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HMV × ストレンジ・デイズ No.3

Monday, September 13th 2010


HMV × STRANGE DAYS

 HMV ONLINEと月刊音楽専門誌「ストレンジ・デイズ」の合同企画ページ! 発売前の「ストレンジ・デイズ」誌最新号のコンテンツがチェックできるのはここでだけ! 第3弾特集は、9月22日に最新アルバム『Clapton』(日本先行)のリリースを控えるエリック・クラプトン。近年は、ジェフ・ベック、スティーヴ・ウィンウッドとのライヴ共演など、歳を重ねるごとにエネルギッシュで華やかな活動が目立つクラプトンだが、最新アルバムでは、ジャズ・スタンダードでおなじみの「Autumn Leaves(枯葉)」をしっとりとカヴァーするなど、さらに円熟味を増した世界が展開されているという。2010年、「21世紀のクラプトン」が新章に突入する予感大。 誌面掲載関連アイテムの特濃HMVレコメンドと併せて、おたのしみください。

エリック・クラプトン
Photo by Kevin Mazur/WireImage/Getty Images
 

 1963年、ヤードバーズに飛び込んでから現在に至るまで、70年代初頭に3年足らずの沈黙はあったものの、真の意味で音楽界の最前線をリードし続けているエリック・クラプトン。96年の「チェンジ・ザ・ワールド」の世界的大ヒットは記憶に新しいが、2000年以降の彼の活動も衰えをしらない。自身のルーツでもあるオリジネーターとのセッション作を発表したりと、原点回帰する姿勢が際立っていたが、クリームの再結成(05年)や盟友ウィンウッドとライヴ(08年)を行うなど、世界中のロック・ファンを歓喜させてくれた。そして、この9月にはブルージーかつジャジーな最新作『クラプトン』をリリース。思えば40年前の初ソロ作のタイトルも『エリック・クラプトン』だった・・・。 新たなクラプトンの歴史が幕を開ける予感がする。



エリック・クラプトン


 
ソロ・デビュー40年の節目に、「枯葉」を

 前作『Back Home』以来5年振りとなる通算19枚目のスタジオ・アルバム『Clapton』は、ソロ・デビューから40年、1992年のグラミー最優秀アルバム賞を受賞した大ヒット作『Unplugged』を彷彿させるジャジーかつブルージーなカヴァー&オリジナル楽曲集となりました。シャンソン〜ジャズのスタンダード曲としておなじみの「枯葉(Autumn Leaves)」のカヴァーは日本での1stシングルとなり、また、アルバムは、9月22日(水)日本先行発売予定となっております。

 その他にもアーヴィング・バーリン、ファッツ・ウォーラーなど、クラプトン自身が今までに取り上げたかった作家の楽曲をカヴァー。加えて、オリジナル楽曲も収録されています。

 『Clapton』はゲスト陣も豪華。シェリル・クロウ、デレック・トラックス、J.J.ケイル、アラン・トゥーサン、ウィントン・マルサリス、トロンボーン・ショーティなどが参加。プロデュースは、クラプトンとドイル・ブラムホールU。


【Track List】

  01. Travelin' Alone
  02. Rocking Chair
  03. River Runs Deep
  04. Judgment Day
  05. How Deep Is The Ocean
  06. My Very Good Friend The Milkman
  07. Can't Hold Out Much Longer
  08. That's No Way To Get Along
  09. Everything Will Be Alright
  10. Diamonds Made From Rain
  11. When Somebody Thinks You're Wonderful
  12. Hard Times Blues
  13. Run Back To Your Side
  14. Autumn Leaves



 

Clapton 国内盤
 
国内通常盤

 Clapton
 

 J.J.ケイルとの連名作『The Road To Escondido』(2006年)以来のスタジオ・アルバムで、ソロ名義では『Back Home』(2005年)以来の新作。すでにコンサートではおなじみとなっている「Rocking Chair」や「When Somebody Thinks You're Wonderful」、そしてジャズ・スタンダートの「枯葉(Autumn Leaves)」などのカヴァーを中心とした全14曲。また、シェリル・クロウ、デレク・トラックス、アラン・トゥーサンなどの豪華ゲストが参加。発売は、国内盤が9月22日に、英国盤が9月27日に、米国盤が9月28日にそれぞれ予定されている。


2004 USA Tour Program
w/ CD Single
 
オフィシャルサイト限定セット

2004 USA Tour Program
w/ CD Single
 

2004年に行われたライヴ・ツアー・プログラム(38p)と『Me and Mr. Johnson』からのシングル「If I Had Possession Over Judgement Day」をセットにしたECオフィシャル・サイト限定シングル。


Crossroads Guitar Festival 2010
 
Blu-ray

Crossroads Guitar Festival 2010
 

 2010年6月26日シカゴのトヨタ・パークにて行なわれた「CROSSROADS GUITAR FESTIVAL 2010」のDVD。*国内盤の発売決定! 詳細はこちらから。



 
9月20日発売

ストレンジ・デイズ No.132 2010年11月号
   ストレンジ・デイズ No.132 2010年11月号

《contents》
【特集1】21世紀のエリック・クラプトン

・パーソナルな夢の実現という自らの欲求と向きあった2000年代のクラプトン
・関連ディスク解説
・キャリアと経験に裏打ちされた味わい深い冒険

【特集2】ルーファス・ウェインライト

・フォークの血を引き、オペラを宗教として崇める不世出のポップ・アーティスト
・ルーファス・ウェインライト インタヴュー
・オリジナル・アルバム解説

◆ ポール・ロジャース インタヴュー / アルバム解説
◆ ユーライア・ヒープ インタヴュー
◆ グレッグ・レイク インタヴュー
 
・エマーソン、レイク&パーマーの教典#2
・ 若く、ハンサムで、愚かだった、70年代初頭のストーンズ
・国内初リマスターによる、ディープ・パープルのワーナー期アルバムBOXが登場!
・1976年のドイツ・ツアー3公演を収めたレインボーの伝説ライヴがついに復活
・名盤とリスナーとの新たな橋渡し、ソニーのオーダーメイド・クラブ始動
・フィル・コリンズ 歌えるドラマーから、叩けるヴォーカリストへ / アルバム解説(1980〜)
・AOR[パート3]アルバム選
・コリン・ブランストーンとラス・バラードの初作が紙ジャケ化
・アントニー・アンド・ザ・ジョンソンズ オリジナル・アルバム解説 / 性を超越し想像の翼を広げるアントニーのアーティスティックな道程 / 生きるための祈りにも似た聖と俗を行きかうイノセントな歌声
・伝統も革新も制覇しての孤高――リチャード・トンプソンの40余年 / アルバム解説(1999〜)
        ほか
 


> 「ストレンジ・デイズ」 バック・ナンバーはこちら


 


そのほかの注目【特集】は


フィル・コリンズ
 ジェネシスのドラマー、フロント・マン、そして、ソロ・アーティストとしても世界中を感動させてきたフィル・コリンズ。そんなフィルだが、08年には一度引退を表明しスティックを置いた。しかし今回、難病を乗り越えて、ついに8年振りとなる待望の新作アルバムをリリースした。”自身のルーツ”を語るモータウン・ナンバーの数々を取り上げ嬉々としてフィル流にアレンジした、原曲への愛情で一杯の快作だ。シーンへのカムバックを見事に果たしたフィル。数多くの成功を収めてきたソロ・ワークをこの機に辿りなおし、ショウマン・シップあふれるこの稀有なエンターテイナーの足跡と魅力を再度検証してみた。

ルーファス・ウェインライト ルーファス・ウェインライト インタヴュー/オリジナル・アルバム解説  08年、約10年ぶりとなる待望の来日公演を行ない、日本のファンを喜ばせたルーファス・ウェインライトが、10月、最新アルバム「オール・デイズ・アー・ナイツ:ソングス・フォー・ルル」を携え、再び来日を果たす。全編ピアノの弾き語りで構成されたこのアルバムを完全再現するこの公演は、その間、一切の拍手や歓声が禁じられ、ルーファスの登場から退場までそのすべてがひとつの演出となった緊張感あふれるステージとなっている。06年には、ジュディ・ガーランドが1961年にカーネギー・ホールで行なったステージを自ら再現。09年には、自身初となるオペラ作品「Prima Donna」が初演され、ポップ・ミュージック・シーンだけではなく、ショウビズ〜クラシック・シーンにも活動の幅を広げている。さまざまなシーンでその才能を見せるルーファスの再来日を機に、彼自身へのインタヴューに加え、ストーリー、ディスコグラフィーからその魅力と足跡を探る。

                                                     2001年〜

ジェフ・ベックとエリック・クラプトン
 ECだけじゃあない。ベックもウィンウッドも。時代が、老練たちの知恵袋や恍惚感を必要としているのか? ひと昔前であれば、悠々と隠居生活に洒落込んでいたであろう彼らのパフォーマンスは、単に不況に喘ぐ音楽市場が標榜した「大人のロック」需要の”落としどころ”として誂えられたものでなく、彼らが能動的に「人生の後半戦」を愉しもうとステージやスタジオに向かう姿勢として大いに称えたいもの。

 敬愛するB.B.キングとの共演盤『Riding With The King』をもって20世紀に別れを告たクラプトンは、「ブルース」や「再会」といったキーワードを用いながら、幾分回顧的風合いの強い作品を発表し続けてきた。自身の幼少期のポートレートをジャケットにあしらった『Reptile』を皮切りに、大規模なライヴ・ツアー、ロバート・ジョンソン集、『Back Home』といった作品を発表。さらに、クラプトン曰く「白人のギタリストで唯一僕が敵わない存在」というJ.J.ケイル、ブラインド・フェイスの盟友スティーヴ・ウィンウッド、ヤードバーズ時代からしのぎを削るジェフ・ベックといった旧友たちとの再会セッションが話題を呼び、2005年には、クリームの再結成も実現し、往年のブルース・ロック小僧を歓喜させた。また、長年愛用していた通称「ブラッキー」という56年製のフェンダー・ストラトキャスターをオークション(落札価格は日本円にしておよそ1億520万円!)にかけたこともファンにはなじみ深い出来事だろうか。

 悲喜こもごもあった90年代初頭以降、実に安定感のある活動を嫌味なく見せてくれているクラプトン。特に『Unplugged』(1992)や『From the Cradle』(1994)発表後は、もれなく力みのない創作活動に従事できているのではないかと感じている。そうした意味でも、「21世紀のエリック・クラプトン」。あまりにも”安定感”のある頼もしいキャッチだと思う。

 
 
Reptile
 
Reptile

 「Reptile」とは、「爬虫類」という意味で、しばし「いやなヤツ」「油断のならないヤツ」「一筋縄ではいかないヤツ」という使い方をされるという。さらにそこから転じて「気の置けないヤツ」→「(古くからの付き合いで)憎めない仲間」というような好意的な言葉になるそうだ。ジャケットのアートワークには幼少期のEC。そして「憎めないヤツらとの思い出とともに出来上がった、油断のならない14曲」と。幼少〜青年期にかけて彼に多大な影響を与えたという、2000年にこの世を去った叔父に捧げられた1枚だが、ひたすら色気のないセンチメンタリズムだけで終始していると思ったら大間違い。ブルースマンとしての円熟期をこれから迎えようとする、まこと自然な艶が溢れ出ているのでご注意を。


 
 
Road To Escondido
 
J.J.Cale & Eric Clapton
The Road To Escondido

 「After Midnight」、「Cocaine」など、古くからその作曲能力に感服していたECが、憧れのJ.J.ケイルと満を持しての共同制作。J.J.ケイルという名前だけで「し、渋い・・・」と唸ることなかれ。「Danger」でこじんまりとしたパーティは幕を開け、その愉しげなテンションは途絶えることはない。デレク・トラックス、アルバート・リー、ジョン・メイヤーに加え、タジ・マハール、ビリー・プレストンらの参加がなんともうれしい。





                                      1991〜2000年

エリック・クラプトン
 おそらくは、R35周辺世代にとって「クラプトン像」を決定的にした時期であるだろう。「エリック・クラプトン=ブルース・カヴァー」という図式は、MTVの絶大なる視覚・広告効果がもたらした産物でもあるだろうが、これにより「ロックの生みの親は、ブルースやリズム・アンド・ブルースなんだ」ということを再認識したことで、文化・産業、両面から捉えたロックの未来までもが明るく照らされたのは言うに及ばず。当時ガンズ・アンド・ローゼズやシンデレラに夢中のチェリーボーイ連を一挙に惹き込むような魔力というのは、まさにブルーズを通過したロックにこそ潜でいたという構造を、実に判りやすく丁寧に表現してくれたとも言え、その功績はたしかにデカい。   

 前年に自身の愛息コニーを、さらにその前年には友人のスティーヴィー・レイ・ヴォーンを続けて失ったクラプトンだったが、アルコールやドラッグで悲しみを紛らわすという轍を再度踏むことはなかったのは幸いだった。1991年には、ジョージ・ハリスンの日本公演のソロ・ツアーをサポート、1992年には亡き息子に捧げた「Tears In Heaven」で、翌年の年間最優秀曲、最優秀アルバム賞を獲得した。24夜にわたり、英ロイヤル・アルバート・ホールで異なる4つのユニットによるライヴ演奏を聴かせてくれたのもこの時期だ。

 
 
Unplugged
 
Unplugged

 世間的には「MTVアンプラグド人気を決定付けた」となっているが、何度目かのブルース・リヴァイヴァルが最も商業的な成功を勝ち得た一例でもある。「Tears In Heaven」に心ゆくまで涙させられるOLもウヨウヨいたが、クラプトンのここまでのブルース馬鹿一代ぶりを汲みながら、全国ネットでロバジョンの「Walkin' Blues」、「Malted Milk」やビッグ・ビル・ブルーンジーの「Hey Hey」なんかを演奏できた喜び、これを僭越ながらひっそりと感じ取ってわなわな震えるブルース親父だって多かった。大まじめにブルースをやるところがやはりECらしくて、好感度大。


 
 
From The Cradle
 
From The Cradle

 ライヴが成功したらスタジオで。これは当然の流れ。方法論も同じ。ほぼ一発録りで録りおろしたブルース/トラディショナル・カヴァー全16曲。当然「アンプラグド」ほどの装飾感はないものの、より生温かい感触のECブルースを味わえる。チャート、グラミーそれぞれを制覇したが、それ以上に自身の音楽遍歴やブルース愛を見つめ直せたことに大きな意味があったのだと思う。





                               1981〜1990年

エリック・クラプトン
 今となってはあまり大きく取り上げられることのない80年代のクラプトンだが、サーファー風ロン毛を靡かせ、全身をアルマーニで包んだ「ラグジュアリーなクラプトン」を堪能するには、これ以上なく打ってつけなアダルト・ロック佳曲が多数存在することは間違いない。特に、「80年代版レイラ」を目指した「Bad Love」収録の『Journeyman』においては、今聴くと多少くすぐったい感じもするが、ブルースやリズム・アンド・ブルースをファウンデーションにしながらも、この時代ならではのテッカテカの ”張りとツヤ”がサウンドの端々で顔を利かせている、そんな折衷の巧さが目立っているようにも思える。

 プロデューサーのラス・タイトルマンや、前2作で舵を取ったフィル・コリンズの手引きということもあるだろうが、大胆なシンセやリズム・ボックスの導入などが決して裏目に出たとは思えないし、それ自体制作上の”軟弱な一手”だとも思わない(”なよっと感”もクラプトンの持ち味のひとつ★)。むしろ「クラプトンの曲作りにおける持ち前のメロディ・センスをものの見事にサポートしているではないか!」とある種の興奮さえ憶えてしまう。ロバート・クレイとの共作「Old Love」も趣味がよく、『Journeyman』は、今最も聴き返してほしいアルバムの1枚だ。

 
 
Behind the Sun
 
Behind the Sun

 フィル・コリンズ、さらには遊撃手的にテッド・テンプルマンをプロデューサーに迎えた1985年のアルバム。ECがお茶の間向けヒット・ソングと真摯に向き合い苦悶していた時期でもあるが、「Forever Man」というポップなチャート・ソングの完成によって、ECは80年代を生き残る術を何とか手中にし、4年後の「Journeyman」でその方法論を開花させる。ネイザン・イースト(b)、グレッグ・フィリンゲインズ(key)との出逢いがまずは大吉か。当時の評価はどうだったか知らないが、今の時代、「See What Love Can Do」がかなり気分。


 
 
Journeyman
 
Journeyman

 そして本丸、『Journeyman』。フォリナーのミック・ジョーンズとの共作「Bad Love」のこれ見よがしの”レイラ路線”が実はクセになる。この男が安直なキャンディ・ポップを作るわけがない。たまり醤油のような甘じょっぱさを仕上げに染み込ませた甘味ソングにこそ腕が鳴る。それを「ブルージー」と呼ぶか「ペーソス」と呼ぶかは各人の自由。現在における「クラプトンっぽさ」すべての源流が「Bad Love」、あるいはこのアルバム全体に詰まっているような気がする。





                                        1971〜1980年

エリック・クラプトン
 70年代のクラプトンと言えば、ロックの歴史に名を残す作品を数多世に出す一方で、プライベートの暗黒サイドが語られることも多い。失恋の痛手によって嵌ったヘロイン中毒の泥沼に、友人ジミ・ヘンドリックス、デュアン・オールマンの死でとことん味わった失意。「オーシャン・ブルーバード」でカムバックするまでの地獄の沙汰は、想像を絶するほどに耐えがたく醜いものであったそうだ。ちなみに、クラプトンに救いの手を差し伸べたのは、ピート・タウンゼント。ピートの呼びかけで開催された1973年1月のレインボー・コンサートにクラプトンは出演。およそ3年ぶりに聴衆の前へ姿を現した。まだまだ覇気のあるプレイを見せるとまではいかなったが、まずは復活の狼煙をあげた一夜として語り継がれている。

 1974年、マイアミの別荘で録音された『461 Ocean Boulevard』には、究極の片想いソングとなってしまった「いとしのレイラ」の力みまくった情感からは乖離した、陽気でゆるやかなセッションの日々が刻まれた。いわゆるブルース・ロックという分野に「レイドバック」する悦びを与え、と同時にレゲエを筆頭とするワールド・ミュージック時代の訪れを予感させた、20世紀のポピュラー・ミュージック史的に見ても重要な作品と言えるかもしれない。「Let It Grow」の繊細なメロディもいいが、ジョニー・オーティスのカヴァー「Willie And The Hand Jive」にゆる〜く包み込まれる感触が大好きだ。

 翌75年の『安息の地を求めて』では、レゲエの本場ジャマイカでの録音を敢行(1曲のみマイアミ録音)。「We've Been Told (Jesus Is Coming Soon)」、「揺れるチャリオット」、ボブ・マーリーに捧げた「Don't Blame Me」といったレゲエ・コンシャスな楽曲が当然ながら目立つものの、個人的には、終盤「可愛いブルー・アイズ」から「心の平静」へゆったりと流れる柔らかな空気感がどんぴしゃ。本作のレコーディングが終了した1974年10月31日には、初の日本公演も実現している。

 その後は、旧知のJ.J.ケイルやザ・バンドとの交流を一層深めながら、よりアメリカ南部的な色合いを濃く打ち出した『No Reason To Cry』、ついに”異名”をタイトルに掲げた『Slow Hand』、前作に続いてグリン・ジョンズが制作を担当した『Backless』といった好作品をつるべ打ち的に発表。同時期に、ジョージ・ハリスンとの離婚が成立したパティ・ボイドとの結婚を果たし、すべてが好転するかと思えたものの、意中のパティとの結婚生活は長く続かず、またもやアルコール中毒との闘いを強いられることとなる・・・そして、血迷いついでにストーンズに入らなくて(両サイドにとって)本当によかった。

 
 
461 Ocean Boulevard
 
461 Ocean Boulevard (Deluxe Edition)

 スネちゃまがおもむろに2階の窓から手を振ってきそうな、雰囲気満点のマイアミの別荘から。このムードから「レゲエやってます感」を嗅ぎ取るのは簡単だが、まさかここでも大好きなロバジョンの「Steady Rollin' Man」やエルモアの「I Can't Hold Out」をやっているとは・・・本当に大まじめなブルース小僧だ。EC版「ベースメント・テープス」よろしくで、未発表音源たっぷり収録のデラックス盤を推薦。


 
 
There's One In Every Crowd: 安息の地を求めて
 
There's One In Every Crowd :安息の地を求めて

 邦題「安息の地を求めて」が言い得て妙か、「461〜」よりさらにレイドバックしたサウンドが目立つ本作は、さらに南下を試みたジャマイカ録音(一部マイアミ録音)。「I Shot The Sheriff」をカヴァーさせてもらったお礼も込めて、ボブ・マーリーに捧げたという「Don't Blame Me」をはじめレゲエ色はEC作品史上最濃。がしかし、ここでもエルモア「The Sky Is Crying」が突然鎌首をもたげる。もはや「好きだから入れたんや」という理由しか見当たらなそうだ。





                                      1961〜1970年

デラニー・ブラムレットとエリック・クラプトン
 1963年のヤードバーズ加入から、ジョン・メイオールのブルース・ブレイカーズ、クリーム、ブラインド・フェイス、デレク&ザ・ドミノスへと至るまでの出入りの激しい ”ブルース・ロック・ノマド” 期のクラプトン四方山話はまたの機会に設けるとして、この時期重要視したいのが、デラニー&ボニーとの密なミュージシャン・シップだ。

 1969年にブラインド・フェイスの全米ツアーの前座を務めたデラニー&ボニー。クラプトンはこのとき、彼らの南部ルーツに根差した、まろ味を帯びた音楽性に瞬時にときめきを憶え、即座に親交を深めたという。「Comin' Home」という彼らのAtco移籍第1弾シングル曲をデラニーと共作し、さらには自身のソロ・ファースト・アルバムまでをデラニーにプロデュースしてもらうほどの惚れ込みようであったのは有名な話だろう。アメリカ南部のスワンプ・ロック・ムーヴメントがイギリスのビッグ・ネームをオルグしていくという歴史的光景は、ブラインド・フェイスを解散させたクラプトンがそのままデラニー&ボニーのサポート・ギタリストとして、イギリスのドサ回り興行に同行したことに集約されている。また、ボビー・ウィットロック、デイヴ・メイソンらも、クラプトン同様にこのスワンプ・サウンドに魅了されてしまい同ツアーに帯同。この後、ツアーで共演をはたしたレオン・ラッセル一派のカール・レイドル、ジム・ゴードンとデレク&ザ・ドミノスを結成することで、クラプトン史上最高に ”建設的な流れ” は一応のハッピー・エンドをみるのであった。

 
 
On Tour With Eric Clapton
 
Delaney & Bonnie
On Tour With Eric Clapton

 気の合う仲間とバンドワゴンを走らせ世界各地をドサ回り。昼夜問わずに大好きなブルース、R&B、カントリー、ニューオリンズ、スワンプ・ロック談義に花を咲かせ、ジャム・セッションに明け暮れる、ECにとってのツアーの理想形がそこにあった。ブラインド・フェイスを解体してまで参加したかったデラニー&ボニーのアメリカ南部ルーツを辿る音楽の旅路。イギリス・ツアーにデイヴ・メイソンらと参加したECは、続けざま、ボブ・ディラン&ザ・バンドに目覚め、J.J.ケイルに心酔する。ジミ・ヘンを初めて目の当たりにしたときもそうだが、夢中になったらかなり一途。大まじめだ。そして、なりふりかまわずその羨望や音楽的欲望をむき出しにし、ひとり加速する。


 
 
Eric Clapton
 
Eric Clapton (Deluxe Edition)

 そんなアメリカ南部ルーツ音楽への探究心がまず最初に結実した初ソロ・アルバム。デラニー・ブラムレットをプロデューサーに迎え、レオン・ラッセルやシェルター・ピープルの面々、ジョン・サイモン、リタ・クーリッジ、スティーヴン・スティルスといったところが参加。デラニーを介して知ったJ.J.ケイルによる「After Midnight」や「Slunky」、「Bottle of Red Wine」などでアーシーなスワンプ・グルーヴを捉えることに成功している。小唄「Easy Now」は、琴線をまさぐるのが上手なクラプトン節の真髄をみる裏代表曲。



 Reptile
Reptile    オリジナル・アルバムとしては1998年『ピルグリム』以来となる通算19作目。プロデュースは現在のECミュージックに欠かせないサイモン・クライミーとEC本人の連名。バックには、スティーヴ・ガッド、ネイザン・イースト、ジョー・サンプル、ビリー・プレストン、ジ・インプレッションズらががっちりと。2000年に亡くなった伯父に捧げられた作品だが、冒頭の軽快なボサ風フュージョから、軽やかなヴォーカルを聴かせるブルース・ナンバーなど、いたずらにしんみりとした風情はない。古いブルース・ナンバー、レイ・チャールズ、スティーヴィ・ワンダー、ジェイムス・テイラー、J.J.ケイルの曲などカヴァーが作品中約半数を占めるが、どれもポップなフィーリングと黒人音楽感覚の折衷が見事になされている。
 One More Car One More Rider
One More Car One More Rider    「大規模なワールド・ツアーはこれが最後」と事実上のライヴ隠居を決め込んだ、2001年2月3日ロンドン・ロイヤル・アルバート・ホールを皮切りに、12月15日ここ日本は横浜アリーナでファイナルを迎えたレプタイル・ワールド・ツアーの模様を収録したメモリアルなライヴ盤。ふらりとステージに登場しアコギ一本で演奏する「Key To The Highway」で幕を開け、スタンダード・ナンバー「Over The Rainbow」で幕を閉じる感動のセットを。

 Me And Mr Johnson
Me And Mr Johnson    『レプタイル』以来3年振りとなるスタジオ・アルバムは、1994年の『From The Cradle』以来となるブルース・カヴァー集。ECが敬愛してやまない伝説のブルース・マン、ロバート・ジョンソンの楽曲とあらためて対峙。「Crossroad Blues」をはじめとするECの重要なルーツである曲ばかりがレコーディングされている。
 Sessions For Robert J
Sessions For Robert J    左掲『Me And Mr Johnson』のCD+DVDスペシャル・セット。その『Me And〜』に収録されなかったロバジョン楽曲が様々なシチュエーションでのライヴ映像で収録されたもの。ロンドンでのツアー・リハーサル映像、クロスロード・フェスティバルでのライヴ映像、ツアー中のホテルの部屋で撮影されたアコースティック映像、極めつけは、ロバート・ジョンソンが最後にレコーディングを行ったと言われているダラスの倉庫でのライヴ映像を収録。貴重なインタビュー/オフ・ステージ・ショットも収録。

 Back Home
Back Home    近年のECの片腕的存在として活躍するサイモン・クライミーを筆頭に、スティーヴ・ウィンウッド、ジョン・メイヤー、ロバート・ランドルフといった面々がゲスト/ソングライティング参加している2005年作。レゲエ・ヴァージョンにアレンジした「Say What You Will」、盟友ジョージ・ハリスンのカヴァー「Love Comes To Everyone」、シリータの楽曲「I'm Going Left」などを収録。還暦を迎えてもなお精力的に活動を続けるクラプトンの新たなるスタンダード。
 J.J.Cale & Eric Clapton / Road To Escondido
Road To Escondido    ECが敬愛してやまない、「Cocaine」、「After Midnight」の原作者 J.J.ケイルとのコラボレーション・アルバム。2005年8月にカリフォルニアでレコーディングされた14曲中、11曲がケイルによる楽曲で、ECは「Three Little Girls」を提供。「Hard to Thrill」は新世代ギター・ヒーロー、ジョン・メイヤーの手によるもの。加えてブルースの名曲“Sporting Life Blues”のカヴァーも収められており、作風としてはブルース、ロック、カントリーなどの影響が散りばめられたアット・ホームなルーツ志向の作品。本作は、このアルバム制作後に亡くなったビリー・プレストンとブライアン・ロイランスに奉げられている。

 藤原ヒロシ & Eric Clapton / Cappuccino
Cappuccino    藤原ヒロシとECの夢のコラボ・シングル。元々は2002年にECが来日した時、格闘技イベント「Pride」用に曲を作ろうという話をきっかけに、スタジオに入ってセッションを行い、そこで2曲レコーディングされたという。そのうちの1曲「Mime」は、藤原ヒロシのアルバム『Mellow Works Of Hiroshi Fujiwara』にも収録されていおり、さらに翌2003年に来日した際に残りの曲のレコーディングが行われた。そのほか須永辰緒、K.U.D.O(Ape Sounds)他が参加したリミックス3曲などを収録。
 E. Clapton & S. Winwood / Live From Madison Square Garden
Live From Madison Square Garden    ブラインド・フェイス以来、両雄が40年ぶりにがっぷり四つに組んだ、2008年2月25、26、28日にニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンにおけるライヴ盤。互いの歩みを振り返るがごとき名曲の数々を、円熟の境地に達した二人がセンチメンタリズムに流されることなく、気合いの入った歌と演奏で聴かせてくれるのがたまらなく嬉しい。互いのソロ曲、トラフィック、ジミヘン・ナンバーと文句なしの選曲。DVDおよび限定輸入ボックス・セットもあり。

 Ballads
Ballads    2003年、通算16度目の来日を祝して発表された〈来日記念盤〉バラード・コレクション。1999年にリリースされ大ヒットを記録したしたベスト盤『ベスト・オブ・エリック・クラプトン』とは一味もふた味も違う選曲で、名曲が今ここに甦る。ワーナー移籍第1弾『Money and Cigarettes』から2002年ライヴ盤『One More Car One More Rider』まで約20年間の歴史を紐解く記念すべきバラード・ベスト・アルバム。
 Complete Clapton : Lifetime Best
Complete Clapton : Lifetime Best    ECのこれまでのキャリアをガツッと総括した2枚組ベスト・アルバム。クリームやブラインド・フェイス時代の楽曲から、「Wonderful Tonight」、「Tears In Heaven」といった人気のバラード、ベイビーフェイスとの共演で話題を集めた「Change The World」、J.J.ケイルとのコラボ作からの「Ride The River」まで全36曲を収録。

 [DVD] Cream / Royal Albert Hall London 2005
Royal Albert Hall London May 2005    言わずと知れたEC、ジャック・ブルース、ジンジャー・ベイカーの3人からなるクリームが奇跡の再結成。2005年5月2、3、5、6日にロンドン・ロイヤル・アルバート・ホールにて37年ぶりの復活公演を行った際の2枚組ライヴDVD。収録内容が若干異なるCDも同時発売されている。
 [DVD] DVD Collection
DVD Collection    『24ナイツ』、『アンプラグド』、『ライヴ・イン・ハイドパーク』、『クロス・ロード・コンサート』、『Best Of-The Video』、『ワン・モア・カー、ワン・モア・ライダー』というECの歴代DVD作品6本と『レプタイル』のDVDオーディオをセットにしたボックス・セット。

 [DVD] Crossroads Guitar Festival
Crossroads Guitar Festival    ECが1998年にカリブ海のアンティグア島に設立したアルコールや薬物患者の治療施設である「クロスロード・センター」へのチャリティを目的として2004年6月、テキサスのダラスにて行ったフェスティヴァル・コンサートの模様を収録した2枚組DVD。ジェフ・ベック、カルロス・サンタナ、ブライアン・メイ、ジョー・ウォルシュ、BBキング、バディ・ガイ、オーティス・ラッシュ、ジミー・ヴォーン、ロバート・クレイといった錚々たる面子が参加している。
 [DVD] Crossroads Guitar Festival 2007
Crossroads Guitar Festival 2007    2007年7月28日にシカゴで開催された、2004年に続く2度目の「クロスロード・ギター・フェスティヴァル」。前回同様に、ジェフ・ベック、ロバート・クレイ、シェリル・クロウ、ヴィンス・ギル、バディ・ガイ、BBキング、ジョン・メイヤーといった豪華面子が参加する中、ハイライトとなったのは、ブラインド・フェイス再結成ともいえるECとスティーヴ・ウィンウッドの共演だろう。