【特集】 LOW HIGH WHO?

Monday, February 6th 2012

LOW HIGH WHO?

LOW HIGH WHO?

HIP HOPを軸にしながらも、これまでのHIP HOPとは全く違うアプローチで、HIP HOPリスナー以外からの注目も高いレーベルLOW HIGH WHO? 南米のインディオの言葉で「愛している」という意味を持つ、そのレーベルは、人が生きる上で必要な「言葉」と「思い出」 を大切に、音楽や芸術に新しい価値を見出し、人の心に残るような作品づくりを目指している。

2006年 LOW HIGH WHO? PRODUCTION 設立
2008年 SHADOW ANIMALS JAPAN TOURにLHW?出演
2008年 vongaku 1st Album「球体に言葉を綴るカラス」リリース
2009年 環ROY×LHW? itunes限定 EP「Fighting!!EP」リリース
2010年 YAMANE 1st Album「アオソラ」リリース
2011年 不可思議/wonderboy 1st Album「ラブリー・ラビリンス」リリース

 LOW HIGH WHO? オフィシャルウェブサイト

4/18 謡人ParanelとラッパーMadogarasuによる雨風食堂!

雨風食堂 『花と弁』 / 雨風食堂
[2012年04月18日 発売]
2012年2月にアルバム「分裂」をリリースしたCOASARUこと歌謡いのParanelとLOW HIGH WHO?に所属するラッパーMadogarasuによって結成した「雨風食堂」。叙情ある散文詩、昭和歌謡や寺山修司への憧れがどこかノスタルジーに自分たちの表現が確立できたと思い、その集大成がこのアルバム「花と弁」になります。アルバムに参加してくれたのは同レーベル所属のEeMu, Jinmenusagi, Kuroyagi, YAMANE, terumasa setoです。
雨風食堂の片割、Paranelが一曲ごとに解説していきたいと思います。

Paranelによる収録曲解説

01. 花と弁
アルバムタイトルと同タイトルのイントロダクションですが、今回のアルバムの文句が「花のように歌い、雄弁に語るという。」ように曲の構成が前半は昭和歌謡のように1ヴァースに「雨」2ヴァースに「風」をモチーフとされた歌が後半は今回の収録曲の断片詩が淡々としながら語られています。ヒップホップらしからぬ異形さがあります。僕は昭和歌謡として挑戦してみました。演者になると分かるのですが、歌謡って本当に難しいです。美空ひばりさんの偉大さに気付きます。

02. 「」の孤独
このアルバムの一番重要となる曲です。トラックは同レーベルメイトのEeMuが担当しました。いつの時代も、音楽が支えになってきたようにこの曲も世代を超えて支えになったらと思います。イントロで女性が一人コーラスをしています。でもラストのコーラスでLHW?メンバーや仲間がみんなでコーラスをしています。たくさんの人たちで作ったこの楽曲には色んな思いやパワーがあるんじゃないかって思います。「」とは「誰か」ということで皆のそれぞれの孤独をさしています。

03. 腹々時計
小学生の頃、怪しいオジさんに下校途中に勧誘されたりしませんでしたか?なかでも映画「腹々時計」のビラが町中の電信柱に貼ってあったことを今でも鮮明に覚えてます。大人になって気付いたことですが、この映画は子供が見ては行けない内容みたいです。怪しいオジさんはやっぱり怪しかった。実際の「腹々時計」は冊子のタイトルで当時は爆弾の作り方なども掲載されていたそうです、とても危ない冊子みたいです。思想とは無縁の世界に僕は居ますが、小学生の頃の鮮烈な記憶「ハラハラトケイ」の交差が曲として形になりました。

04. 毒素分解 feat.Jinmenusagi
2月にアルバム「Self Ghost」をリリースしたばかりのJinmenusagiとの客演曲。Jinmenusagiのブロークンランゲージから自分たちの言葉がマッチするのかという非常に実験的な気持ちで製作に挑みました。僕はAnticonの初中期作品に非常に影響を受けています。それが伝わるんじゃないかと思います。ユーカリには毒があるそうですよ。

05. ブルーカラーボーダー
この楽曲が一番始めに製作した楽曲であり、アルバムの方向性を決めるものとなりました。EeMuもこの曲を聴いてインスパイアされ、一緒に製作に協力してもらえるようになったんです。タイトルのブルーカラーボーダーとは「ブルーシート」を指しています。外の世界で暮らすとまたこの社会も別世界のように感じます。家があるという幸せは忘れてはいけないと思いました。

06. 深海灯
この曲を作ってから「雨風食堂」ってこんなスタイルだろって描けた様に思います。歌とラップの融合って非常に難しいです。「サビが歌で当たり前」的な最近のヒッピホップの風潮を一蹴したいと思っていました。だからこの「深海灯」はラップと歌の共存性に関して自分たちのスタイルを確立できた作品になりました。とにかく深い海へ、少しの灯火の中。環境表現を忠実にアウトプットできたビートも自信作です。

07. 歪な果実 feat.Kuroyagi
同レーベルメイトのラッパーKuroyagiを招いた作品です。僕のビートイメージでは映画「空中庭園」があります。砂漠もイメージにありました。Madogarasuの詩はアダムとイヴの話らしいのです。雨風食堂ではお互いの歌詞をあまり干渉し合わないところがあります。お互いの言葉の発見は楽曲が完成した後の方が多いです。雨風食堂には「環境」を音楽に変換するということが製作において大きな要になっています。感情や思い出を歌う楽曲が現代の傾向ですので、その点では異質なものになっていると思います。

08. 同じ夢を見ている
EeMuがプロデュースの曲です。いろんなフィールドサウンドが紛れているのですが、ビート中に首を絞める音みたいな「ギュ」音が混ざっています。とにかく気持ちが悪いです。サビに不思議な大勢のコーラスもまた不気味です。あっさりとした曲なんですけど、あっさりと不気味です。

09. イマジン
中東音楽をイメージして作りました。「歪な果実」同様に砂漠環境がモチーフになっています。雨風食堂ラッパーMadogarasuのラップの中では群を抜く完成度です。言葉が散文としていることもあってか、サブリミナルという言葉に似合うような、とても映像的で瞬間的です。Madogarasuのリリックの無意味性と思わせぶりな言葉は捻くれて捩じれてとても面白いものです。固定観念を覆す意味でも「イマジン」という言葉にぴったりな楽曲になったと思います。

10. しりとり
今まで、ドロドロとした楽曲ばかりでしたのでアルバムの佳境に迎える前にお口直しにと考えたSKITです。しりとりをしながら最後に「花と弁」の「ん」で完結します。

11. 惑星に花束を
LOW HIGH WHO? 1st Album「D.I.Y.」にも収録されたこの曲はギターにterumasa setoをお迎えした とてもフォーキーでメロディアスな楽曲です。宇宙船を自分の部屋にたとえ、外界を星にたとえました。 ひきこもりな主人公の話で、「いつかあの星に行きたい。」つまりは外に出たいっていう話なんです。 このアルバム「花と弁」にはストーリーやコンセプトは自分たちにはありますが、散文詩的で文章の意味合いを持たせてないのが特徴です、聞き手が自由に何かを感じ取ってもらえる様に心がけました。

12. 人間たちのいる丘
EeMuのトラックに僕がギターで弾きました。曲中「羊の様に生きるしかないのか、君たちは登る、果てのない丘へ」のサビの詩があります。僕は自分の歌詞の中に登場する羊は「人間」の意味なんです。本当に野生で生きる人間なんかいません。人間は人間に飼われ生きているということです。それが悪いんじゃなくて、そうした弱さや、悪感情も柵の中にあるということでその場所に僕達があるということです。実際に不幸と感じる時が幸せだと思っています。比べる物があるからです。今、不幸だと感じたならそれは過去が幸せだった証拠なんです。

13. 帰る日 feat.YAMANE
同レーベルメイトのYAMANEくんとの「帰る日」はどう交わるのか、色んな期待を込めて挑みましたが うまく融合されて、お日様の似合う、日曜日のように時間のゆったりとした、とても暖かい曲になりました。「人間たちのいる丘」が絶望を歌っていたのでこの「帰る日」が救いの歌です。

14. 心中少女
この曲はEeMuがトラックを担当。椎名林檎「丸の内サディスティック」のオマージュだそうです。女子高生が性に溺れて行く話しなのですが、また別に「人間の依存愛」があります。「私はあなたのことが好きだから死にたい。」こう言う人、意外に多いと思います。愛する事と依存するという事の違い。執着する事と愛着することの違い。今の現代人には見えにくいものかもしれませんし、判断もできないものかもしれません。性に溺れた彼女が大人になっても結局は人間なんですよね。「どこまでが昨日?どこまでが君たち?ひとつになるってそういうことでしょ。」でこのアルバムの幕を閉じます。

ありがとうございました。

2/8 LOW HIGH WHO?より注目作2作同時リリース!

Jinmenusagi 『Self Ghost』 / Jinmenusagi
[2012年02月08日 発売]


先着特典:レーベル缶バッチ

※特典は無くなり次第終了となります。ご購入前に必ず商品ページにて特典の有無をご確認下さい。

レーベル主宰 Paranelによるアルバム解説!

彼がLHW?に所属してすぐにリリースするという異例でもありましたが、日本語を完全に破壊した その姿勢とクオリティは面白いと思ってます。地元の先輩が彼の音源を聞いて「Tags of the timeを思い出すわー」って言ったときレコードを愛して育って来た先輩達が今の世代の子たちの音楽に興味を持ってくれた事はすごく嬉しかったです。今回は彼がセルフプロデュースで全曲トラックも作ってます。トラックを作るラッパーって最近では珍しく無いと聞きました。ほんとに器用だと思います。同レーベルメイトのKuroyagiとの「Rotten Soy」は必聴です。
 
COASARU 『分裂』 / COASARU
[2012年02月08日 発売]


先着特典:COASARUステッカー

※特典は無くなり次第終了となります。ご購入前に必ず商品ページにて特典の有無をご確認下さい。

レーベル主宰 Paranelによるアルバム解説!

術ノ穴さんから出させて頂いた1st Album「別人格コアサル」から溢れ出た楽曲を再構築させたのがこのセカンドアルバム「分裂」です。itunesでのリリースのみ考えていたのですが、こうして全国発売させて頂けること、嬉しく思います。Mo'waxやAnticonに影響を受けた他、Kaze Magazineさんが主宰していた恵比寿MILKでの「Harvest」とというイベントに憧れてました。この頃はビート黄金期だったんじゃないでしょうか。僕はカルチャーあってのヒップホップだと思っていますのでグラフィティやスケーターやダンサーと音楽がもっとリンクして欲しいです。そういった敬意も含めた楽曲作りとなりました。ラスト7分の大曲「B.L.A.C.K.」は是非聞いて欲しいです。

レーベル主宰 ParanelによるLOW HIGH WHO?作品紹介!

不可思議/wonderboy 『ラブリー・ラビリンス』
不可思議/wonderboy

LOW HIGH WHO?がレーベル第一弾として発売したのが不可思議/wonderboy。所属してからの彼の成長速度は著しく、デモを持って来た時とは比べものにならないくらい言葉が輝き始めて、何かやってくれそうだなーと直感していました。僕のアイデアや無茶ぶりにも嫌がる事無く実現してくれて、「アルバムの帯に谷川俊太郎さんのコメントを貰おうよ」と提案した後に谷川さんと共演を二度も果たした彼には夢を具体化し実現できる人だと思いました。この作品にはそれらが宝石の様にぎっしりと詰まっています。
 【HMVインタビュー】不可思議/wonderboy
LOW HIGH WHO? 『D.I.Y. - Harvest and Autumn
LOW HIGH WHO?

レーベル運営5周年ということもあって、皆で一つのアルバムを作ろうと企画しました。客演には呂布(ex:ズットズレテルズ)、HAIIRO DE ROSSI、Fake?(8th wonder)、Connie Leeなどをお招きし、ヒップホップからポップス、ジャズピアノまでザ・LOW HIGH WHO?といった多角的ジャンルをアプローチできたと思います。コンピではなくクルーとしてのファーストアルバムとしてとても良い作品になりました。
 
EeMu 『Nothings』
EeMu

EeMuのフルインストアルバムは僕の提案で始まりました。トラックメイカーのアルバムは客演がメインになりがちで、インストアルバムって日本はとくに少ないと思っています。EeMuが色んなMCにビートを提供している中、あえてフルインストでやってほしいと思いました。特典も全曲PV収録のDVDというさらに自分自身を追い込み(スケジュール的に)新しい要素を求めるEeMuの気質からもこの作品はレーベルとして、EeMuとしても実験的かつ挑戦的なものとなりました。

最後に

去年LHW?運営5周年を皮切りにヒップホップを軸にボーダーを超えた様々な作品が生まれています。
2012年、今年は7月に不可思議/wonderboyの2nd Album、8月にYAMANEの2nd Album、9月に注目のビートメーカーのSUNNOVAのワークスアルバムと予定していてリリースラッシュです。沢山の方に支えられていることを実感しています。
僕は書籍のようなCDとして、レコードのようなCDとして今だからこそ、手に取って初めて伝わるようなレーベル作品づくりに日々、励んでいます。
長い目で見て頂けたら嬉しいです。今後ともLOW HIGH WHO?を応援よろしくお願い致します。

Paranel

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