Books

フェルメールとそのライバルたち 絵画市場と画家の戦略

Yoriko Kobayashi

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784044006785
ISBN 10 : 4044006784
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2021
Japan

Content Description

競合2000人、流通作品500万点。繁栄と恐慌、戦争―。オランダ絵画の黄金時代は空前の競争市場だった!名画とマーケット。美術史研究の最前線。

目次 : 序章 静謐と喧騒/ 第1章 浮かぶか、沈むか―一七世紀オランダの絵画市場/ 第2章 マーケットと対峙する画家たち/ 第3章 絵画流通の五つのルート/ 第4章 風俗画の成立とアート・マーケット/ 第5章 最盛期のオランダ風俗画家たち/ 第6章 アート・マーケットのなかのフェルメール/ 第7章 似ていないが似ている―画家たちの生き残り戦略/ 終章 未完のフェルメール

【著者紹介】
小林頼子 : 1948年生まれ。目白大学社会学部教授を経て、同大学名誉教授。専門は17世紀オランダ美術史、日蘭美術交流史。82〜85年、ユトレヒト大学美術史研究所留学。87年、慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。『フェルメール論』(八坂書房)および『フェルメールの世界』(NHKブックス)の2著で第10回吉田秀和賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • パトラッシュ

    欧州の美術館では、どこでも17世紀オランダ絵画が広いスペースを占める。これほど大量の絵画が小国で生み出された事情を、美術史のみならずオランダの国家成立と社会状況を含め推理小説的に解明していく。独立を果たし富裕化した市民層が家に絵を飾るようになり、需要に応じてアートビジネスが発展し買い手の求める傾向の絵が供給されたのだ。大半の絵が黒を基調としているのも、色を節約し量産を可能にするためとは。この戦略に乗れた画家は成功したが、レンブラントやフェルメールは乗り損ねていた。美術が消耗品扱いの時代が確かにあったのだ。

  • 泰然

    もし「光の魔術師」フェルメールが多少でも長命したら何が表れたか?17世紀のオランダを舞台に経済と絵画市場の繁栄と恐慌のなか、現代の私達の心を捉えて放さない、美麗な日常のひとコマを寓意や物語と共に表現した数々の風俗画の裏舞台研究が展開される。プロテスタントの影響で偶像化を避けながらも古典物語の影響を感じる家庭画、中間・富裕層の発展と需要に応じる絵画家達の戦略。熾烈な自由競争が生んだ「似ているが似てない」作品を描き続ける相反現象などの考察は新しい美術鑑賞視点の提供と、現代商業にも通じるサバイバル精神を与える。

  • 岡本 正行

    フェルメールが絵画を創作した背景、寡作だった理由、なんとなくわかった。当時のオランダでは、金持ちから庶民まで家の中の壁に絵画を飾り付けるのが流行していた。それに、どのような絵を飾るかが、また競いあっていたようだ。しかし、流行が変化し、またオランダの国力も低下していくと、絵描きと絵画商が同じ人物になったり、兼ねたりするようにんった。また絵画の内容も、通常の生活を描くものも減り、だんだんと絵画の人気もなくなっていた。ベラスケスも、同様な時代にいた。流行の絵かきとそうでないもの、何事もそうではあるが。

  • kamekichi29

    17世紀あたりのオランダのアートビジネスに関する考察という感じ。アートマーケットのトレンドと画家たちの対応など。フェルメールの作品の明らかな変化が自身の技巧の変化なのかあるいはマーケットの流れに対応したものなのか、という疑問を皮切りにして同じ時期の画家多数を考察されている。

  • なおた

    副題が「絵画市場と画家の戦略」なので、純粋にフェルメールの絵画を図版として楽しみたいという美術愛好家向けの本ではない。今でこそ有名なフェルメールだが、彼も、時代の子に過ぎない...ということを考えさせられる1冊。画家が生業ならば、顧客があって、絵が売れて、はじめて生活ができる...そのネットワークを説き明かした点は、著者の研究熱心に頭が下がる。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items