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ことり 朝日文庫

Yoko Ogawa

User Review :5.0
(2)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784022648037
ISBN 10 : 4022648031
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2016
Japan

Content Description

人間の言葉は話せないけれど、小鳥のさえずりを理解する兄と、兄の言葉を唯一わかる弟。二人は支えあってひっそりと生きていく。やがて兄は亡くなり、弟は「小鳥の小父さん」と人々に呼ばれて…。慎み深い兄弟の一生を描く、優しく切ない、著者の会心作。

【著者紹介】
小川洋子 : 1962年生まれ。早稲田大学第一文学部文芸学科卒業。88年、「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞を受賞。91年「妊娠カレンダー」で芥川賞、2004年『博士の愛した数式』で本屋大賞と読売文学賞、『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞、2006年『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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誰にも知られないように、誰にも馬鹿にされ...

投稿日:2021/04/20 (火)

誰にも知られないように、誰にも馬鹿にされないように、誰にも消費されないように。静かに生きてきた人の生活は一言で寂しい、あるいは悲しいと表現してしまうこともできる。しかしその一言からこぼれ落ちたものをひっそりと丁寧に描いたのがこの本である気がします。優しい人は知らない言葉に耳を澄ます大きな心を持っている人だと感じます。

mori さん | 東京都 | 不明

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こんなに慎ましい男の一生があるだろうか…...

投稿日:2021/04/09 (金)

こんなに慎ましい男の一生があるだろうか…。遠藤周作の作品に出てくるような朴訥とした男が淡々と仕事に生きる様を丁寧に描く名作です。

ゆめゆめゆめ さん | 福岡県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 抹茶モナカ

    最後まで読み通し、また冒頭の一段落を読み、「素敵な小説だったな。」と、思った。静かな文体で、小鳥の小父さんの生涯を描いた小説。小川洋子さんの作品らしく匿名の街で起こる物語。何処か魔術的な文体が、時に妖しく響く。小鳥という儚い存在を中心に、ちょっとアウトサイドの兄弟の話を展開するので、ガツガツ読める本ではなく、その世界観に引き込まれて、物語の魔力を楽しむ本。小鳥という儚い存在について書かれているためか、読者を優しい気持ちにさせもする不思議な本。

  • エドワード

    世の中には動物に真の愛情を注げる人とそうでない人がいる。鳥としか会話できない兄。兄の<ポーポー語>を両親に伝える弟。兄弟の楽しみは近所の幼稚園の鳥の声を聴くこと。両親と兄の死後、独りになった弟に、園長が鳥小屋の世話を依頼する。懸命に世話をする<小鳥の小父さん>。なんと優しい響きだろう。園児たちは彼に感謝の手紙とメダルを贈る。しかし幼児誘拐事件が起こり、新しい園長は彼を幼稚園から締め出す。それでも彼は<小鳥の小父さん>であり続けた。彼は決して孤独ではなく、ひっそりと幸せだった。哀しくも不思議に暖かい物語。

  • やすらぎ

    人には決して聴こえていないはずなのに心震える音色がある。小雨降りしきる中で目を瞑れば見える結末があるように。出逢えたことに感謝し涙し、大切な温もりほど幾重にも優しく包み込みたくなる。時に鳥籠を抱きしめたくなる夜もある。おやすみ。日々の別れを告げるために。誰かが傍にいればきっと安心して眠れるだろう。おはよう。小さな幸せの訪れ。もう羽ばたいているんだ。黒い瞳のさえずりに、私たちは微笑みの奥に隠してしまった言葉を探している。ありがとう。伝えるほど切なくなる。ずっと一緒にいたいのに。誰しもそんな人生を送っている。

  • だんぼ

    もうくるしまなくていいよ じゆうでいいよ

  • mae.dat

    本書の閑かな凄みを記す事は難しくて。主題も分かる様な、分からない様な。洋子さんワールドを形成している事は間違いないのですけど、テーマを掴み損ねているね(´๑•_•๑)。でも先ずはお兄さんですよ。独自の言語を操っているのだけど、それは一体って言う。でも思ったよ。言語って色々不思議があるのですけど。聴いた音声をそのまま発話できるって能力が備わっている事は意外に凄いのではと。お兄さんは出力にだけに難ありの可能性とか。いや、鳥の囀りですよね。鳥の鳴き声にも文法あるそうですよ。一瞬現れた言語学者さん。

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