ー で、こういう企画やってみました
加藤 「リアルタイム世代としてあの頃『空中キャンプ』のジャケットの印象ってどうだったの?オシャレな感じだったの?」
ファンタ 「いまでこそオシャレな感じだよね。」
泉水 「いや、オシャレって感じではなかったと思う。『謎』以外の何ものでもなかったよ!ほかのに比べて画質悪いのとかも素人目にわかったし。その時代、謎なのが多かった。今でこそ有名だけど 96 年の UA の『11』とかも謎だったもんね。『Ele-king』でフィッシュマンズを知ってはいたけど、それが目当てじゃなかったの。やっぱたまたま試聴機に入ってたっていうか、気になったっていうか。オザケンからの流れでコーネリアスとかチェックしに行って。で、その当時ってお金ないから毎日通って何回も聞くワケ。」
寺澤 「その感覚わかる。」
泉水 「そのウチだんだん、ジャケも良いなぁとか、純粋に良い音楽だなぁ、あ、買おうかなって。」
加藤 「そういうのって良いよね。いま CD ジャケットも雑誌の写真もハイファイでバッキバキの似たような画像が多い中で、さらに情報も多いし、日に日に歳も取ってくワケで、なかなかそういう風になりにくいよね。でも、いま、一周してこういうテイストが来ると良いよね。画質、アレ?全員チノパン、アレ?親近感?みたいな。」
泉水 「逆に、ね。」
加藤 「誰かがコーディネートして綺麗にしないと表に出せないとか、なんとなく当たり障りのない “イイ感じ”にする”とかね。広告っぽい CD ジャケットが増えて来てるからね。いかに売れるかとか、ソレっぽいかみたいな。大事なんだろうけど。もっとその前にあるだろ!っていう。」
泉水 「プレゼンを前提に、とか違うよね。」
ファンタ 「今の時代メジャーもインディーズもないんだから、出来合いのイメージに持って行かれる前にせめてウチらは底抜けに楽しいことやって満足したいよね。」
泉水 「アーティスト側が楽しめてれば完全にコケるってモノにはならないし、セールス悪くてもせめてちゃんと思い出になったりするモノが良いよね。そういったものを改めて見つめるためにも、こういう企画をやってみました。」
加藤 「お、綺麗なまとめ。」
寺澤 「デザイナーとしてもコピーなのになんでこんなに作業が楽しいのかなっていうくらいの本当に楽しい作業でした。」
加藤 「そこに今後のヒントが隠されてるよね。リリースするわけじゃないし、予算も時間も限られててもかなり楽しかったもんね。」
泉水 「フィッシュマンズ好きだけど、コスプレをすることになるとは思わなかった。」
モニカ 「ちなみに職場の人に借りたダウンジャケットです。」
加藤 「現代の技術をそんなに使わず服はもちろん背景もロゴも全部1からコピーしてます。」
泉水 「次回もホント楽しみな企画です。」
加藤 「というわけで、ご覧ください、ジャンッ!」
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文中に登場したCDたち
09. サニーデイサービス「愛と笑いの夜」
駅裏にあった喫茶店の棚にはたくさんの漫画が並んでいて、晴れた日の昼下がりよりもオレンジ色のランプが灯る夜の方が店内は明るかった。大きな黒ブチ眼鏡をかけた大学生はアルバイトで、僕らが内緒で付けたあだ名は『カエル』ときどき『トカゲ』。虚ろな目つきと不器用な手つきで高校生2人のオーダーを取った。夏。アイスコーヒーを注ぐ前に、トカゲはCDを替えた。僕が初めて聞いた『愛と笑いの夜』が流れた。アイスコーヒーの氷が解けてグラスにあたった音がする。『サマーソルジャー』は本文中でモニカさんも言うように本当にかっこ良すぎる1枚です。夏の油断してる時に聞くと気絶しそうになります。
(イーグル加藤)
10.UA「11」※廃盤
個人的にはこの時代の思い出って概してセピアっぽいフィルターがかかてる印象があります。そのセピアっぽいカラーを代表してるのがこのUAでありcoccoや久保田利伸でした。今でもこの頃の曲を聴くと得も知れぬセピア色のノスタルジーに支配されます。これは、彼女達の曲に空白の10年を映した時代感を感じとっていたのか、それとも幼心に彼女たちの持つ土臭いエネルギーを感じ取っていたのか、はたまた彼女たちの小麦色に焼けた肌がそう感じさせたのか。今となっては理由は良く分かりませんが、自分にとって彼女達の飾り気が少なくストレートな歌は、憂いを帯びた純粋なセピア色を感じさせられる希有な存在だったなと思います。
(DJ FANTASTICK)
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