、マジで書いたラインだけど絵は爆笑もんだなぁと思って。(笑)

--- アルバムの中で特に思い入れの強い楽曲を3曲あげ、合わせて楽曲解説もお願いできますか?

「No Country」 – この曲は俺が最近買ったFender Rhodesのキーボードで初めて作ったビートで歌いました。タイトル曲ではないけど、俺的に一番タイトル曲に近いものに出来ました。このまま日本は何処に行ってしまうんであろうといった疑問やメッセージを包み隠さずストレートに歌えた曲なんで思い入れはかなり強いです。

「Island Blues」 – この曲も思い入れが強いです。日本は51個目の州って言い切る事で皆が賛成や反対する事とは別に日本人として一つのトピックになって欲しくて。皆にこの事実をどうとるかの前に意識、コンシャスになって世論を見て欲しい。そうするともっとつじつまが合う事が沢山あるってゆうことに気付いて欲しい。分かった上で誇りを持って欲しい。後イントロで姪っ子を使ったので次世代の声がこの1曲に入ってるのも俺的に上がりますね。

「無性に」 – これは唯一歌だけの曲なんでもちろん思い入れは強いですね。自分の経験を歌っているので共感出来る人も居るんじゃないかな。

--- アルバム『51st State』は自身にとってどのような作品になりましたか?

やっと日本に帰って来たって思える作品です。

--- 今日本でもヒップホップが成熟してきた感がありますが、HIP HOPの故郷で体感してきたKOJOEさんが、見たり聴いたりして、今日本人のアーティスト(MC、プロデューサー)で気になる存在、注目すべきだと思う存在の方がいらっしゃれば教えてください。

道(TAO)と最近聞いたのではFla$hBackSってグループかな。若手の中で一番センスがあると思った。

--- 今後の目標、ご予定等あれば教えて下さい。

もっと沢山の人に本当のブラックミュージックを知って欲しい。売る為に日本人向けのHIPHOPを作る事がどれだけ非日本人的かを思い知らせたいです。そして世界の人達を動かす音楽を作れたらいつ死んでも本望ですね。
3月30日(土)に池袋bedで「51st State」リリースライブをしますので是非遊びに来て下さい。
4月11日(木)に恵比寿のBaticaでOvallと初バンドライブをします。(※ページ下部ライブ情報欄参照)今極秘でプロジェクトを進めてるんで遊びに来たらそれが分かると思います。生まれて初めてのバンドライブなんで凄い楽しみです。

--- ありがとうございました。

ありがとうございました。


KOJOE (コージョー) プロフィール

KOJOEは、新潟県十日町市に生まれた。転校に転校を経て群馬県高崎市に小学校の時にたどり着く。17歳の時に渡米を決意しNEW YORKへ渡った彼は、そこで本格的にリアルなストリートをラップで表現するようになった。BRONXそしてBROOKLYNのFLATBUSHに住んだ後QUEENSのHOLLISで落ち着く。USアンダーグラウンドを代表する名門ヒップホップ・レーベル、RAWKUS RECORDSが、「RAWKUS 50」と題してアンダーグラウンドの新鋭アーティストを50組選出し、彼らのアルバムをデジタル配信で一挙リリース。そのプロジェクトにたった一人だけ抜擢された日本人でもある。その時のアルバムタイトルが「RAWNIN」。日本語と英語を巧みに絡ませFLOWするかと思えば歌も歌い、まるで別人と間違える程ラッパーとは思えないスキルを持っている。日本のリスナーにとっては「待ってました!」と言う様な、今世紀最も重要なHIP HOP ARTISTである。そのKOJOEが日本に帰国し「KOJOE TUESDAYS」と題し2011年3月から7月の4ヶ月間に渡り今までにないハイクオリティな無料配信キャンペーンを決行しそれから4枚立て続けにMIX TAPEを2011年リリースし続け都内の主要専門店のチャートで全てのリリースでチャートNo.1 を獲得!しかもUSでRaekwonそしてKuruptと共演し強豪を退きファーストシングルをUSコンピアルバムで勝ち取るなど話題が尽きない。1枚目のアルバム「Mixed Identities 2.0」で歌手、プロデューサーとしての存在感を証明し業界人を唸らせた。また、ブランドとのコラボを通して被災地への支援金を寄付するなど活動の幅も広くこれからの活躍が期待される。

KOJOE オフィシャルサイト

 KOJOE 『51st State』[2013年3月6日]

KOJOE 『51st State』1st『Mixed Identities 2.0』から1年、待望の2ndアルバム!
51st State...「51個目の州...」アメリカではないが日本でもないこの国で生まれた我々の行き先は何処だろう?日本とアメリカで育ち、常に疑問を抱き苦悩してきたKOJOEのメッセージ、そしてソウルが詰まったこの1枚。
善くも悪くもグローバル化していく世界、国際化していく日本を引っ張って行く若い日本人の在り方をHIP HOPの枠には捕われず自由に表現、そして世界に問いかけている。KOJOEの待望のセカンドを見逃すな!

『51st State』収録楽曲

  • 01. No Country
  • 02. How Bad
  • 03. Cinema
  • 04. I Need More
  • 05. 歯車 feat. Smif N' Wessun
  • 06. Kidnap
  • 07. Far Away
  • 08. Serendipity
  • 09. 51st State of Mind feat. Ritto
  • 10. Island Blues
  • 11. Light feat. Sonreal & Cavalier
  • 12. Standin' Still feat. Ming
  • 13. Mixed Identities
  • 14. A Sack Full of O
  • 15. 大和魂
  • 16. 無性に

KOJOE ライブ情報


● 3月30日 THE罵倒×GHETTO at 池袋BED ●
B.I.G. JOE 4th Album "HEARTBEAT" Japan Tour
KOJOE 2nd Album "51st State"
DOUBLE RELEASE LIVE
Open:17:00pm、Close5:00am
entrance 3500円(1d)
前売り 2800円(1d)
24時半以降 2500円(1d)



● 4月11日 "My Favorite Soul" at Ebisu BATICA●
bpm under 100 - soul, hip hop, jazz -
http://batica.jp/
21:00 - all nite
charge 2,000 yen

Hip Hop & ReggaeLatest Items / Tickets Information

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1st ALBUM

Mixed Identities 2.0

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  • Juslisen

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    Release Date:10/May/2002


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