[USED:Cond.A] Works For Organ & Harpsichord: Brizi(Claviorgan)Ensemble Salve Festa Dies

クラヴィオルガンとカントによるコラボレーション！
ツィポリ：鍵盤作品全集

　イタリアの教会の中で正にミサを聴いている感覚になるような、神聖な雰囲気あふれるCD。でも、それだけではありません。ツィポリの鍵盤楽器作品全集をグレゴリオ聖歌や二声、三声のカントと組み合わせることによって、オルガン音楽だけでなく、カントの世界も堪能できる非常に貴重な録音です。
　イタリアのトスカーナ地方に生まれ、ローマの教会でオルガニストを務め、その後はイエズス会の伝道師としてコルドバへ渡り、その地で生涯を遂げたイタリア・バロックを代表する作曲家の一人、ドメニコ・ツィポリ（Domenico Zipoli〈1688-1726〉）。彼の名前は、日本ではまだそれほど広くは知られていませんが、ツィポリは当時、オルガン奏者として、また作曲家として活躍していました。
　そのツィポリの鍵盤楽器作品をイタリアのオルガニスト、ブリツィが得意のクラヴィオルガンと共に装飾豊かな音と即興でドラマティックに演奏。さらに、イタリアの修道士等が中心メンバーの合唱アンサンブルによる穏やかで瞑想的な歌声がそこに加わるという、これまでにない斬新なアイデアで構成されています。
　流麗で荘厳なオルガンとスピリチュアルな歌声。これらがバランス良く配置され、見事な調和と一体感を作り出しています。
　ツィポリの作品やその知られざる経歴に迫る40ページのブックレット付き。詳細で読みごたえのあるテキストは、本アルバムの資料的な価値も高めています。

■ 曲目
D.ツィポリ：
◎DISC-1 ［第1巻］
トッカータ、ヴェルソ、カンツォーナ、オッフェルトリオ、
アッレヴァツィオーネ、アル・ポスト・コムニオ、パストラーレ
[1]-[11] ニ調によるトッカータ、4つのヴェルソ、カンツォーナ
　　　　［及びマニフィカト］
[12] ［11のヴェルソ］
[13]-[21] ハ調による4つのヴェルソとカンツォーナ［及びマニフィカト］
[22]-[26] ヘ調による4つのヴェルソとカンツォーナ
[27]-[35] ホ長による4つのヴェルソとカンツォーナ［及びマニフィカト］
[36]-[43] ト調による4つのヴェルソとカンツォーナ及び賛歌
　　　　　［イエスの甘き思い出］
[44] アッレヴァツィオーネ（I，ヘ調）
[45] ［私の肉（身体）を食する者：コムニオ
[46] アル・ポスト・コムニオ（ヘ調）
[47] ［二声によるアンティフォナ：アヴェ・ヴェルム・コルプス］
[48] アッレヴァツィオーネ（II，ハ調）
[49] オッフェルトリオ（ハ調）
[50] パストラーレ（ハ調）

◎DISC-2 ［第2巻］
プレリュード、アルマンド、クーラント、サラバンド、
ジーグ、ガヴォット、パルティータ
[1]-[4] ソナタ ロ短調
[5]-[8] ソナタ ト短調
[9] ジョヴァンニ・ジャコモ・ガストルディ：舞曲 Lo Sdegnato
[10]-[14] ソナタ ハ長調
[15] 作曲者不詳：民謡 Della vanita del mondo
[16] パルティータ ハ長調
[17]-[20] ソナタ ニ短調
[21] パルティータ イ短調
[22] ［スペインのドメニコ修道会の皇帝のレティラーダ］

■ 演奏者
クラウディオ・ブリツィ（クラヴィオルガン）
アンサンブル“サルヴェ・フェスタ・ディエス”
　ミケーレ・マンガネッリ（指揮，テノール）
　マウリツィオ・ヴェルデ（テノール）
　マウロ・プレサッツィ（バス）
　マッテオ・フェッラールデスキ（バス）

■ 録音
2006年6月，2006年4月，2005年4月，2004年9月 ほか／イタリア

●JVC K2レーザー・カッティングによる高音質
★「レコード芸術」2007年10月号【特選】