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源静香は野比のび太と結婚するしかなかったのか 『ドラえもん』の現実

Yusuke Nakagawa

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784569818184
ISBN 10 : 4569818188
Format
Books
Publisher
PHP
Release Date
February/2014
Japan

Content Description

クラスでいちばんかわいい女の子しずかちゃんが、いちばん凡庸な男の子の妻となる現実。最大の武力の持ち主ジャイアンと最大の資金力の持ち主スネ夫が、タッグを組まなければならない現実。たとえいじめられても、いじめっ子と絶縁する道を選べない最下層カーストにいるのび太の現実。ドラえもんが歩いていても驚かれない、地域コミュニティが崩壊した郊外に住む野比家の現実―『ドラえもん』で描かれる人間関係は、はからずも現代社会の縮図なのである。空気のような存在ゆえに、かえって論じられてこなかった国民的マンガを社会学的に考察。なんともせつない深すぎる「ドラえもん日本原論」。

目次 : 第1章 しずかちゃんの行動は冷静に考えればよくわからない―紅一点のフェミニズム批判/ 第2章 ジャイアンとスネ夫はまるで民主党政権である―ガキ大将とボンボンの政治学/ 第3章 「ドラえもん世代」は存在するのか―体験的ドラえもん時代論/ 第4章 のび太はスクールカーストの日本最初の被害者なのか―学校を舞台としない物語の教育論/ 第5章 野比家は郊外に住んでいなければならない―練馬区月見台の郊外論・家族論/ 第6章 じつはパラレルワールドだった!―ドラえもん作品史研究序説

【著者紹介】
中川右介 : 1960年東京都生まれ。「クラシックジャーナル」編集長。早稲田大学第二文学部文芸科卒業。幼少期よりアニメ、マンガに親しむ。少年期はSF、ミステリに浸る。青年期からクラシック音楽にはまる。出版社IPC編集長時代はおもに写真集を出版、93年に出版社アルファベータを興し、代表取締役編集長に就任。音楽家、映画作家、文学者などの評伝や音楽書の編集・出版と並行して、クラシック音楽、歌舞伎、映画、歌謡曲などの分野で著作活動も(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 1.3manen

    ユニークなタイトルに思わず感心。ドラえもんに対する視座として、著者は男性だから、女の子も楽しめるようなものも(31頁)、という発想は盲点であった。また、ドラえもんには女性蔑視と女性敵視も隠れているとは(3頁)思いもしなかった。常識を批判的に捉えることを思い知る指摘だと思う。かわいい女の子以外の属性を曖昧にしているとも(33頁)。今でいうAKBにでも入れそうな感じのレベルの可愛さだとは思うけど。彼女の入浴シーンが問題視されてもいる(40頁〜)。 

  • 宇宙猫

    ★★ しずかちゃんがフェミニストの辛辣な批判にさらされているとか。半世紀も前のマンガ設定なのに滑稽だ。著者の映画での戦闘少女の面が語られていないにも違和感。「STAND BY ME ドラえもん」はスルーされてるしなって思ったら出版は映画の前だと後から気づいた。タイトルとSTAND...のギャップが気になって読んだので残念。 入口がここだったから、その後の分析にも懐疑的に読んでしまった。

  • 魚京童!

    題名の答えがないし、論証は薄いし、政治批判にもっていくし、ただのクズ。読んで損した。

  • 明智紫苑

    日本のソウルフードならぬ「ソウルコミック」の考察本。「ジェンダー」という観点からしずかちゃんを分析するなら、のび太やスネ夫の「男性アンチヒロイン」要素やドラえもんの「疑似母性」などに目をつけても良さそうだと思う。あと、出来杉君は単なる「男の子」というよりもむしろ「宝塚の男役トップスター」みたいなポジションだと思うね。

  • ふく

    「ドラえもん」に対して持っているイメージは、(1)アニメだけしか知らない人と、(2)原作まんがも読んでいる人と、(3)異色短編まで知っている人と、それぞれ異なるだろうと思います。大山のぶ代さんによる「ホンワカパッパ」なイメージの方には、原作まんがのかなり過激な「爆笑」要素も知っていただきたいし、「深読み」を「考え過ぎ」と断じる方には、異色短編に触れて藤子F先生の奥行きを感じていただきたい、と思ってしまいます。余計なお世話かもしれませんけれども。

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