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ジャコ1983年の来日公演が初CD化

Friday, July 20th 2012

渡辺香津美も参加した、ジャコ・パストリアスのワード・オブ・マウス・バンドによる、命と魂のライヴ。松下佳男氏による貴重な当時の回想録も掲載。



「全国で10公演ほどのコンサートツアーだったが、メンバーの1人として僕が加わった。音楽人生の忘れられないターニングポイントだ。彼の行動は予想不可能。二面性を持っていて天才であり努力家。ツアーが終わり、欧州に旅立つジャコに「お別れだね」と話しかけたら、彼は「おまえ、何で付いてこないんだよ」と怒り出した。彼なりの褒め言葉だったんだろう。」

渡辺香津美
(2012/06/06 日本経済新聞 夕刊 「こころの玉手箱」より抜粋)

1983年来日当時を知る、世界的ジャコ研究家である松下佳男氏による回想録

ジャコは、ライヴの1週間前にあたる5月1日に来日し、新宿のスタジオでリハーサルをやっていた。スタジオに行くと、ちょうど<デニア>のアレンジについてジャコがメンバーたちに説明をしていた。日本から参加する渡辺香津美(g)との初共演にも興奮気味で、昨年(1982年9月)のビッグバンドの来日時以来、8カ月ぶりに会うジャコはすこぶる元気で、まともだった。

82年のビッグバンドでの来日時の日本での奇行については、ピーター・アースキンやドン・アライアスからも話を聞いたが、実際、僕もジャコから「ヨシオ!目が見えなくなったのでトイレに連れてってくれ!」といわれたり、自慢のロング・ヘアーをバッサリ切った丸刈り頭にも驚いたものだ。

それは、さておき、83年5月のジャコは前年に比べると、明るく、前向きで、まるで、78年の初来日の彼を思わせるくらい元気で、まともだった。「渡辺香津美(g)は、友人のマイク・スターン(g)からの紹介だ。今回、マイクが日本に来れなかったので、カヅミにお願いした。 今回、彼と初めて一緒にやってみて、その素晴らしさをもろに知った。 前から、ランディやマイケル・ブレッカーたちから彼の噂はよく聞いていたけどね。もし、彼がOKなら7月のヨーロッパ・ツアーもぜひ一緒にやってほしいと思うよ。カヅミは、マジックだ!このバンドは、僕がこれまで持ったバンドの中では最高だ。僕は、リーダーというよりは、 ベーシストとコンポーザーという役割に徹しようとしてるしね。このバンドをジャコズ・バンドとして呼んでほしくないんだ。“ワード・オヴ・マウス・バンド”として捉えてもらいたいんだ。なぜなら、目の前にある音楽をメンバー全員が成長していく上で重要な素材として考え、 頑張っているからさ。ジャズとR&B,これらの要素を土台に、僕たちは音楽をスウィングさせていく!」とジャコはリハーサル後のインタビューで答えてくれた。

1983年のジャコの日本公演は、全国8ヶ所、10公演を行った。その公演数だけでも当時の日本でのジャコの人気度がいかに高かったかわかる。今、このような規模で日本公演を行えるジャズ系の海外アーティストがいない状況の中で考えてみるとまさに驚きだ。

僕は、神奈川県民ホール(5月15日)と新宿厚生年金大ホール(5月21日・5月22日は昼夜3回公演)におけるコンサートにすべて足を運んだ。コンサートの1曲目は、どこも<デニア>だったが、あとはすべて曲順や構成は毎回違っていたのを記憶している。

この時のジャコは絶好調だった。テンションが高く、まさに彼らしいステージだった。<ハヴォナ>や<ビーヴァー・パトロール>(前半でベースをステージ上に投げたのも記憶にある)などでのジャコと香津美との白熱のバトルを聴いて、あまりの感動に目頭があつくなったのを覚えている。ジャコの気迫、魅力、熱気は、周りの人間をその渦に巻き込まずにはおかなかった。そのくらいレベルが高かったし、エネルギーが満ちあふれ、グルーヴがみなぎり、ジャコの魔力のようなものが注ぎ込まれていた。<ソウル・イントロ〜ザ・チキン>、<クリーン・アップ・ウーマン>、 <レゲエ・チューン/フー・ノウズ>、<ティーン・タウン〜ゼム・チェンジス>、<ファニー・メイ/ホワイ・アイ・シング・ ザ・ブルース>など演奏曲もジャンルの枠を乗り越え、あらゆる音楽から豊かなグルーヴを導き出した。彼は、ファンクから、ロック、ブルース、カリビアン、レゲエなどにいたるまで、どんな音楽でもスイングさせ、グルーヴを創り出すことができた。

●音楽雑誌「ADLIB」元編集長 松下佳男



1981年、アルバム『Weather Report』を最後にジャコ・パストリアスはウェザー・リポートを脱退。2ndリーダー作『Word of Mouth』をリリース後、1981年12月1日にビッグ・バンドの旗揚げライヴを行い、その模様は1995年に『The Birthday Concert』としてリリースされた。

1982年9月、ジャコは自らのビッグ・バンド=ワード・オブ・マウス・ビッグ・バンドを率い来日。日本では『Twins T』、『Twins U』、米では『Invitation』としてリリースされた。

翌、1983年5月、ビッグ・バンドのメンバーを含む総勢6名を率いた“ワード・オブ・マウス・バンド”にて来日。そこにマイク・スターンの代役で抜擢された渡辺香津美が加わった訳だ。この音源は、その渡辺香津美が保有。一部は当時のFM番組でオンエアされてはいるが、CD化するのは勿論今回が初。

お馴染みとなった、「ソウル・イントロ〜ザ・チキン」で幕を開け、C.C.ライダーズ時代によくプレイしたという「クリーン・アップ・ウーマン」、ループ、ディストーションを駆使しつつ激しさと静けさを持ち合わせる「ベース・ソロ」、ウェザー・リポートの「ブラック・マーケット」、「ティーン・タウン」、「ハヴォナ」、『ワード・オブ・マウス』からの「ジョンとメリー」、ジミ・ヘンドリックスの「フー・ノウズ」、「チェンジス」、アルバムには正式収録されなかったジャコのオリジナル「デニア」、「ビーヴァー・パトロール」などを収録。

ジャコは代名詞となったフレットレスとともに、フレッテッド・ベースをメインにプレイ。圧巻の超絶テクニック、心揺さぶられるグルーヴ力に溢れたベース・プレイと、バンド・メンバーすらも予測不可能だったという、曲展開は、スーパー・プレイヤーであると共にアーチストへと確実に昇華し続けるジャコの姿を描いている。

この日本公演後、ヨーロッパ・ツアーへと旅立つ。翌年1984年7月には、ギル・エヴァンス・オーケストラの一員として来日した彼だったが、奇行を超えた演奏と行動にファンは失意に落とされる事となる。その3年後には、遂にその命を落とす結末が待っていた。

が、ここに収録された演奏は、ウェザー・リポート脱退後のワード・オブ・マウス・ビッグ・バンドに始まり、ジャズとR&Bを追求し突き進んでいた音楽家=ジャコの紛れもない命と魂に溢れた音楽が生き生きと描かれている。ジャコの歴史を知る上で欠かせない貴重な記録がここにある。

収録曲

Disc 1
1 Soul Intro / The Chicken (Jaco Pastorius /A.J.Ellis )
2 Clean Up Woman (Clarence Reid / Willie Clark)
3 Bass Solo (Jaco Pastorius)
4 Black Market (Joe Zawinul)
5 John & Mary (Jaco Pastorius)
6 Dania (Jaco Pastorius)

Disc 2
1 Reggae Tune / Who Knows (Jaco Pastorius / Jimi Hendrix)
2 Teen Town / Them Changes (Jaco Pastorius / Buddy Miles)
3 Havona (Jaco Pastorius)
4 Beaver Patrol (Jaco Pastorius)
5 Fannie Mae / Why I Sing The Blues (Buster Brown / B.B.King)

JACO PASTORIUS"WORD OF MOUTH"BAND

ジャコ・パストリアス(b)
渡辺香津美(g)
ロン・トゥーリー(tp)
アレックス・フォスター(sax)
デルマー・ブラウン(key)
ドン・アライアス(perc)
オセロ・モリノー(steel-ds)
ケンウッド・デナード(ds)

JACO PASTORIUS"WORD OF MOUTH"BAND 1983 JAPAN TOUR

5/10 大阪フェスティバル・ホール
5/11 福岡サンパレス
5/13 名古屋市公会堂
5/14 宮城県民会館
5/15 神奈川県民ホール
5/17 新潟市県民ホール
5/19 札幌厚生年金ホール
5/21 新宿厚生年金ホール
5/22 新宿厚生年金ホール(2ステージ)
* Point ratios listed below are the case
for Bronze / Gold / Platinum Stage.  

初CD化となる伝説の1983年ライヴ

Word Of Mouth Band 1983 Japan Tour Featuring Kazumi Watanabe

CD

Word Of Mouth Band 1983 Japan Tour Featuring Kazumi Watanabe

Jaco Pastorius

User Review :5 points (5 reviews) ★★★★★

Price (tax incl.): ¥3,300
Member Price
(tax incl.): ¥3,036

Release Date:25/July/2012

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ウェザー・リポート脱退時近辺から1983年来日公演に至るジャコの流れ

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ジャコ初のドキュメンタリーDVD

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