音楽の力強さを伝えるフラプラ

Thursday, January 20th 2011

類まれなる歌唱力を持つshihoと、炎のギタリスト横田明紀男からなるフライド・プライド8作目はスタンダードからマイケルまで圧巻の歌とギターを。

類まれなる歌唱力を持つヴォーカリストshihoと超絶技巧のギタリスト横田明紀男の2人からなるジャズ・ユニット、フライド・プライド。彼らの作品はアルバムごとにテーマを自在に変え、常に驚きを与えてくれます。

通算8枚目にして、ジャズ・スタンダードに回帰した本作は、まるでインテリアの一部のように自然とハートになじみつつ、細やかな音楽表現にピリっとスパイスが効いているのもフラプラ流。

といっても、ふたりの持ち前であるパワーは健在。横田の力強いギター・カッティングで始まるオープニング「ドント・レット・ミー・ビー・ロンリー・トゥナイト」から一気にフラプラ・ワールドがスタート。

ミュージカル『RENT』の長期公演参加で、より表現力が磨かれたshiho、そして全国ソロツアーで更にタフになった横田のギター・プレイは、各曲に多くの音楽的エナジーを吹き込んでいます。

今回もゲスト・ミュージシャンが参加し、フラプラ・サウンドを更に躍動させています。特にラテン・ロック・チューン「愛ある限り」で聴かせる小島良喜のピアノ・プレイは必聴。そして随所に登場するパーカッションもグルーヴし、アルバムのメリハリをつけているといえるでしょう。また「オンリー・ユー」では横田の師匠である潮先郁男とのギター共演も実現しています。

クラシックなジャズ・スタンダードを中心としながらもマイケル・ジャクソンの「Bad」やオリジナル「恋愛PUZZLE」など、幅広い選曲と曲ごとに変化するアプローチは多くの音楽ファンを楽しませてくれるはずです。

これまで「動」の部分をより多く見せてきた彼らですが、本作は「静」の部分までも見事に表現した、ロッツオブミラクルがちりばめられた心の宝石のような作品。二人からのシンプルなメッセージがひたひたと感覚的に伝わってきて、明日も聴きたくなるような磁力に満ちています。

本物の歌とギターを是非お聴き下さい。

収録曲

パーソネル

shiho (vo)
横田明紀男 (g)

斉藤恵 (per)
中沢剛 (per)
小島良喜 (p)
潮先郁男 (g)
桑山哲也 (acc)

フライド・プライド・インタビュー

shiho「ジャズ・スタンダード中心のアルバムですと言っておきながら、私が一番気に入ってるのはマイケル・ジャクソンの「BAD」（笑）。」

横田「ジャズ・スタンダードと改めて向き合うと、その人の生き方や哲学みたいな素の部分がいやでもさらけだされる。そこがチャレンジングで、すごくやりがいがあった。」