【連載】 いぬん堂 vol.6

Wednesday, October 19th 2011

【連載企画】いぬん堂 presents 『WELCOME TO THE KENNEL!』

そのスジでは知らぬ人はいない!多くの80's PUNK&NEW WAVEのCD復刻や監修を行う、自主レコード「いぬん堂」主宰、赤牛戸氏による名盤紹介連載6回目!!!!!毎回テーマを持って赤牛戸氏の思う名盤を紹介してくれます!!!!今回紹介頂くのは『ケモノの奏でる名盤!編』!それでは早速スタート!!!!
ついこの間まで暑かったのに、すっかり夏を忘れて秋!ですな。衣替えの季節ってことで抜け毛が激しいです。衣じゃなくて肉体の一部ですが。日々抜け落ちた髪の毛を泡だらけにして、排水口を汚染し続けております。わはははは。笑ってる場合でもないか。個人的に秋になると人知れず歳をひとつ重ねるとは言え、しっかりしろよ毛根!頭皮!燃え尽きるにはまだ早い!マッサージしてやるぞっ!ええか?ええのんかー?パワー・トゥ・ザ・毛根&頭皮!ホント、お願いしますわ、うひひひひ。まんず、ケモノなら生え変わりの季節だしな。これから冬に向けて新たなるヘアーがぞわぞわっと生えてくるであろうという希望的観測を持ちつつ、そんな生え変わりの季節にぴったり?のケモノの奏でる名盤を紹介いたしますよ。

※本文中敬称略

[ケモノの奏でる名盤!編]



まずは、いぬん堂ってくらいだから、犬でしょ。犬と言えば、町田町蔵(現・町田康)の「INU」だと思いますが、インディーズにこだわるならば、INUより、犬彦の出番でしょう!犬彦は、歌う足踏みオルガン犬=JON(犬)とハード・コア・パンク・バンドの草分け「GAUZE」のドラマーHIKOとのデュオ。こちらは先頃出た2ndアルバムです。JON(犬)の名曲群をスラッシュ仕様で聴けます。わははは!痛快この上ない。犬も猫も子供も大人も痙攣しながら踊れるべな。ケモノの興奮状態を音声化するとこのバッタバタ感になるのではないかいな。とかいう話も表題作の通り酒がないと始まらないのじゃよ。おつまみはお菓子じゃ失格だ。煮物などじゃなきゃ。だけど、そんな話も酒に酔って忘れてしまうわけで、話をするにはまた酒が必要なんじゃい!ケモノの酒盛りはエンドレスだぜー。可愛くも凶暴で酒癖が悪くても憎めない怪盤です。


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続きましては、スカンク。スカファンクじゃないよ。正確にはFにスラッシュまたは右斜め上に向けて矢印が入りまする。名前通りスカを基調にした雑食系バンド。ケモノのスカンクとはあんまし関係ないです。LA-PPISCHなどのポコチンロック周辺に生息していた時期もありましたね。こちらはタイトル通りキャプテン・レコード時代の作品をコンパイルしたCDと当時の映像をDVDにした2枚組。録音は88-89年。1st『BRAIN GAME』はスカ+ファンクというよりスカ+パンクの香りが。LA-PPISCHの杉本恭一が変名でプロデュースした2nd『RULE OF PARTY』では、スカ色が増してバラエティに富んだ音づくりに進化しています。先頃再結成ライヴがあったのですが見逃しました。このアルバムには参加していませんが、再後期のメンバーTAKUYA(JUDY AND MARY、ROBO+Sなどの活動で著名)も参加したとのこと。Voの幼一(宮崎洋一)は、analersを経て現在は、杉本恭一&The Dominatorsで活動中。SKAFUNKとしての活動もゆるやかに続いていくようです。


スカンクの次は狼です!90年代に燦然と輝く名盤でしょう!アウーッ!魂のジェット・ロッキンロール!免疫がないまま聴くとまったく理解できない音質ですが、汚くももっこりぬくもりがありそして分離のいい音じゃないですか、これ。ビギナーにはお薦めしませんが。とにかく、この汚い音が後のバンドにあたえた影響は大きいと思います(ウルフの場合この盤だけに限らないですが)。ただ汚いだけじゃだめなのよ、その匙加減にロッキンロールの秘密があるのじゃよ。曲がいいのは言わずもがな。名曲「環七フィーバー」を聴いてくれい。そして、この独自の言語感覚。とりあえず、ジェットが付いていればそれは間違いなくロッキンロールなわけですよ。冷蔵庫にだってラーメンにだって新幹線にだってロッキンロールが含まれているなんて誰が気付くよ?ロッキンロールを感じさせる言葉の組み合わせを数限りなく続けられるウルフはホント凄いなぁ。95年作品。


さらに動物園度が増しますが、次は象だす。インディーズでなくおもいっきしメジャーですが。今でこそエレカシと言えば説明不要ですが、初めてバンド名を聞いた時はギャルバンか?と思いましたよ。かしまし娘からの連想ですね。単純ですんません。それがライヴは非常にストイックで、歓声をあげようものなら睨まれそうな緊張感で漲っているって言うじゃあーりませんか。マジスカ?って見に行ったら確かにみんな座っていて曲ごとに拍手する感じでしたね。でもなぁ、この内容でそれは酷ですぜ。1曲目の「ファイティング・マン」からしてフルスロットルのテンションですから。踊るなというのが無理ですわい。破裂しそうなくらいパンパンに厭世観が詰まったこのアルバムは、今聴いてもしっくりくるです。このやるせなさは普遍だよなぁ。ラストの「花男」の負のパワーの昇華っぷりも素晴らしいです。88年作品。


象の次はキリンだね。「変身キリン」(以下変キと略)は、関西パンクの流れの中にあって、うたものの先駆的存在と言われていますが、こちらはさらにしっとりとした気分にさせるカヴァー・バンドによる実況録音盤。変キのオリジナル・メンバーでもある須山公美子(最近は競馬界のカリスマ歌姫とも言われていますが…)をVoに、シカラムータの大熊ワタル、同じくシカラムータ、栗コーダ−カルテットなどで活動する関島岳郎、ex.INU、UP-MAKERのギタリストでもある小間慶大、ストラーダなどで活動する中尾勘二といったメンツで変キの中核である本田久作の作品を現代に蘇らせている。カヴァーするだけでなく、オリジナル盤には未収録の曲を蘇生させるあたり、史学のような趣も。これを聴くと、未来だけに可能性があると思ったら間違いで、過去にだって可能性はあるよなぁと毎度思います。ジャケットは、さそうあきら画伯の描き下ろし。04年作品。


そして、最後は百獣の王ライオンじゃい。新作『鎮魂曲』を発表したばかりのライオン・メリィの92年作品。このカートがあるのにちと驚きました。俺、CD-R版しか持ってないんすよ。だから、プレスCD版があるなら俺自身欲しいっすよ!って注文しちゃいました。マジで。ライオン・メリィと言えば、ヴァージンVS、エコーユナイト、メトロファルス、ヤプーズなどを筆頭に、サポート・バンドは数知れぬ多才なアーティストですが、このソロ・アルバムもその経歴が反映されたようなロック・オペラ作品です。砂漠の魔法使いに伊藤ヨタロウ、お姫様役に戸川純、ドン・キホーテ役にあがた森魚、そしてその従者に本人という配役。楽師達は、横川理彦、三宅伸治、エンリケなど多数で、テクノのようでありワールド・ミュージックのようでもあり、作風は様々。戸川純とのデュエット「朝の流れ星」など、本人の歌もたっぷり聴けます。


そんなわけで、アニマルぞろぞろな回でしたが、リアルなケモノが奏でるものと言えば、その鳴き声でしょうか。効果音のCDが好きでたまに聴いていたんですが、動物の鳴き声編は50音順に入っていて、アシカ、イヌ、ウシみたいになっていたのを思い出しました。アシカのアウアウ言っている鳴き声から始まる脱力感がたまりません。インディーズでも効果音のCD出しいてるとこあったなぁ。男女の叫び声とか入ってるの。ワーッ!とかギャーッ!とか叫んでいて、こ、これは使えないわぁと思った記憶が。インディーズには違いないですが、名盤云々からは遠ざかるので、さすがに効果音特集はないとは思いますが。とか言って次回そうだったりして?

今回紹介された、SKAFUNKの幼一さんからの動画コメントが到着!



いぬん堂(いぬんどう)

いぬん堂自主レコード「いぬん堂」主宰。80's PUNK&NEW WAVEのCD復刻&監修多数。戸川純担当。パンク・バンド「ビル」のヴォーカル。

HP : http://www.inundow.com/
Twitter : https://twitter.com/#!/inundow

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