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終りに見た街 小学館文庫

Yamada Taichi

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784094088328
ISBN 10 : 4094088326
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2013
Japan

Content Description

戦時下にタイムスリップしてしまった家族

東京近郊に住む平凡な家族は、ある朝、戦時中(昭和19年)の日本にタイムスリップしていた――信じられないようなSF的設定で始まる問題作。家族が投げ込まれた世界は、戦時下の「食糧不足」「言論統制」「強制疎開」「大空襲」の時代だった。憎むべき〈戦争〉の時代に、〈飽食した〉現代人はどう立ち向かうのか。太平洋戦争末期、敗戦へと向かう日本を鮮烈に描きながら、驚くべき結末が待ちうける戦慄の寓話。 
解説、奥田英朗

【著者紹介】
山田太一 (脚本家) : 1934年東京生まれ。大学卒業後、松竹入社、助監督を務める。その後独立し、数々のTVドラマの脚本を執筆。八八年長篇小説『異人たちとの夏』で山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • がらくたどん

    終戦の日に「この前の戦争」が更新されませんようにと祈りつつ@再読。昭和56年から昭和19年にタイムスリップした2家族が体験する戦争終焉の日本を描く山田太一風「体験手記」。昭和56年というのがミソ。戦中に成人していた層は口を噤み、戦中生まれと戦後生まれが混在した働き盛り層が高度経済成長の予感に未来だけを見ていた時代。戦中の街で曖昧な戦争体験や知識を動員して戦争末期の狂騒に抗おうとする親世代と「何も知らない」からこそ明確な敵がいる分かりやすさの結束感・共通目標に惹かれていく子世代の軋轢を描く寓話的ホームドラマ

  • 樋口佳之

    小学校の五年生の夏に、私は敗戦を迎えました。(あとがき)/とにもかくにも、それは幸運な事ですが、80年直接の戦争状態に陥らずに過ごしてきたこの国では、実体験(著者の場合10歳位でしょうか)と重ねて戦争を描ける方は全くおられなくなる時期に来ているのですから、読まれるべきお話なのではと思います。アンリミテッドさまさまでした。

  • おさむ

    珍しい山田さんの戦争もの。現代の家族が戦時中にタイムスリップというSFチックな展開に思わず引き込まれて一気読み。終わりはハッピーエンドではなく、山田さんらしい「暗さ」でした。同じく脚本家の倉本聰の戦争ものもたしかタイムスリップものでした。現代人に分かりやすく戦争を実感してもらうにはこうした仕掛けしかないのかなあ……。

  • のぶのぶ

     ドラマを見てあるので、流れは同じであるが、今の方が現実味が高まっている。戦争体験はしていないが、過去のことを学んでいる。学んでいても、止められない。先日、ニュースでウクライナの子どもがドローンを作って、少しでも国に貢献し戦争を早く終わらせたい気持ちで作っている映像を見た。でも、そのドローンは、実際に人を殺すことになるだろう。早く戦争を終わらせたい気持ちが強いが、結局は、戦地に赴く兵士や国に協力して働く人たちと同じであるし、戦時下に置かれたら、自分も同様な気持ちをもってしまうだろう。明日は我が身かも

  • 空猫

    【夏は戦争物】戦争体験者が少なくなってきた今、「もはや戦後ではない。むしろ戦前だ」と言われる今、政府批判で干されるタレントがいる今、報道規制があると言ってイイほどの今、コンビニで24時間何でも手に入り、店先でも、歩きならでも食べ始める今、タイパ、コスパと自分の損得でしか考えなくなった今、、、必要な一冊であろう。ドラマ化されたようでなるほど映像向きで、異次元世界の設定なのでヤボは言いっこなしで読んでほしい。 もっと多くの人に知ってほしい作品。

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